諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。

“四ヶ月の浮浪者生活で、イクオの服装はそれにふさわしく汚れていた。かなりの異臭が立ち昇っていた。

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。

天使のような容貌と肉体を持ちながら生まれつき生理がない人妻・涼子は、大学の後輩の大島に好意を寄せられ、凌辱されてしまう。

「バカ」海底に置き去りにした女に向かって、伊禮ジョーはひとこと呟いた。

白称モデルで、過食嘔吐を繰り返す宮島弥生は、カルチャーセンターの小説講座に通う作家志望の女性。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。

朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

1971年。スペインとフランスの国境地帯バスク。

原点であり新境地。馳星周版『フランダースの犬』 共に悲劇的な運命を背負った青年と少女が、函館・大沼の地で出会う。

黒鷲―不良債務者を地の果てまでも追いつめる凄腕ぶりから、誰もが黒木をそう呼んだ。

金のためなら財産どころか命も狙う闇金融を営む富樫組若頭の桐生は膨大な借金を抱えたエステサロンのトップセールスマンの玉城をカモにしようとする。

桜町は、いま渋谷・道玄坂でルシファーというバーをひらいている。

道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。

―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?― ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編! ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。

航空機事故で両親を失い、異郷アメリカで天涯孤独となった朝倉恭介は、おのれの全知力と肉体を賭けて「悪」の世界に生きることを決心する。

レーザーディスクのように輝く絹織物―。

深夜2時、渋谷。少年院から出たばかりの貢は、北勢会のチンピラを蹴り上げていた。

水面下で武装化を図る市民団体〈パグ〉を内偵中の公安0課作業班員・藪野と友岡は東雲の武器密造工場に侵入。

妻の病を治したい、子供を一流中学に入学させたい…。

五十八歳にして初めて子を得た小説家・愛葉條司。「家族クソ食らえ」の條司だが、子育ての喜びを知り、のめり込む。

「お前が戦わなければ皆殺しだ」強盗殺人事件の捜査中に自分をかばった同僚を亡くし、その責を負って警察を辞めた牧しずりは、同僚の息子・岬人と出会う。

復讐代行屋・幸福企画。幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の男たち。

北海道の奥深く潜伏していたヒカルと鉄男は、冬の到来を前に、南に向けて旅を再開する。

虫けら同然の人生で、初めて落ちた本気の恋。それは俺に心からの幸福と、地獄を招いた―。

警視庁三課の刑事・神崎は大量の古美術品が市場に出回ったことから、捜査をはじめた。

琵琶湖のほとり、田圃の真ん中で派手なネオンを輝かせる雄琴のソープランド街。

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。

豪奢な一軒家で、執拗に切りつけられた惨殺体が見つかった。

警視庁捜査一課の堀田班は、宝飾店オーナー殺人事件の容疑者を自供により逮捕。

陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。

3基の原発が立地し、原発マネーに依存する北海道・道南市。

元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。

青年よ、旅に出よ―。大学生の「僕」は、学園祭で講演に来た「花村」という作家にそそのかされて、北への独り旅に出かけた。

通信社の東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。

不自由な日常から、自由な世界へ。オートバイを愛し、野宿旅を続けている人気作家が、その思想と実践について語る。

五歳のころ、放浪癖のあった父親と同居することになり、程なく、花村少年の地獄の日々がはじまった。

歌舞伎町の一角で町会長の死体が発見された。警察は病死と判断。

歴史。それは「姫」の思うがまま。

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが翌日、翠は事故死する。

百合子、城山、そして林―。

太平洋戦争。 寒村で起きた悲喜劇。

眼球が飛び出し、ペニスを釘で打ちつけられた惨殺死体が見つかった。

私は喰い散らすだけの存在である。作法もなにもない―。

もう許していただきたいのです。負けを認め、教子が祈りを捧げた朧の息子・太郎。

91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。

ヒモのヨシキは、ヤクザの恋人に手を出して半殺しにあうところを、妖艶な女性に助られる。

ヤク中で慢性自殺志願者のブンガクさん。浅草置屋の娘で、文学少女のくせに暴走族にも一目置かれているタカミ。

かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力、…日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。

新宿で最も有名な探偵“眠り猫”。俺はその息子だ。

友人の雅人がヤクザから1260万円の借金を! そんな大金、あるわけない。おれは偽札を作ることにした。

日本推理作家協会賞受賞!心に刺さる連作短篇集 島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。

伊賀には表と裏がある。八劔なる裏伊賀の忍者たちは、血を掛け合わせて人材を生み出す謎の集団。

母と娘。二種類の女性。