その罪のゆくえ



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    初公開日(参考)2015年07月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,593回
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    その罪のゆくえ

    2015年07月08日 その罪のゆくえ

    ロンドンの公園で、8歳の少年が撲殺された。容疑者として拘束されたのは、11歳の少年セバスチャンだった。弁護を依頼された事務弁護士ダニエル・ハンターは、セバスチャンの裕福ながら幸せとはいえない家庭環境を知るうちに、自分自身の少年時代を思い出す。施設で過ごした苦しい日々、そしてそこから救ってくれて、のちに彼をてひどく裏切った里親ミニーのことを――。法廷での闘いは果たしてどこに行き着くのか? 英国ミステリの新星が放つ話題作。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞ノミネート。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

    その罪のゆくえの総合評価:6.75/10点レビュー 4件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)

    農村のお話し

    ミステリー自体も面白かったですが
    内容そのものを初めて読むわけじゃないけど、農村の風景や人の暮らしぶりなどが
    身近に感じられた小説でした。
    こういう話の筋とは直接(といっても、関わりはあるわけですが)関係のない描写も好きです。
    登場人物の息づかいが聞こえるというか、小説なんだけど、現実に起こっているような感覚。
    これぞ作者と翻訳者の一体化した結果なのでしょうか。
    翻訳も自然体で良かったです。

    残念なのは、題名ですね。
    「xxxxのゆくえ」とか、そういう陳腐な表現は頂けません。






    ももか
    3UKDKR1P
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (8pt)

    法の正義と社会正義

    英国の新人作家のデビュー作。いきなりMWA賞候補になっただけあって、骨太で味わい深い法廷ミステリーである。
    ロンドンの公園で8歳の男児が殺され、犯人として11歳の少年・セバスチャンが逮捕・起訴された。弁護を依頼されたダニエルはセバスチャンに11歳の頃の自分を重ね合わせ、心の底から少年を弁護したいと思う。同じ頃、ジャンキーの母親から施設に保護されていた11歳のダニエルを引き取り、後には養子にしてくれた里親のミニーが死亡したと知らされる。育ての親として感謝しながらも、ある出来事からミニーを恨み、連絡すら拒んでいたダニエルだったが、ミニーの死により否応無く過去を振り返ることになる。
    孤独と絶望にとらわれた惨めな少年だった自分と、裕福ながらも問題の多い家庭で育てられた、脆くて壊れそうなセバスチャンとを二重写しにして、ダニエルは環境に左右される少年の心の闇を解き明かそうとする。少年が「悪いことをする」「罪を犯す」とき、その責任を負うべきは少年だけなのか? 法の正義が貫かれることと、社旗正義が実現されることは完全にイコールなのか?
    セバスチャンの裁判の進行とダニエルの回顧が交互に繰り返されながら進むストーリー展開が、非常に緊張感があってスリリング、新人とは思えない技巧が秀逸。静かだが力強い、読み応え十分の法廷ミステリーとして、多くの人にオススメできる。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.2:
    (2pt)

    報われない物語り

    始まりから小説としての面白さに引き込まれて読むのをやめられなかった。

    幼少期の弁護士ダニエルと実母の苦悩と葛藤、後に養母となるミニーらの人物造形や農場での暮らしの物語りは魅力的で、現在と過去が交互に描かれる語り口もたいへんスムーズだ。

    それだけに法廷の方の物語りは違和感がある。
    弁護士ダニエルの、被告の少年フランシスへの安易としか思えない少年時代の辛い思い出の投影。この国の法制度で幼くして監禁される事の無意味さや過去の事件への後悔等に囚われ過ぎて客観的に被告の少年を見ていないようにしか感じなかった。
    どう弁護するかは別として、少年の無罪を疑わないのは不自然。

    皮肉な事にこの知能の高い幼い被告人と裕福だが問題だらけの家庭は不愉快だが大変説得力がある。DV父親と弱い母親も。
    少年に父親がセレブな弁護団を付けるといったのを少年が拒否してダニエルに固執して譲らない。それはダニエルの「ある種の甘さ(上記のような被告への感情転移)」を少年が高い知能と他人をコントロールする能力で見抜いて利用しようとしたのだと始めから感じた。
    そして利用する。

    「事実としては少年は殺害してるが良心の呵責はカケラも無い。ただ演技力と高い知能で周りの人間をコントロール出来る。さて、どうなるのか?」
    その興味が無ければ読まないが、
    法廷では双方とも、意外な展開も大波乱も起きない。真実は明るみに出ると思ったのに...

