ヘルズ・キッチン



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初公開日(参考)2002年11月
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長編小説

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ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2002年11月30日 ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

地下室から噴き出した火は、あっという間にペラムを取り巻いた。猛火に包まれた階上からはエッタの悲鳴が…マンハッタンでドキュメンタリー映画を製作中のペラムだが、主役の老婦人エッタのアパートが放火で全焼する。エッタはなんとか一命をとりとめたが、放火の容疑は彼女自身にかけられた。無実を信じるペラムは調査を始めるが、事件の裏には陰謀が!映画ロケーション・スカウト、ジョン・ペラムが大都会を疾駆する。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

ヘルズ・キッチンの総合評価:6.20/10点レビュー 5件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

過去のシリーズへの訣別か?

ジョン・ペラムシリーズ3作目。なんと前作『ブラッディ・リバー・ブルース』から9年ぶりの刊行だ。
これほどブランクが空いたのはやはりリンカーン・ライムシリーズが受けたため、そちらにかかりっきりになっていたからだろう。

今回の事件は放火。放火事件では日本と違い、警察だけでなく、それを専門にした火災調査官という職業の人間が現地調査に当たる。
ドン・ウィンズロウの『カリフォルニアの炎』でも詳細に語られていたが、アメリカの火災を装った保険金詐欺の現状はかなり深刻で、調査官はまず起きた火災が所有者の仕業ではないかを疑うらしい。したがってそれを裏付ける証拠や状況が見られるものならば、即座にその前提で調査を進めるのだ。

ペラムが撮っているヘルズ・キッチンのドキュメント映画のメイン・キャストになる女性エティ・ワシントンが自分のアパートを保険金詐欺を図ろうと放火した容疑で逮捕される。彼女の無実を証明するため、ペラムはヘルズ・キッチンを駆け巡る、というのが物語の骨子。

ジョン・ペラムはディーヴァーの他の作品のキャラと違い、女性関係が奔放である。映画産業に関わる人間ということで彼に接近する女性も多いのは確かだが、事件のたびに登場人物の1人と寝る。実にアメリカ的エンタテインメント作品の典型的な主人公だと云えよう。

ディーヴァー初期のシリーズであるこの作品が今や彼の看板作品となったリンカーン・ライムシリーズを経て、どのように生まれかわったのかが興味を惹くところだったが、意外にもディーヴァーはライムシリーズやその他のノンシリーズで売り物にしている息を吐かせぬ危機また危機の連続やタイムリミットサスペンスといったような展開を取らず、このシリーズの前2作同様に主人公のジョン・ペラムがじっくりと訪れた町を彷徨し、町に隠された貌を知っていく作りになっている。
登場人物一覧表に記載されてない人物のなんと多いことか。ディーヴァーはそれまでに培った上記の手法を敢えて取らずにシリーズ全体のバランスを優先したようだ。
しかしこれはディーヴァー作品を読んできた者にすれば、逆行した形になって不満が残るかもしれない。

でも長らく中断していたこのシリーズが、ライムが異郷の地で捜査をした『エンプティー・チェア』の後にこの作品が書かれたことは興味深い。もしかしたら『エンプティー・チェア』を書いている最中にペラムシリーズとの類似性に気付いたのかもしれない。

また真相もどんでん返しというよりも通常のミステリが放つサプライズといった感じだ。

ヘルズ・キッチン―なお現在は正式にはクリントンという名前らしい。これはやはりあの大統領に由来するのだろうか―は裏切りの町。誰もが自分を少しでも幸せにするため、出し抜こうとする。そんな町でまたもやペラムは裏切られる。

今回ペラムがどうして赤の他人の人間のために命を奪われそうになるまで捜査をするのか、その理由が判らなかったが、最後の最後で判明する。

これで恐らくこのシリーズは終わりだろう。彼の売れない作家時代を支えたこのシリーズの終焉を素直に祝福しよう。


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No.4:
(4pt)

これで完結?は惜しいかも

ジョー・ペラム シリーズ第三弾。連続放火の主犯として逮捕された老女を救うため奮闘する元ロケーション・スカウトの姿が描かれる。

本作のペラムは、ヘルズ・キッチンを舞台としドキュメンタリー映画を制作中だ。インタビューの中心の老女が、自身の住うアパートを放火した容疑で逮捕されたことから、彼女の無実の罪を晴らさんと、ヘルズ・キッチンの深部に突き進んでいく。

キューバ系ギャングとアイルランド系ギャングの抗争に巻き込まれたり、連続放火犯につけ狙われたりと本作のペラムは三作品の中では一番ハード(そんな中でもラブアフェアきっちりと入れている)。

