馬の首風雲録
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私は浅学にして、解説で触れられていた、戦争文学を何一つ読んだことはない。つまり、元ネタは分からないのだが、この作品は十分に面白く、楽しむ事が出来た。 多数の作品の影響をうけながら、この作品を一読した感想は、いかにも筒井康隆さんらしい作だと言う事。例えば固有名詞。冒頭を読んだだけでも、「ブルハンハルドゥンナ長銃」「ドブサラダ」「ブチャラン小屋」「サチルナ」「ブチャランゲン」「ポロリ」と異様な固有名詞が、何の説明もなく出て来て、一気に筒井康隆ワールドに誘われる。 そして、シニカルな笑いに満ちたドタバタ劇は、作者の独壇場。読み終えて、「筒井康隆成分」で満腹になった。五十年前に書かれた作品なのに、戦争に関するメッセージは、今こそ読むべき示唆に富んでいる。ここには書けないので、お確かめください。 | ||||
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物語序盤からロードノベルのような始まりで、会話のリズム感が良くて おもしろく引き込まれてしまいます。 イヌのような知的生物らしい戦争婆さんとその四人の息子の ユタンタン、トポタン、ヤム、マケラは、ブチャランという馬に似た悲しげな顔の哺乳類に 荷車を引かせて各地を回って商売をしています。 息子たちはひとりまたひとりと兵隊にとられ、 ズンドローやドブサラダといった個性豊かな人たちと出会い、戦争も次第に激化していきます。 あとがきでは本書での戦争文学作品のコラージュについて触れられていて、 のらくろ、大岡昇平、野間宏、ヘミングウェイ、ブレヒト、カフカなどの名前が出てきます。 1967年の作品だけど古さはなく、今だからこその作品にも感じました。 | ||||
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もう25年くらい前に読んだのだがとにかく語り口がうまい。もしかしたらシングの「海へ騎りゆく者たち」を下敷きにしているのかもしれないが、登場人物が犬みたいな類というところもいいし、最初の爆弾のところなんかすごくうまい。なんでここでは評価が低いんだろう。 | ||||
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長い間けっこう忠実な筒井信者であった私は、断筆宣言以前の諸作は、ほとんどもれなく読み、かつ 所有しているはずであったが、この「馬の首」と「霊長類南へ」だけはどういうわけか読んでないし、 もってもいない。この文庫版が書店に目についたので買ってしまった。 この馬の首は、私が高校生の頃、SFマガジンに連載。当時SFマガジンは毎月購読しており、それこそ 表紙から裏表紙まで舐めるように1字もらさず読んでいた時期なのだが何故か、筒井のこの連載だけは 毛嫌いしてまともに目を通していなかった。少し読んでみると、これは戦争と人間(登場人物の顔が犬 の顔にすげ変わっているだけで)のドラマであり、SFでやるテーマではないと私は思ったのだった。 今回通読して、この小説は、文学青年であり、演劇青年であった筒井の生真面目な部分が色濃くでた もので、スラップスティックに目覚める直前の、まだ習作といってもいいような出来栄えである、と評 してもかまわない。かなあ。 著者あとがきによれば、この馬の首では、ノラクロ、ブレヒト、ヘミングウエー、野間宏、ノーマン・ メイラー、カフカ、さらには大岡昇平にいたるまでの戦争ものからのコラージュ、つまり名場面のパク リをやっているそうだが、私はひとつとして、思い至る部分を見出せなかった。ほとんどそれらを読ん でないのだから、あたりまえか。筒井さんはやっぱり若いころから偉大な読書家でもあったのだなあ。 脱帽。 | ||||
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暗黒星雲中に群がる300の惑星――馬の首星域。馬の首星域では地球の犬そっくりのサチャ・ビ族がビシュバリク統一政権の下、平和に暮らしていた。 しかしコウン・ビ 族(地球人)の到来により、馬の首星域は動乱の時代に突入することになった。地球との貿易により裕福になったトンビナイの新興商人階級とビシュバリクの特権貴族階級との対立が激化し、ビシュバリク統一歴116年の夏、地球人の支援を受けたトンビナイ共和国軍がビシュバリク国家軍を襲撃、ついに戦争が勃発した。そして非情な戦争は死の商人「戦争婆さん」の4人の愛する息子たちをも次々と彼女の元から奪ったのであった。 ある者は兵隊にとられ、ある者は野心に燃えて・・・戦争の渦中に放り込まれた戦争婆さんと4人の息子たちの運命は? そして戦争の決着は・・・・・・? 勇壮さ、悲惨さ、残酷さ、愚かしさ、滑稽さ。ベルトルト・ブレヒトの劇『肝っ玉おっ母とその子供たち』を下敷きにして、戦争の全てを描いた筒井康隆の傑作第2長篇。SF手法が見事に成功し、第1級の戦争諷刺小説に仕上がっている。話の構成も筒井康隆にしては(笑)、丁寧に作られている。 | ||||
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