20台のモトクロッサーが一斉にコースへ跳び出した。こいつは鉄の暴れ馬に跨がるロデオだ。

三井三池の騒然たる大争議のさなかに、突如炭住地区をおそったポリオの流行、そして従兄の死……細菌をばらまく黒い手の正体を追う男に謀略機関の影がまつわる

十代将軍・徳川家治の治世、八嶽党と名乗る謎の徒党をめぐる凄絶な暗闘。本格時代小説の復権を求め久々の登場。

「赤の監視」「紺の反逆」「緑の幻想」「青の断章」「黄の誘惑」「紫の情熱」「白の苦悩」……色の数だけ、トリックがある。

「赤の監視」「紺の反逆」「緑の幻想」「青の断章」「黄の誘惑」「紫の情熱」「白の苦悩」……色の数だけ、トリックがある。

男がいて女がいて惚れてハレて一緒になる……のならおしあわせ。ところが世の中ままならない。

「月曜の朝」は「最低の気分」の同義語。

出張先で知りあった能面のように冷たい美貌の人妻。

高級コールガールとして政府高官の謎の死と関わりを持った女が、変死体となって発見された。

水尾市の市会議員である鐘崎義介は酒造会社と市政に批判的な新聞社を経営するやり手。

八尋由花は、恵まれた境遇にありながら、育児疲れとストレスが嵩じ、わが子を窒息死させてしまう。

ホームズはだしの女子大生と警視庁捜査一課のオニ警部。お馴染みの名コンビがいどむ五つの事件。

女武芸者の佐々木留伊が、夜の町に出没して＜辻投げ＞をおこなうのも、つまるところは、男を漁り男を得、子を生み妻となり母となりたいがためのことなのである──という書き出しで始まる「妙音記」は、美しく強い女の人生の転機をユーモラスに描いている。

夫の仇討ちに執念を燃やす若妻の激しくも妖しい"女のさが"。その夜、その時刻、三千代は蚊帳を吊っていた。

ホステスが扼殺された。彼女は常連客の誰かを強請っていたらしい。

都内のデパートから文具メーカーに振り込まれるはずだった売掛金が銀行オンラインを駆使した巧妙な詐欺によって奪取された。

はなやかに日本を飛び立った女性観光団は、アンカレジ、コペンハーゲン、ロンドンと不気味な旅のはてに、謎の連続殺人。

「どうぞ、お上りあそばして」と若い未亡人は客を迎えた。

土地成金、政治ゴロ、総会屋などの醜き集団に鋭いメスを入れつつその裏で翻弄される女の悲しい性を描く。

「あ、あなたは…」千秋は凍りついた。本州の最北、青森で新婚生活に浸る千秋を訪れた男は、秘した彼女の過去から来た。

飛鳥路に古代人の残した謎の石をたずね、イランの砂漠に立つ沈黙の塔に日本の古代を思う。

山間の温泉町へ向かった列車から八人の乗客が消えた。

選挙に出馬する義弟の不透明な資金三千万円を持ち逃げした木谷省吾。

昭和初期の小倉。私鉄職員の“わたし”三輪は、陶器会社に勤める仲間、秋島、久間とともに詩を愛好していた。

動乱の世には眼もくれず、佳人の面影をひたすら託した自作の玉器を、ひとすじに追い求める工芸師の三十余年にわたる執念を描いた直木賞受賞作はじめ秀作五篇収録

上杉謙信に味方して川中島の決戦に参加、武田方を大いに悩まし、姉川の合戦では織田信長の懐深く喰い込んで対決する美貌の女忍者於諜の縦横の活躍を描く傑作長篇

過去の徴兵検査で第二乙種不合格、そして三十二歳となった今、兵隊にとられることはないと確信していた山尾に、召集令状が届く。

神戸支店に転勤することになった葉村省吾は、兄夫婦にある調査を依頼された。

天下一の剣と天下一の兜はどちら

京都の夏をいろどる大文字の夜の雑踏にひそかに交された愛の営みと、同時に催された三宅島へのヨット・レースとの間の完全犯罪の謎を追求する本格推理小説の傑作

女性限定の25日間ヨーロッパ・ツアー旅行「ローズ・ツア」が企画された。

深夜の高級住宅に突然とびこんできたトラックが巻きおこした波紋は、山梨県下に発生した二つの殺人事件とつながる。

銀行員安田信吾は行金五百万円を持ってキャバレーのホステスと共に逃走した。取引先の隠し預金を裏付ける極秘メモが決め手だ。

偶然に、お互いの身の上も知らずに愛し合うようになった二人…しかし運命の皮肉は二人の仲を無残に打ち砕こうとする。

戦後日本で起きた怪事件の数々。その背後には、当時日本を占領していた米国・GHQが陰謀の限りを尽くし暗躍する姿があった。

天明二年、紀伊家の廻米を積んだ神昌丸は伊勢・白子の浦を出港し、江戸へと向かった。

鎖国日本に大ロシア帝国の存在を知らせようと一途に帰国を願う漂民大黒屋光太夫は女帝に謁し、十年後故国に帰った。