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博士の愛した数式



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【この小説が収録されている参考書籍】
博士の愛した数式
博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式の評価: 7.50/10点 レビュー 6件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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(10pt)

博士の愛した数式の感想

静かで優しい時間が流れている作品です。

博士と家政婦と家政婦の息子の物語です。
息子は、博士から「ルート」というあだ名を授かっています。
「どんな数字にも身分を与えることができる」という数学記号のルートです。
まぁ元々阪神ファンに悪人はいないんだけどね。

「泣いた」というレビューをよく見かけます。
ページ数も多くなく数時間で読めてしまう作品で、お涙頂戴的なわざとらしい描写もありません。
寧ろ作者は意識的にそういう描写を省いているようにも思えます。
あっと驚くようなイベントが起こるわけでもありませんし、ましてや奇跡が起こるわけでもありません。
全編通して淡々としています。
ただ、その分、登場人物たちの何てことのない言葉、行為に、読み手が、文字として描かれていない何かを考えたり想像したりする余裕があるのでしょうね。
レビュアーの多くがどこで何を感じて泣けたのかは分かりません。恐らく感じ方は人それぞれでしょう。
でも泣かせどころは満載な気がします。
上っ面だけ読む人は恐らく泣けない。でもそうじゃない人は色んなところでいっぱい泣ける。そんな作品だと思いました。

ただ私を含め多くのレビュアーの方々が「ここは泣けたはず」なのがやはりラストでしょう。
そのシーンには衰弱していく博士の姿など作者は一切描いていない。
しかし読み手は必ず脚色して読んでいるはず。(でしょ?)
そこに
「ルートが数学の先生になるんです」
実際これだけで十分過ぎるほど十分。
悲しみとか喜びとか安堵とか・・・そんな様々な感情が上手く均衡を保った状態で終わった、そんなきれいな終わり方だった。

梁山泊
MTNH2G0O

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