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二進法の犬



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【この小説が収録されている参考書籍】
二進法の犬 (カッパ・ノベルス)
二進法の犬

二進法の犬の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Aランク
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No.1:
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二進法の犬の感想

花村萬月初読。
性・愛・暴力がこの作者の3大要素らしいのですが、まさにそんな感じですね。
京大卒のエリートでありながら、どこか庶民を小馬鹿にするような面があり、社会に馴染めない、しかしプライドは高いという情けない男が主人公。
その他の主な登場人物も、ほぼほぼヤクザ、時々ヤンキーと、普通じゃないいわゆるアウトローといっていい連中ばかり。
そして、タイトルからも想像できる通り、0か1、シロかクロ、生か死の選択肢しかない世界の話。

主人公がヤクザの世界に巻き込まれていき、その軟弱さが際立ってくるように見えます。
勿論、物語の中で駆逐されていくべき人間性の男ですから当然です。
で、その対極には、ヤクザの男気みたいなのがあって、しかしながらどこか深い愛を感じる事ができて・・・なんてのがパターンだと思うのですが、この作品にはなかったように思います。
登場するヤクザも、相当にズレた人ばかりで、感情移入できる登場人物がいなかったですね。
ストーリー自体も非常に陳腐です。

そして、作者自身を主人公に投影して、作者が常日頃感じている事を、主人公の口を借りて語らせているのですが、「考え」というよりも最早「思想」と言っていい感じですかね。
難し過ぎてよく分からなかったり、失笑させられたり・・・と、どこか突き抜けていて共感できる事が少ない・・・そんな感じで文庫本にして1100頁。
まぁ、圧倒的な文章力というか、描写力というか、そういうところは、否定的な気分で読んでいても感じる事ができるので、響く人にはとことん響くのでしょうね。
で、拒絶する人からは、とことん拒絶されるという・・・そんな作品だと思います。

梁山泊
MTNH2G0O

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