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届け物はまだ手の中に



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【この小説が収録されている参考書籍】
届け物はまだ手の中に
届け物はまだ手の中に (光文社文庫)

届け物はまだ手の中にの評価: 7.00/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

届け物はまだ手の中にの感想

恩師を殺害された公務員がその復讐を終えた後、親友の豪邸に、殺害犯の生首を届け物としてアポなしで訪れるのですが、豪邸の中で「何か」が起こっているためか、肝心の家主になかなか会えない。それを、殺人犯が探偵となり、主の妹、妻、秘書を相手に推理していくという物語です。
「碓井由佳シリーズ」が大好きな私。
この作品も同系統で、この作者さんの描く、こういった閉鎖空間の中での心理戦、駆け引き合戦は本当に面白いですね。
殺人犯がいけしゃあしゃあと探偵役を演じる作品は何作か読んだ事がありますが、この作品の場合、全く別の事件を全く別の場所で推理するという。
この舞台設定がまず異質っていうかすぐれものな気がします。
この作品の場合、探偵役の公務員は、碓井由佳のような圧倒的な存在感がない、「弱い」かなぁ、と読中感じていたのですが、物語の幕引きを見ると、展開を支配していたのは女性陣だったんだなと。
この作者さんは、女性に対して何か苦い思い出をお持ちなのだろうか。

1つ難点を上げるとしたら、表紙のデザインで、屋敷内で何が起こっているか予想できてしまった事でしょうか。

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

届け物はまだ手の中にの感想

好きな作家です。ですからポイントは若干高めです。相手との心理的な駆け引き。こういった描写はこの作家の得意とするところなんでしよう。友人宅で丁度子供の誕生パーティを始めようとしていた中に主人公が着いたところから始まります。彼は殺人を犯しました。手土産はカバンの中にあります。ここから相手との心理戦が始まります。つまり、友人は急な仕事のため書斎にこもってしまった。友人の妻と友人の妹、そして社長でもある友人についている秘書。この三人と何気ない世間話から誕生パーティの仲間入りをしていると、彼の不在がだんだんと気になりだします。何故顔を出さないのか。主人公にも事情があります。手土産は時間に対して融通が利きません。日を改めて訪問する訳にはいかないのです。何気ない会話からフト不審を覚えます。彼は意図を隠して様子を探り出す事にします。彼、石持浅海はこういった描写が秀逸でページを捲る手が止まりません。考えすぎだろう、何故そう思う、と読んでいても事態は彼の云う方に流れていきます。面白いです。駆け引きと心理戦。こういった地味な内容でも充分読むものを惹き付けて離しません。本当の最後のサプライズには賛否両論でしょうが私は気にしません。だって面白かったのですから。「探偵スルース」と云う映画がありました。あの映画はたった二人しか登場しません。全篇二人の心理戦を描いたものですが、この本も似たような感じでとても楽しく読み終えました。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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