鏤骨の文体、トリッキイな構成、縦横の想像力によって奏でられてきた中井ワールドは、作家の実人生と引き換えに豊饒な収穫の時期を迎えることになる。

「不一致。再生を中断せよ。

もと新聞記者クィラランのいま一番の関心は、昨年爆破され、ようやく新装オープンしたホテルと、そのスイートルームに宿泊する謎の宝石商のこと。

真冬の八甲田山で4人パーティが吹雪にまかれ、3人が疲労凍死した。

法医学の学会に出席するためラスベガスにやってきたジェシカ・コランは、ホテルの部屋で一本の電話を受ける。

「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。

ドイツ生まれで日本育ちのメフィスト翔は、「密室の神様」を名乗る老人によって「秘密室」に囚われてしまう。

印南野市で発生した連続女性殺人事件。遺体の口には必ずある紙片が、現場には犯人の指紋がべったりと遺される。

愛のサイト。

愛のサイト。

十津川警部の部下・西本が宮崎でお見合をした翌日、桜島行フェリー内で殺人事件が発生。

東京で二カ月に満たない間に、四件の連続殺人が起きた。

人は誰しもその心に闇を住まわせる。そしてまた一人、暗い闇を育てる者が―。

資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、血で濁った浴槽に横たわって死んでいた。

十一歳の少年マークは、自殺寸前の弁護士から、有名な上院議員の死体の隠し場所を聞かされる。

幕末から明治の初めにかけて一世を風靡した歌舞伎役者がいた。三代目・沢村田之助。

父の死の直後、弱小やくざ目高組組長になった泉。17歳の女子高生親分の誕生とともに、事務所には機関銃が撃ちこまれる。

事故死した夫のポケベルに、メッセージを送り続ける妻。何のために?誰のために…。

突如として行方をくらました往年のスター歌手・橘加奈子。

あの夏、あの川のほとりで少女たちになにが起きたのか…待望の書き下ろし三部作第一弾。

「死体を見つけちゃったんだ!」―それは、お正月気分もまだ冷めやらぬ仕事始め。

ヒトラーなぞ糞くらえ!1936年、ナチス賛美のベルリン・オリンピックに対抗し、水面下で進められていたバルセロナの人民オリンピック。

東京駅を発ち、三浦半島の久里浜へ向かう横須賀線が大船に停車したとき、乗客の中から悲鳴があがった。

最初は目の錯覚だと思った。だが、“あれ”は二度、三度と現れた。

男は、真の闇で満たされた部屋の中、体を縛られ身動きひとつできずにいた。男を尋問するのは、これまで蔑み続けてきた友の声。

作家の高橋哲哉とその妻・佐知子は友人が所有していた屋敷を借りて住み始める。

十四歳の少年は、なぜ事件に巻き込まれたのか。活気と希望に満ちるはずの少年時代に、しのびよる『死』の影。

地球温暖化がもたらす最も深刻な問題は、感染症の多発である―地球上から撲滅されたはずの天然痘が青森に、空気感染する超エイズが隠岐諸島に、ペストが熊本に発生した。

著名なコラムニストのネルは、両親が事故で亡くなった時、両親がそばに立つのを感じた。

35歳になった男は義理の妹の媚態が頭から離れない。

大介だけが出入りを許されていた女性専用のバーに「人工的な」ほど整った顔立ちの青年・千秋が立ち寄ったことから、猟奇的な事件が発生。

徳川幕府の最新鋭にして最強の軍艦=開陽丸。艦長の沢太郎左衛門は、嵐を突いて北へ向かった。

お家転覆の証拠書類を握って恐るべき剣鬼が国許から姿を消した。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。

現代史への清冽なる挿話―実感溢れる証言の書。

爆弾は冗談事ではない。だが、余りにも信じられない出来事である。

加賀温泉郷のホテルで、男が心臓マヒで死んだ。三カ月後、同じホテルで、また男が心臓マヒで死んだ。

浜名湖東岸の温泉街で、土産物屋のおかみ・いくが首つり死体で発見された。

全ての世代に読んでほしい、感動の超大作　あるべき姿に日本を導くため、密かに進められた恐るべき終戦工作。

「あなたが、私の夫になる人です」警視庁の片山刑事は、駆け寄ってきた女子高生の言葉に絶句した。

１９４５年夏。敗け方を知らなかった日本。

深夜、コンビニを襲った二人組の強盗にアルバイト店員が殺された。被害者の恋人は独自に犯人を追う。

キングズマーカムの町中で二人の少女が相次いで誘拐される。

初秋の西穂高のキャンプ場で日系ブラジル人が刺殺された。

23人の名手が醸した銘酒・綺酒・魔酒!全編新作書下ろし。

1947(昭和22)年、推理雑誌「X」は最初「Gメン」という誌名で創刊された。

野村映子の夫・昭夫は、車もろとも宇治川に突っ込み、謎の転落死を遂げた。

木剣で叩き割られた頭蓋。だが、そこに鋭利な刃物でスパッと斬られたような痕があった。

海賊。―それは常に奪う側に立ち、奪われる側には決して立たぬ者。

迷い込んだ村は戦争中。

六月。

クリスマス・イヴの夜、推理作家・桜川ひとみはリビングで膝の上の猫・正太郎に語りかける。イヴの失恋の思い出。

修学旅行で日光へ行った拓哉・亮平・香里の3人は、ひょんなことから江戸時代にタイムスリップ。

オーストラリアの日本語学校の仲間15名が夏休みを利用して、日本のスキーのメッカ・千年岳にやってきた。

藤沢文学を代表する超人気シリーズ! 江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。

心優しき青年医師の痛快捕物帳! 登の柔術仲間、新谷弥助が姿を消した。

娘の病を治したお礼にと、登に未解決事件の情報を教えてくれた男が牢の中で殺された。

子供をさらって手にかける老人の秘密。裁きを終えた事件の裏に匂い立つ女の性。

盲目の武士をやさしくいたわる托鉢僧――旅の途中で出会った、年老いた二人連れが何故か秋山大治郎の心に残った。

足軽という身分に比して強すぎる腕前を持ったがために、うとまれ、踏みにじられ、孤独においこまれた男。

その美貌とは裏腹に、引退した老判事の執事兼ボディガードとして仕事に身を捧ぐセーラ。

パパは手配中の逃亡犯、ママは恋人と駆け落ち。

慶長十九年。この年、七十三歳の家康は悩んでいた。