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鎮憎師



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【この小説が収録されている参考書籍】
鎮憎師
鎮憎師 (光文社文庫 い 35-17)

鎮憎師の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

あくまでも推理ゲーム

登場人物や物語の背景に深みがないとかその辺の批判めいたものはこの作家には当たりません。ほとんどの作品が推理ゲームに特化したものだからです。
ハウダニット、フーダニット、ホワイダニットを究極に突き詰めているお話ばかりです。ですから人間的な深みなどを描写することなど始めから捨てています。
結婚式の二次会出席のため数年ぶりに集まった大学の仲間。三次会の後、渋谷駅で別れた八人。それぞれが違う方向に別れ見事に散り散りになった八人。
住むところが違うため利用する鉄道が全員違ったせいです。乗り入れ路線の多い渋谷駅ならではの偶然でしょう。
大学時代に事件があり一人の女性が皆の前から消えました。社会人になれば今の人間関係を優先するため、いくら仲の良かった大学時代の友人たちとも疎遠になるのもごく普通の事です。
皆の前から消えた女性がその二次会に現れました。大学をやめ郷里に帰っていた女性が現れたのです。そして、久しぶりのためまた翌日に全員で会おうと約束をします。
だが待ち合わせ場所に彼女は現れません。三次会の後渋谷駅で彼女は渋谷のホテルに戻り他の八人は駅で散り散りに別れました。待ち合わせ場所で4人が残りあとの4人がホテルまで様子を見に行きます。
何故かケータイが繋がらないからです。ホテルの近くまで来た時、路上に置かれた段ボールの下に彼女の死体があるのを4人は発見します。
首にひもで絞められたあとがありました。八人のうちの一人が密かに彼女と連絡を取り二次会に呼んでいました。物取り等流しの犯行ではない模様です。
となると容疑者は八人なのか。全員が理系大学出身のためここから論理的な考察に入ります。推理ゲームの始まりです。
読者向けと探偵役向けに手掛かりを晒します。普通そんなことは言わないだろうという一言が語られます。それはあくまで読者と論理展開する探偵向けの言葉です。
それが無ければ推理は進まないでしょう。だからそこは目をつぶるところです。一般的に考えれば変です。言わなければ悟られないことを言うのですから。
そういったところがあるのがバカバカしいととる読者もいるでしょう。でも、あくまでもミステリのロジックを楽しむためのお話ですから重箱の隅を楊枝でほじくるのはよしておきましょう。( ´艸`)
ただ、妙なタイトルで少し損をしているのではないかと心配します。軽いと言えば軽いです、しかし、妙な重たさがある海外ミステリを読んだ後はちょうど良い口直しとなります。
石持ファンであれば楽しめる一冊でしょう。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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