父の文章教室
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これで充分。新品購入必要なし。 | ||||
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こんな本に出会ってよかった。 花村さんが、はづかしげに語る(書く) 自叙伝のような本の中身。 ほのぼのと読ませていただきました。 ほのぼのと読むには少し文学のことがかなりシビアにも 入っていますので、時々しっかりと脳みそ使いますが。 読み応えがある「作家の自叙伝の一部分」ではないでしょうか? 幼少のころから今に至るまでの文章力や感性のいかに形成されてきたのか? 作者自身によるかなり冷静な自己分析ではないでしょうか? お父様のことが面白く、厳しく、そしてどこか肉親への独特の うらみつらみ、そして愛情が感じられるところがいいです。 お父様の影響がかなり入り組んで入っていますね。 花村萬月のルール見たり!!の1冊です。 であった人は花村ファンとしては少ないかもね、貴重かもね。 そんな密かな喜びも感じつつ読了。 | ||||
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本書は、『青春と読書』2002年7月号から2004年5月号までの連載に加筆修正を 施したもの。 「私の父は五十八歳で死ぬまで、徹頭徹尾小説家志望のままで、定職に就くことは ありませんでした。しかも妻子に対する責任を果たすこともなかった。……父は いくらかの原稿だけを残して死に、その作品が本になることはありませんでした。 小説家ではなく、小説家志望のまま死んだのです」。 氏は、本書の執筆において「自分の過去を小説という虚構ではなく、客観的な事実と いうかたちで書き表す」ことを志向していたようだが、一方で、「記憶を掘りさげるという 内的作業において人間は期せずして嘘をつくりあげてしまう」との記述の通り、結局は 虚構に帰せざるを得ないことにも自覚的。 そしてシンプルに文体から本書を見たときに、どこかぎこちなく冗長で、一見した限り とても花村萬月の文章とは思えないようなクオリティ。こんなに下手だったっけ? と 思いつつ、巻末に収録されている短編を読むと、やはり抜群の切れがある。彼において 「客観的な事実」を書くというのは、単に冴えのない日本語を刻むことらしい。 筆者自身の文学論としても読める一冊ではある。 「人間が獣であって、なぜ悪い」とは、実に簡にして要を得た自作解説。 そして同時に、『王国記』を読めば分かることではあるが、筆者の宗教理解の薄さに 愕然とさせられる。 「宗教(的感情)に関して論理でしか語れぬ、あるいは読み解けぬ批評家や読者の 的外れな批評には苦笑どころか、怒りを覚えることも多々あります。素養がないなら 黙っていろ」。 「論理でしか語れ」ないバカよりももっと惨めなのは、論理すら語れないバカ。 世の自称小説家の不勉強なんておよそ例外を持たないところではあるが、感情やら、 感性やらに逃げ込んで、「論理」すら語ろうとしない。 挙句、ハクスリーみたいなバカを連れてきて「哲学書」とか、「哲学」をまともに 読んだことがないのが丸分かりな恥を平然と晒す。 「素養がないなら黙っていろ」とはまさにこのこと。 そんな素養でありつつも、「父の背に、大振りの花瓣を誇る緋色の花が咲き誇っている。 嘔吐物の染みこんだ布団からの腐臭が、ふと、なにか艶めかしい花の匂いにも似て 感じられた。私は父の背中に咲いた鮮やかな花を凝視した。胸がくるしくなってきた」 というような刺さる文章が書けてしまう。 現代日本屈指の資質と凡庸以下の稚拙な論理、そんな奇妙な共存、小説の魔性が 堪能できる一冊ではある。 | ||||
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作家の花村萬月さんの子供時代をつづった本です。 幼少期にお父さんから読書や音楽の指導をされた経験が語られていますが、すさまじ いものです。 小学校に上がる前の萬月さんにお父さんは文庫本を読むように命じます。しかも、旧 仮名づかいの文庫本です。 お父さんは、「こうやって読むのだ」「これはこういう意味だ」などという助言も指 導も一切しません。 幼児に自力で読むように強要するのです。 苦労を重ねても、なかなか読み進めません。 そうすれば、お父さんの容赦ない叱責、時には手が出ます。 それでも、萬月さんはお父さんに対する深い愛情を感じさせる文章を書くようになり ます。 愛憎相半ばする感情が読むとどんどん伝わってくる興味深い一冊でした。 | ||||
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芥川賞作家の花村氏の小説は一度も読んだことがないが、本の表題に何となく興味を持ち購入した。読み始めて一気に完読させられる内容であった。 「文章教室」といっても文章をいかに上手に書くかといった類の本ではなく、中卒(しかも小中学校ともまともに通学していない)の小説家がいかにして芥川賞作家になったか、といった自伝が中心。 幼少の氏の前に放浪癖のある父親がある日突然現れ、当時6歳であった氏に無理やり難解な文庫本を読ませるなど、かなり強引な英才教育が始まる。 氏は当時を振り返ってこの父親の英才教育について苦痛であったという一方、「小説家である基礎を作ったのは父親」とか「愛されている自信はあった」等々、早期教育、息子と父親の関係をはじめ多くを考えさせられた。「青春と読書」に連載されていたものであるため、連載毎に父に対する評価が微妙に変わるなど、強引な英才教育が苦痛であった一方で、自分を愛してくれた父親のことは憎むことができないといった氏の気持ちが滲み出ている感じがした。 また、子供は世間の常識を逸した父親でも、時に多少子供の能力を伸ばしたいがために無理難題を言うような父親でも、本質的には情が通った父親を全面的に憎むことはできないのではないか、と思った(現代の多いとされる子供に嫌われたくないために子供の機嫌をうかがうような姿の父親はやはり情けないのである)。また、親に愛されなかった子供は大人になるまでその事実を引きずる、とあったのが印象的。 なお、氏は薬物に溺れた経験やバイクで日本中を野宿し旅した経験もあるようで、是非作品を読みたくなったのは言うまでもない。 特に息子をお持ちの父親に強くお勧めの一冊。 | ||||
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