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その罪のゆくえ



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【この小説が収録されている参考書籍】
その罪のゆくえ

その罪のゆくえの評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

農村のお話し

ミステリー自体も面白かったですが
内容そのものを初めて読むわけじゃないけど、農村の風景や人の暮らしぶりなどが
身近に感じられた小説でした。
こういう話の筋とは直接(といっても、関わりはあるわけですが)関係のない描写も好きです。
登場人物の息づかいが聞こえるというか、小説なんだけど、現実に起こっているような感覚。
これぞ作者と翻訳者の一体化した結果なのでしょうか。
翻訳も自然体で良かったです。

残念なのは、題名ですね。
「xxxxのゆくえ」とか、そういう陳腐な表現は頂けません。






ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

法の正義と社会正義

英国の新人作家のデビュー作。いきなりMWA賞候補になっただけあって、骨太で味わい深い法廷ミステリーである。
ロンドンの公園で8歳の男児が殺され、犯人として11歳の少年・セバスチャンが逮捕・起訴された。弁護を依頼されたダニエルはセバスチャンに11歳の頃の自分を重ね合わせ、心の底から少年を弁護したいと思う。同じ頃、ジャンキーの母親から施設に保護されていた11歳のダニエルを引き取り、後には養子にしてくれた里親のミニーが死亡したと知らされる。育ての親として感謝しながらも、ある出来事からミニーを恨み、連絡すら拒んでいたダニエルだったが、ミニーの死により否応無く過去を振り返ることになる。
孤独と絶望にとらわれた惨めな少年だった自分と、裕福ながらも問題の多い家庭で育てられた、脆くて壊れそうなセバスチャンとを二重写しにして、ダニエルは環境に左右される少年の心の闇を解き明かそうとする。少年が「悪いことをする」「罪を犯す」とき、その責任を負うべきは少年だけなのか? 法の正義が貫かれることと、社旗正義が実現されることは完全にイコールなのか?
セバスチャンの裁判の進行とダニエルの回顧が交互に繰り返されながら進むストーリー展開が、非常に緊張感があってスリリング、新人とは思えない技巧が秀逸。静かだが力強い、読み応え十分の法廷ミステリーとして、多くの人にオススメできる。

iisan
927253Y1

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