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堕落刑事: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ



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【この小説が収録されている参考書籍】
堕落刑事 :マンチェスター市警 エイダン・ウエィツ (新潮文庫)

堕落刑事: マンチェスター市警 エイダン・ウェイツの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

次作を期待させる、英国刑事物のニューヒーロー

イギリスの新人作家のデビュー作。本国ではすでに第三作まで刊行されているという、マンチェスターの刑事をヒーローにした新しい警察小説シリーズの登場である。
マンチェスターの麻薬売買を牛耳る組織に潜入し、ボスのカーヴァーが操っている警官を捜し出せという難しい秘密任務を命じられたのは、押収品の麻薬をくすねて停職処分を受けている巡査・ウェイツだった。堕落した警官なら麻薬組織も受け入れるだろうという計算である。しかも、この困難な潜入捜査に加えて、家出して麻薬組織に入り浸ってしまっている司法大臣の娘・イザベルの救出も任務とされた。毎週末にカーヴァーの豪邸で開かれるハウス・パーティーに潜り込み、カーヴァーの知遇を得たウェイツは組織の実態をつかみ、任務の目的に近づいたと思っていたのだが、イザベルが死体となって発見される事件に関与したことから思わぬ事態に巻き込まれることになった。
これまでの英国警察小説の主流であるダルグリッシュ警視、リーバス警部、ダイヤモンド警視など頑固で大人の警部たちとは異なり、まるでアメリカのはぐれ警官のような若くて破滅型の巡査が主人公という設定がとても新鮮。物語も麻薬密売組織と警察の不透明な関係、政治家一家のスキャンダル、大都会にはびこるドラッグの病魔など、現代的な要素をたっぷりと盛り込んだアクション小説である。文庫で600ページという長さから、途中にちょっと中だるみがあるものの読み応えがある作品で、次作以降の邦訳が待ち遠しい。
英国警察小説の王道作品のファンより、アメリカの刑事物のファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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