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届け物はまだ手の中に
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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恩師を殺害された公務員がその復讐を終えた後、親友の豪邸に、殺害犯の生首を届け物としてアポなしで訪れるのですが、豪邸の中で「何か」が起こっているためか、肝心の家主になかなか会えない。それを、殺人犯が探偵となり、主の妹、妻、秘書を相手に推理していくという物語です。 | ||||
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好きな作家です。ですからポイントは若干高めです。相手との心理的な駆け引き。こういった描写はこの作家の得意とするところなんでしよう。友人宅で丁度子供の誕生パーティを始めようとしていた中に主人公が着いたところから始まります。彼は殺人を犯しました。手土産はカバンの中にあります。ここから相手との心理戦が始まります。つまり、友人は急な仕事のため書斎にこもってしまった。友人の妻と友人の妹、そして社長でもある友人についている秘書。この三人と何気ない世間話から誕生パーティの仲間入りをしていると、彼の不在がだんだんと気になりだします。何故顔を出さないのか。主人公にも事情があります。手土産は時間に対して融通が利きません。日を改めて訪問する訳にはいかないのです。何気ない会話からフト不審を覚えます。彼は意図を隠して様子を探り出す事にします。彼、石持浅海はこういった描写が秀逸でページを捲る手が止まりません。考えすぎだろう、何故そう思う、と読んでいても事態は彼の云う方に流れていきます。面白いです。駆け引きと心理戦。こういった地味な内容でも充分読むものを惹き付けて離しません。本当の最後のサプライズには賛否両論でしょうが私は気にしません。だって面白かったのですから。「探偵スルース」と云う映画がありました。あの映画はたった二人しか登場しません。全篇二人の心理戦を描いたものですが、この本も似たような感じでとても楽しく読み終えました。 | ||||
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