    少年自らが証言することになった時、やっとここで墓穴を掘るのかなと期待した。
    実際、この少年には他人の感情を押し測る能力に欠陥が(障害が)あるので残酷な事を平気で言ってしまったりもするのだ。
    読んでいても気分が悪くなる。

    なのに、無罪を勝ち取る少年。
    「疑わしきは罰せず」としてもだ。
    直後、少年はダニエルに真相を告げる。愕然とするダニエル。
    ウンザリした。
    「結局コレか⁉︎」と。
    暫く前に読み返してイヤな思いになった「真実の行方」と瓜二つである。
    どうせ後足が悪いなら、まだ「真実の行方」の方が作品としての出来が良い。あれは騙されるわと納得がいく。

    途中まで魅力を感じつつ読んでいただけに、失望感というより呆れた感が半端ない。
    作者はほんとうに「罪」について考えたのか。
    ダニエルの、少年の、
    実母や養母の、そう、誰にも「罪」はある。

    エキセントリックな少年の安易な法廷劇とラストで深い課題と魅力的な人物達が全部うやむやになってしまった。

    星⭐️一つでもいいところ、
    ミニーの為にもう一つ⭐️を。
    その罪のゆくえAmazon書評・レビュー:その罪のゆくえより
    4151812016
    No.1:
    (4pt)

    泣く母親

    母親は泣く。にもかかわらず人生において母親であることは十分に報われるものだ、というのが作者のスタンスだと思われる。

    セバスチャンは8歳の男児を殺害した容疑で被告となる。セバスチャンは11歳。頭の回転が速い無邪気な悪魔セバスチャンだが、本書の主人公は彼を担当する弁護士ダニエルだ。

    過去と現在のシーンが交互に行き来するものの、視点を混乱させるなど小説として手の込んだ仕掛けは何もなく、その意味ではくつろいで読み進めることができるだろう。

    ダニエルの「母」ミニーとのシーンは愛情あふれるものだが、一方でミニーに対する成人したダニエルの怒りが提示されるため、読者はそのギャップに気づき、不協和音の解決を求める自然な流れで作品に引き付けられるだろう。巧みな構成だと思う。

    イギリスの裁判の仕組みは日本と異なるらしい。
    イギリスでは10歳以上は成人と同じ刑事裁判を受けるという。
    また、ダニエルは弁護士として被告少年やその両親に会って話を聞いたりするが、法廷で弁論を行なうのは別の弁護士だ。
    有罪無罪は陪審員が決める。その陪審員を引き込むべく、被告側、検察側双方が弁論を闘わせるのだが、検察側も検察側の弁護士を立てて弁論を行なう。
    検事vs弁護士ではなく、法廷で弁論を行なう専門職としての法廷弁護士同士の闘いが展開される。

    映画では「潜水艦ものにハズレはない」そうだが、法廷ものの場合も結構それが言えて、とりわけ反対尋問をいかに切れ味鋭く見せるかが注目点。

    法廷を仕切る裁判長がまた印象的で、老獪なのか天然なのか判じかねる。承認の意を表わすときの、手をひらひらさせる仕種がツボだ。

    本書は作者の処女作とのことだが、「ダニエルの母」の対概念として登場する「セバスチャンの母」を主人公に据え、母親は報われると言えるのかを魅力的に描いた作品を期待したい。
    その罪のゆくえAmazon書評・レビュー:その罪のゆくえより
    4151812016



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