老女を含めて腹にいちもつありの面々が、もつれ合って、誰か味方か敵か、判然としないスリルがある。火災調査官のプレッシャーを受けながら、ヘルズ・キッチンの現実を知ることになるペラム。満身創痍になりながら、果たして真実に辿りつくことができるのか。

前ニ作はディーヴァのマニア向けであったが、本作はどんでん返しが三つほどあり、ラストまで気を緩めることができない。これで完結?はちょっと惜しいかも。
ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795584
No.3:
(3pt)

大都会の裏側に生きる人々の哀歓をうたった3部作の完結編

本書は、ジェフリー・ディーヴァーの<ジョン・ぺラム>シリーズ3部作の第3作にしてシリーズ完結編である。長い間お蔵入りになっていたが、’01年に完成・発表された。

今回の舞台はニューヨーク、マンハッタンのヘルズ・キッチン。本書は全編にわたってヘルズ・キッチンという土地(地域)とそこに住む人々をフォーカスした物語になっている。

「ヘルズ・キッチン」とは、もともとイーストサイドにあった酒場の名前だったらしいが、南北戦争の後、八番街の西側に面した広い地域の呼び名になったという。20世紀になってからも、長らくギャングの巣窟のように言われ、貧困層の暮らす一画だった。近年、再開発が進んでいる。

ペラムは3ヶ月前に映画のロケーション・スカウトという放浪生活を中断して、≪八番街の西―ヘルズ・キッチンの口述歴史≫というドキュメンタリーを撮るために、マンハッタンに腰を落ち着けた。また、彼にはある個人的な目的(物語の中盤にヒントが提示され、ラストでその秘密が明かされる。)もあった。

物語は、ペラムの撮影現場であるアパートの放火による火災から幕を開ける。逮捕された老婦人の無実を信じるペラムは真犯人の放火魔を捜し始める。やがて彼の前に現れるのは親のいない少年、アイルランド系やキューバ系のギャングたち、地域再開発のためのタワービルを建築中の不動産王など、ヘルズ・キッチンに関わる者たちだった。

3部作で一番新しい作品だけあって、全体的におとなしめながらも、二転三転するストーリー展開、意外な真相、いったんは解決したかに見えた事件の最後のツイストといった、近年のディーヴァーらしさは前2作以上である。

しかし本書の読みどころは、波瀾万丈のサスペンスとかペラムと放火魔との対決というよりは、物語の根底に流れるヘルズ・キッチンという大都会の裏側の感傷とか、そこに生きる人々の哀歓ではないだろうかと思う。
ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795584
No.2:
(3pt)

カミソリの切れはないけれど…

ジェフリー・ディーヴァーの新作!ともなれば、カバーはタイトルより作家名のほうが大きい。それはそれでいいんだけど、本作はディーヴァーがウィリアム・ジェフリーズと名乗り、ペイパー・バック向けに書いたものだーと解説されている。それもそれでいいんだけどーやっぱり「そういう感じ」は否めない。「手を抜いている」とは言いたくない。読者を飽きさせないーという観点で言えば、ハード・カヴァー向けの作品よりキャッチーで、魅力がある。それぞれの章に山場があり、ドンデン返しもしっかりと用意されている。物語は、ヘルズ・キッチンを取材するドキュメンタリー映画の監督が、放火事件に巻き込まれるーというモノだ。犯行を重ねる放火犯やギャングたちに立ち向かう主人公ー何故彼がこんなにタフなんだろう?とか(元・スタントマン)何故ヘルズ・キッチンにそんなに執着する?(これはネタバレなので…)という疑問にも、きちんと答えるだけのモノは持ってはいる。でも山場をつなぐエピソードには無理が感じられ、必然性が感じられない。ほんの少しだけれど。
リンカーン・ライムものの切れ味を期待すると裏切られるけど「正しい」エンタテイメントを求めるなら、良いチョイスだと思いますよ。誰しも納得する、良く切れる万能包丁ーってところでしょう。
ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795584
No.1:
(2pt)

何かが違う!

作家に期待すると、どうしても出版されるごとに面白くなっていくのが当たり前、と思いたいのです。・・ふう・・いつ面白くなるのだろうと思って読みましたが、今ひとつでした。主人公の立場よりも、別の登場人物の火災調査官を主人公にして、全く別の話を作って欲しいです。その方が面白そうだぞ。筆跡鑑定人の活躍する「悪魔の涙」みたいに・・。まだ次回に期待してます。
ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795584



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