シャロウ・グレイブズ



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初公開日(参考)2003年01月
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長編小説

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シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2003年01月31日 シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

音もなく飛来したライフルの弾丸はガソリンタンクに命中、車は爆発炎上し、火の玉に包まれた。マーティもその炎の中に…のどかな田舎町へ、相棒のマーティとロケハンに来たペラム。だが何者かが執拗に作業を妨害し、ついにはマーティが命を落とした。保安官は、単純な事故だと片づけようとするが、復讐に燃えるペラムは単身、町に潜む巨大な悪に挑む!映画ロケーション・スカウト、ジョン・ペラム怒りの闘いが始まる。 (「BOOK」データベースより)




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シャロウ・グレイブズの総合評価:6.60/10点レビュー 5件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)
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映画産業大国アメリカならではの作品

映画の舞台となる町を探す、いわゆるロケハンを生業にしているロケーションスカウトのジョン・ペラムシリーズ第一弾が本書。
解説によれば本書は1995年に『死を誘うロケ地』で訳出されていた旧版をディーヴァーが新たに手を加え改稿した作品らしい。ちなみに旧版は本国アメリカはもとより日本でも全く話題にならなかった。

その前のもう一つのシリーズキャラクター、ルーンもまた映画業界を扱った作品だった。初期のディーヴァーはなぜか映画に纏わる話が多いが、それは自身の作品をいつかハリウッド映画に、といった願望から生じていたのだろうか。

しかしどこか流れ者気質のルーンとは違い、ジョン・ペラムは過去に新進気鋭の映画監督として名を馳せた過去、そして冒頭に会話で語られているだけで真偽は判らないが、スタントマンもこなしていたロケーションスカウトと、映画産業に若くから関ってきた生粋の映画人である。そのためルーンシリーズよりも物語に映画産業の色合いが濃く表れている。そしてこの設定が物語を動かすのに実に有効に働いているのがディーヴァーの上手いところだ。

ジョン・ペラムが新作映画のために撮影にあったロケーションを探しにニューヨークの田舎町を訪れる。刺激のない町に住む人たちは華やかな映画産業から関係者が来たことを噂で知り、ある者はペラムに取り入ってどうにか銀幕デビューを果たそうとし、またある者は彼と関ってこの田舎町を出るきっかけを摑もうとする。そして中には彼の来訪を面白く思わない輩もいる。
恐らく田舎町が映画の舞台となるとはこんな騒動が起きるのだろう。そしてそれが一見平穏に見えた町の暗部を表出させることになる。

ペラムを招かねざる客として、町ぐるみで彼を排除しようとする。町長はじめ保安官や有力者が彼に対して慇懃ながらも明らかに歓迎していない態度を示し、何かを隠している節を見せる。この四面楚歌の中、ペラムは相棒を殺され、麻薬所持の疑いをかけられ、また暴力で迫害を受け、あらぬ罪まで着せられそうになる。
セオリーに則った物語展開だが、実にそつがない。

そしてディーヴァーといえばどんでん返しが代名詞だが、本書でも最後の最後で思いもよらぬ真相が待ち構えている。確かに布石はあるものの唐突すぎ、またパンチも弱く、どんでん返しというほどの驚きはなかった。
もっとなるほど!と手を打つような内容であれば点数はもっとよかっただろう。読者を最後まで飽きさせないサービス精神は窺えるが、巷間の口に上るほどの印象もないといった感じだ。

というわけで作品の出来は佳作というのが妥当だろう。
ペラムの造形は普通の人よりも経験が豊富で危機を察知し、臨機応変に対処するが、いわゆる万能なタフガイではなく、格闘すれば負けることもあるという、昨今の現実味ある主人公である。ただ彼には映画産業界に従事しているという特徴があり、またそれがこのシリーズの強みだろう。
残る2作でいかに有効に活用して物語に溶け込ませているか、見ていこう。


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Tetchy
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No.4:
(3pt)

ディーヴァーマニア向け

ディーヴァーの初期のシリーズ第一弾。

映画のロケーション・スカウト ジョン・ペラムを主役に据えたミステリ作品である。ペラムは、友人の俳優の死に間接的に関わったことから、脚本家として名声が地に落ちてしまったという過去を持つ。再起を望みながら、ロケハンのため各地を転々とする日々…という設定だ。

とある田舎町に到着した、ペラムと相棒マーティ。何故か執拗な嫌がらせを受け、ついにマーティは酷い死を遂げてしまう。殺人を主張するペラムを取り合わない保安官。ペラムは単独、事件の謎を解くべく、孤立無援の捜査を始める…という展開。

映画製作の舞台裏をチラリと垣間見せるだけで、至ってフツーの謎解きである。意外な真犯人だが、誰であってもおかしくはないというディーヴァーにしては脱力してしまう結末。

『死を誘うロケ地』の改訂版で、マニア向けなんだろうな…。
シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795606
No.3:
(3pt)

暇つぶしの一冊

かなり読みやすい。濁流のない小川が、さらさらと流れるような感覚だ。あまりに読みやすいので、不動産ブローカーの女性との交流もさほど不自然に感じられない。その女性の不倫にしても、不倫相手が相手だけなのだが、そんなもんかな──と、どこか首肯しがたいながらも、ま、いいかとなる。主人公の命が脅かされた理由も結局、複数あったわけだが、まったくどろどろ感がない。軽妙ではあるが、深みなし、あとになんにも残らない。
シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795606
No.2:
(4pt)

初期の佳作

ライムシリーズ好きな方にもおすすめします。
シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シャロウ・グレイブズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150795606
No.1:
(3pt)

ケレンのない“普通の”ディーヴァーも、“安心して”読めて、悪くない

ジェフリー・ディーヴァーの<ジョン・ぺラム>シリーズ3部作の第1作。

このシリーズは、もともと’92年からディーヴァーがウィリアム・ジェフリーズ名義で発表したペイパー・バック・ノベルである。それだけに、<リンカーン・ライム>シリーズをはじめとするディーヴァーの他の作品群とは微妙に雰囲気が異なる。

主人公のジョン・ぺラムは、元スタントマンにして元インディペンデント系映画監督で、今は映画のロケーション・スカウト、つまり映画撮影のロケ地探しを職業としている。北米大陸を叉に掛けるカウボーイのような流れ者のぺラムが、旅先で事件に“巻き込まれ”、やむにやまれず敵に立ち向かうというストーリー展開である。

本書の舞台はニューヨーク州北部の田舎町、クリアリー。ぺラムの相棒マーティの乗った車がライフルの弾丸によって爆発炎上し、彼が命を落とす場面からストーリーは始まる。ところが、十分な捜査をすることなく、単純な事故として片付けられてしまう。何者かが人を殺してまで、この町での映画撮影を阻止しようとしているのだ。怒りに燃えるペラムは、真相を究明するべく、町に潜む巨大な悪に挑む。やがてペラムは絶体絶命の窮地へと追い込まれてゆく。

近年のディーヴァー作品のような、“ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”でもなければ、あざといまでの“どんでん返し”は見られない。むしろ、主人公であるジョン・ペラムを軸にしたハードボイルドなヒーロー小説の趣がある。しかし、ミステリーとしてのひねりや意外性が盛り込まれているのはもちろんのこと、事件を通じて主人公の成長が描かれるなど、じっくり読ませるオーソドックスなサスペンスに仕上がっている。

私は、『ボーン・コレクター』でブレイクする以前の“普通の”ディーヴァーを垣間見た気がした。こういう小説も、何となく“安心して”読めて良かった。ケレンのないディーヴァーも、悪くないではないか。
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4150795606



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