二進法の犬
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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花村萬月初読。 | ||||
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恋愛要素が入ると途端に白ける私ですが、序盤から最後まで熱中しました。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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業界の大先輩が「花村萬月なら『二進法の犬』が傑作」と教えてくれた。実に958頁の大作。しかし読んでみて一気読み。まさに途方もないエネルギーの作品であった。ヤクザ社会を描いているから、凄まじい苛烈さと残虐さ。それに比肩するのは、赤松利市くらいではないだろうか。しかし登場人物は魅力的で、物語は清冽。中でもヒロインの倫子は、賢く神々しく愛らしい。そして親分の乾、手下の中島、後妻の李、倫子の親友である鋭子、李の娘・麗子、乾組のショバを荒らした西元寺、神戸の鍋井。どの人物も惚れ惚れするほど素敵だ。その対極にあるのが、家庭教師として雇われた鷲津。ヤクザ社会に対する、小市民=保身する卑怯者としての自己否定に懊悩する。そして鷲津とは、われわれ大衆である。対するヤクザ社会を0と1の二進法で表現する見事さ。特に描かれる賭場シーンには、まさに固唾を飲む。読んでいて、激流のドラマに、心が荒海に浮かぶ舟のように揺れる。号泣と嗚咽の果てに描かれる、奈落と希望のコントラストが夕焼けのように美しいエンディング。 | ||||
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文庫本史上の傑作だと僕は思う。 本というより豆腐みたいな形。 分冊にしなかった光文社の勇気。 恥を知る難しさと知っている凄さとくだらなさ。 ぐるぐるまわって、考えて、行き着くところは 所詮人間なんてたいしたことないやという 爽やかさ。僕はこんな風にこの書を拝読しました。 ほんとに、おもしろく、充実した読書経験をしました。 | ||||
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何週間もかかるだろうと思っていたが、1週間で読み終えた。 この人の長編は引きずり込まれるようにして読み続けてしまう。 『百万遍』しかり、『たびを』しかし、『風転』しかり、そして本作しかり、である。 本書も、花村萬月の他の作品同様に、セックスや暴力の描写が生々しい。 というか、まるで自分自身がセックスをしているような感覚にさえ囚われるほどである。 加えて、観念的な問答も、ちょっと「?」を感じるところもないではないが、実に思弁的で饒舌なのである。 博徒系ヤクザの1人娘の家庭教師をすることになった主人公の、インテリ特有のダメさ加減と過剰な自意識、これは花村萬月自身の分身だろうから、それをくどいほどに描写できるのは理解できる。 しかし、思春期の只中の17歳のヤクザの一人娘の心理や生態の描写、父である博徒系ヤクザの組長、そして従順なその手下の心理までもが、いちいち説得力を持って迫ってきたりする。 これが、作家としての力量というものだと痛感する。 1冊読み終えて、1年分生きたと感じられる小説というのも、それほど多くはない。 読むのにいつも疲れはするけれど、また次の小説に手を伸ばしてしまうだろう。 | ||||
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梱包も丁寧で、敏速な対応で安心しました早速、友人にも読む様に進めている所です。 | ||||
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花村萬月氏の作品は以前から興味がありながらなかなか手が出なかったが、読者評価の高いこの作品から始めて見ようと本書を手に取った。かなりの分厚さに少しひるんだが、一旦読み始めると異様な迫力に引きずり込まれ、一気に最後まで読み切った。 主人公の鷲津は京都大学卒の優秀な男だが、会社組織には馴染めず家庭教師で生計を立てている。そんな彼がヤクザ親分である乾の一人娘の美貌の高校生、凛子の家庭教師になるところから物語は動き出す。 ただ、自分は本書の出だしの凛子が近くの不良高校生の鋭子に絡まれ、二人が対決するシーンの迫力に既に圧倒されてしまった。その後は怒涛の展開だが、一番引き込まれたのは鷲津が乾に連れられて、千万円単位の金が動く違法賭場に乗り込むシーンだ。そこで中嶋、鷲津、乾が異なる種類の博打で関西ヤクザと対決する場面は、自分がその場にいるような息を呑ませる臨場感があった。 後半は、鷲津と凛子が遂に深い関係になってしまい、この物語はどのように終わるのだろうかと思ったが、最後まで濃密で緩むことなく展開し、終結に至ったのは実に見事。今自分が生きている平穏な日常とはかけ離れた世界を垣間見た気がした。 | ||||
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