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絡新婦の理



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絡新婦の理の評価: 8.00/10点 レビュー 4件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(7pt)

このシリーズは「本格」というより、もはや独自のこういうジャンルとして読むべき?

シリーズ第五弾。
最初に読んだのがノベルス版だったので読み終わった後に知ったのですが、前作の『鉄鼠の檻』よりさらにブ厚い、シリーズ最長作品とのこと。
(次作の『塗仏の宴』を二作セットで考えればそちらがさらに長いですが)
真相部分に二作目の『魍魎の匣』に関する内容が含まれているため、ネタバレとまではいかないですが、先にそちらを読むべきでしょう。

前作の『鉄鼠の檻』の舞台が山寺という男の世界を描いていたのの対となっているのかはわかりませんが、今回の舞台はミッション系の女学園や代々女系の一族の屋敷といった華のある舞台です。しかし綺麗な華には棘が……というのもお約束です。

相変わらずこのシリーズはキャラクターが抜群に魅力的です。
今作のメインゲストキャラは女性中心ですが、いずれも「強い」女たちで、対する男性ゲストキャラは全体的に矮小な印象で押されぎみです。
しかし、そんな強い女たちに対しても、レギュラーキャラの京極堂、榎木津、木場はやはり別格の存在感ですね。(この三人は各々別ベクトルで無敵感があります)
特に自分は榎木津が大好きです。もう1000ページぐらい彼がひたすら暴れるだけの話でもいいと思うぐらい。
木場は前作までは正直粗暴すぎる印象であまり好きではなかったんですが、今作で好感度が上がりました。まさに作中で三女の葵が当初は木場の粗野な態度に眉をひそめたけれど、ただ男というだけで威張りたがるような連中とは違う、彼の公平で気取らない態度を見直したのに近い感想です。(まさに正しい意味で「男らしい」んですね木場は)

今作は、ジェンダー論的なテーマとキリスト教関連の薀蓄が特徴ですが、個人的には「男性の女性らしさに憧れる気持ちと、それを否定される苦悩」に触れていた部分が印象的でした。結局人間誰しも男性的な部分と女性的な部分があるわけで、女性を蔑視、軽視することは生物学上の女性だけではなく、男性の中の女性性も否定される問題であるのではないかと考えさせられました。(「女々しい」という言葉は女性を蔑視する言葉であると同時に、実際には男性を攻撃するために使われる言葉だな、などともふと思いました)

ミステリ部分に関しては、真犯人をロジックで導くのは不可能に近いですし、犯行方法も現実的とは思えずあまり評価できないのですが、そもそも前作を読み終えた時点でも感じていたことですが、このシリーズは所謂「本格」の括りで考えて読むものではないというのを改めて思いました。(三作目の『狂骨の夢』あたりは紛れもなく本格だと思いますが)
この世界観やキャラクター、溢れる薀蓄会話などを楽しむ、もはや独立した「こういうジャンル」なのがこの『百鬼夜行シリーズ』ですね。

余談ですがこの作品をモチーフにした『桜花の理』という曲を『陰陽座』という和風へヴィメタルバンドが発表しており、楽曲のレベルも高く、この作品を知っている人ならニヤリと出来る歌詞なので興味がある方は聞いてみてください。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:
(7pt)

何が女の味方で何が女の敵なのか

里村が引く手数多の看護婦に病院の掃除なんかやらせたら辞められてしまう、みたいなことを言っている場面に違和感。昭和20年代は戦中急ごしらえの看護婦をたくさん養成したせいで看護婦が余っている時代でははなかったか?

▼以下、ネタバレ感想

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ヘッポコ屋敷嬢
XG82ACXM
No.1:
(8pt)

絡新婦の理の感想

シリーズ第5弾にしてもっとも分厚い京極小説。冒頭の桜のシーンは映画、アニメ化したら美しいと思います。もちろん、推理小説としての質もシリーズ1、2を争う出来!

ジャム
RXFFIEA1

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