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喪失



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【この小説が収録されている参考書籍】
喪失 (小学館文庫)

喪失の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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No.1:
(8pt)

喪失の感想

裕福な家の一人娘が家や両親を捨てホームレスとなって他人と係わらずに一人で生きていく道を選ぶ。そこまでの過程は途中のモノローグや回想で読者に示されていて、多分に読者の共感を得られるように工夫して書かれている。
これまで社会とは無縁で生きてきたのに、その社会から追いつめられた彼女はやがて社会と戦うことを決めるのだが、その気持ちの変化に無理のない設定で一人の協力者が現れるところは中々上手い。
殺人者の追跡を開始するくだりもシビラの心情をしっかりと描きながら行動させているので、調べを進める過程が自然になり動き出す事態も必然のように移る。しつけとか教育という言葉に置き換えて子供をコントロールしたり
管理して思うように育てようとする母親や父親のあり方と、残虐な猟奇殺人者の追跡というシビラの切羽詰まった生き方がしっかりと分かりやすい言葉で書かれていて楽しめる。
こういう少女もいるだろうと思うのは著者の作った世界の上手さであり、それとは別に容疑者となった事件の犯人捜しの様子がシビラの心情と交差して進むところが読ませる部分で、トータルで見れば始まりから最後までシビラの
人生というか運命がこの物語そのものである。ラストも彼女に相応しい終わり方と云えるだろう。

ニコラス刑事
25MT9OHA

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