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死んだ人形たちの季節



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【この小説が収録されている参考書籍】
死んだ人形たちの季節 (集英社文庫)

死んだ人形たちの季節の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

バルセロナのニューヒーロー登場

スペインの新星トニ・ヒルのデビュー作。スペインで大ヒットになったというだけあって、非常に面白い警察小説である。
取調べ中の呪術師に激しい暴行を加えたことから強制的に長期休暇を取らされていた、アルゼンチン移民の警部エクトル・サルガドがようやく仕事に復帰しようとしたとき、呪術師が部屋に豚の頭と人血を残して失踪。関与を疑われたサルガドはこの事件捜査からは外され、新人女性刑事と組んで、19歳の少年の転落死の再調査を命じられる。「事故か自殺か、簡単に調査すればいい」という、どうでもいいような事案だったが、調べを進めるうちに数々の疑問が発生し、やがては社会の闇に隠されていたおぞましい真相に近づくことになる。
まず、謎解きミステリーとしての構成がしっかりしているので、最後の最後まで緊張感にあふれ、読後は十分なカタルシスが得られること間違いなし。さらに、キャラクター作りが巧みなため、主要な登場人物がみな生き生きとして魅力的で、自然な共感を呼びさまされる。また、ストーリーは過去と現在を行き来しながら展開されるのだが、非常に読みやすく、混乱することはない。
本作は「バルセロナ警察三部作」の第一作だということで、残りの二作品の登場が待ち遠しくなる、傑作エンターテイメントである。

iisan
927253Y1

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