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狂う(彼女はもういない)



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【この小説が収録されている参考書籍】
彼女はもういない
狂う (幻冬舎文庫)

狂う(彼女はもういない)の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

狂う(彼女はもういない)の感想

何故、改題したのでしょう。読後に「彼女はもういない」の方が意味深くてしっくりすると感じました。
西澤保彦氏の重層的な心理描写に脱帽です。気づく気づかないに関わらず、人は心中に自らも認めたくないような邪悪なる目的が生じると、それを都合の良い目的とすり替えてしまい、他人のみならず自分自身すら騙そうとするのですね。深層に潜む真の目的を探りだし白日のもとに曝して実現化する…「狂」への誘いです。
この「狂う」別な意味もあるかもしれません。いつのまにか目的が狂ってしまうという。
特に女性読者には受け入れがたい描写がありますが、その不快感を差し引いても、読んでいただたきたい作品かと思います。

はつえ
L7BVQMDY
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

彼女はもういないの感想

彼は、計画したすべてを遺漏なく完璧に仕上げた。
何の物証もない。だから城田理会警視は見抜いた真相を彼に話すときに一個人の立場で会った。
彼を名指して犯人とする推理は完璧で、西澤保彦はその過程を遺漏なく読者にも示して、間違っても読者から不満の声が上がらないように二重に傍証の補強に努めている。犯行に至る動機も、その経緯も彼の姉と云う存在を示し、姉弟ならば似通った性質でもあり、そう違和感もなく納得させられる様に計算されている。不可思議な犯行の意味も最後の城田警視の指摘で納得がいくが、さらに彼の思いもしなかった結果を警視に知らされる。それが「彼女はもういない」と云うこと。タイトルの意味はそこにあった。これは西澤保彦らしいすべてが計算された話で、とても巧妙なストーリーでありミステリーとしてのエンターティメントを追及した作品である。もっと多くの人に読まれるべき作品であると思う。西澤保彦のファン以外の人にも是非読んでみて欲しい。ただ、映画で云えばR-15の内容なので若い人や女性の方には注意していただきたい。彼の云う謎と論理のエンターティメントを味わって下さい。
ゴメン、ちょこっとネタばらし。木を隠すなら森の中だねワトソン君。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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