不自由な日常から、自由な世界へ。オートバイを愛し、野宿旅を続けている人気作家が、その思想と実践について語る。

五歳のころ、放浪癖のあった父親と同居することになり、程なく、花村少年の地獄の日々がはじまった。

五十八歳にして初めて子を得た小説家・愛葉條司。「家族クソ食らえ」の條司だが、子育ての喜びを知り、のめり込む。

諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。

マリーは泣きそうな子供のような顔をした。「なにする!」圧しころした声で言った。

青年よ、旅に出よ―。大学生の「僕」は、学園祭で講演に来た「花村」という作家にそそのかされて、北への独り旅に出かけた。

モトクロスに人生の全てを賭ける貞二は、思うような結果が出せず、また、若い天才の出現に焦りを覚える。

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。

時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くにある三好家の屋敷に、その男はいた。

天使のような容貌と肉体を持ちながら生まれつき生理がない人妻・涼子は、大学の後輩の大島に好意を寄せられ、凌辱されてしまう。

南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。

やんちゃが少し過ぎた俺は、祖父の差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは、「なんでもアリ」の殺し屋専用住居だった。

勤めていた会社を解雇され再就職もままならず、自分の保険金で妻子の生活費を捻出しようと、バイクの事故を装って自殺を図るために北海道にツーリングに出かける男(「旅の半ばで」)など、ヴィンテージ・バイクと、それらにかかわる無器用で、それでも必死に己の人生を生きる

白称モデルで、過食嘔吐を繰り返す宮島弥生は、カルチャーセンターの小説講座に通う作家志望の女性。

“四ヶ月の浮浪者生活で、イクオの服装はそれにふさわしく汚れていた。かなりの異臭が立ち昇っていた。

北海道の奥深く潜伏していたヒカルと鉄男は、冬の到来を前に、南に向けて旅を再開する。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

小説を愛してやまない文芸編集者の澤野逸郎は、文芸誌“小説○○”の編集長になった。

那覇は、熱気に覆われている。11月の倦怠に抱かれ、作家は街を流れた。

この中に紹介されている悪所場に独りで、あるいは悪友と出かけた、著者の味わった愚かさと無常観と、そして幾ばくかの快感を味わってみてください。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

“物書き”とは?“匂い”とは?“鬱屈”とは?“音楽”とは?“表現”とは?“卑近”とは?奇才・花村万月が、あなたのすべての“問”に答える!エッセイと初期の短編を集め、いろんな「万月」を楽しめる“闇鍋”のような貴重本。

俺は、住み込みの牛乳配達員として働きはじめた。「暴力太郎」と渾名される筋者と付き合うようになり、生活は次第に乱れてゆく。

哀しく、それでいて熱い旋律。沢村がつま弾く音に、麗子が目を付けた。

朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。

歴史。それは「姫」の思うがまま。

太平洋戦争。 寒村で起きた悲喜劇。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

「バカ」海底に置き去りにした女に向かって、伊禮ジョーはひとこと呟いた。

琵琶湖のほとり、田圃の真ん中で派手なネオンを輝かせる雄琴のソープランド街。

ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。

私は喰い散らすだけの存在である。作法もなにもない―。

排気量2000ccの改造バイクを愛する売れない物書きのジョー。

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。

姉の下腹には盲腸の手術跡があって、砂をガラスで引っ掻いたようなケロイドが残っている。「注意したほうがいいわよ。

伊賀には表と裏がある。八劔なる裏伊賀の忍者たちは、血を掛け合わせて人材を生み出す謎の集団。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。

少女の秘密が、ぼくの世界を塗り替えた。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと…。

薄井正明、59歳。元大手銀行勤務で、出向先ではプチ・エリート生活を謳歌している。

新宿で最も有名な探偵“眠り猫”。俺はその息子だ。

元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

大神の天衣無縫な笑顔には、誰もがやられてしまう。スレてる俺でさえ例外じゃなかった―。

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。

桜町は、いま渋谷・道玄坂でルシファーというバーをひらいている。

少年の名は峰岸情、十七歳。彼にとってトルエン、窃盗、暴行は日常茶飯事。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

深夜2時、渋谷。少年院から出たばかりの貢は、北勢会のチンピラを蹴り上げていた。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

次郎、17歳。吉祥寺で週二回、ギターを習うだけが日課の毎日。

新宿で最も有名な探偵“眠り猫”。俺はその息子だ。

29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。