かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。

ふいに思い知る、すぐそこにあることに。 時に静かに、時に声高に――「死」を巡って炙り出される人間の“ほんとう"。

「身勝手な女」と呼ばれたって一ミリも後悔なんかしないわ。 照子と瑠衣はともに七十歳。

大丈夫、会いたいと強く願えば、きっと会える――。

昭和を彩る歌謡曲を題材に生れた小説たち。「時の過ぎゆくままに」「小指の想い出」など名曲が鮮やかに甦る珠玉の短編集。

一番近くにいるのに 誰よりも遠い。 海釣りに出たまま、二度と帰らなかった夫。

誰かと生きるって、こんなにも孤独――。 長年連れ添った配偶者が、過去に大罪を犯していたら。

朝霞、新座、志木。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。

ママはいいわよべつに、刑務所に入ったって 小料理屋の女主人百々子七九歳と若い頃から女が切れない奇妙な魅力をもった七つ年下の夫。

横浜で、ミッション系のお嬢様学校に通う、野々原茜(のの)と牧田はな。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。

短篇の名手が、深遠なカタルシスを紡ぎ出す。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

直木賞受賞第一作! すれ違う大人の恋愛を繊細に描く、全六篇の作品集。

両親を事故で失くしたみさきは19歳で美術教師の夫と結婚した。それから4年。

「今から君を脅迫する」。きっかけは一本の動画。

あなたの「過去」は、大丈夫? 美しい「思い出」として記憶された日々――。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

「姦通」していた男女が熊に殺された—。

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

愛する女性を失い、己を罰するように生きてきた鷲田完治。

この悪人を、あなたもきっと好きになる。 「三分間だけ、付き合って?」。

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

突如ダムが決壊し、濁流が町を呑み込んだ。

直木賞作家の真骨頂! 笑って泣ける人間讃歌。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

婚約者に結婚の延期を告げられた女、新しい恋を失ったシングルマザー、彼氏の代役をさせられた大学生、永遠を信じない実業家。

上水流涼子は弁護士資格を剥奪された後、頭脳明晰な貴山を助手に探偵エージェンシーを運営。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。

捜査のためなら、俺は外道にでもなる。

祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。

夫婦になること。夫婦であること。

義母の葬式で男は思い出す。22年前に、義母の起こした事故のこと。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

アイヌの出自を持ち、独自のスタイルで地位を確立したアーティスト・ミワ。彼女との出会いが人に与えるものは。

薄井正明、59歳。元大手銀行勤務で、出向先ではプチ・エリート生活を謳歌している。

かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。

いま旬の女性ミステリー作家による、「イヤミス」短編を集めたアンソロジー。

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。

長く辛い不妊治療の末、自分たちの子を産めずに特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。

五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵―。

大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。

正子は75歳の元女優。

39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。

聖母が死んだ。 薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。

深い喪失感を抱える少女・美緒。謎めいた過去を持つ老人・丈太郎。

空が色をなくした冬の北海道・江別。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

マスコミは人の不幸を娯楽にする怪物なのか 葛飾区で女子高生誘拐事件が発生し、不祥事により番組存続の危機にさらされた帝都テレビ「アフタヌーンJAPAN」の里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って奔走する。

二十五年前に家族を捨てて出ていった父親が突然戻ってきた。妻と娘夫婦が経営する八ヶ岳の麓の園芸店へ。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。