長野県松本で暮らす作家のぼくは、連絡がとれない父・伊郷由史の安否を確認するため、新潟の実家へと戻った。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ、人類がこちら側へ退転してしばらく。

私が生きていることに、意味はあるのかな。

小説の書き手である「わたし」は物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

1920年代後半の英国―エリオットには秘密があった。

「あなたはこれよ。

手のひらサイズの物語はいかが? 切なかったり、幸せだったり、恐ろしかったり、美しかったり――あらゆる物語の楽しみが、ここにあります。

九鬼白雪は、妖術学校「吽影開智学校」の新入生。

作家M・Mが常連の喫茶店の密やかな性戯を描いた「影を買う店」他、皆川博子、最大の「偏愛幻想/奇想」小説集、ついに刊行!

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

18世紀英国。

インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

アダムスベルグ署長は、古い連続殺人事件のひとつとしか思えない殺人事件の報に接する。

大手出版社に勤務する志賀子は、幾人もの一流作家を抱える敏腕編集者として忙しい日々を送っていた。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

1883年ロンドン。

”人を殺す悪夢”の正体に挑むミステリー ある会社員が、自宅マンションから謎の飛び降り自殺をした事件。

30年以上SFを書いてきたぼくは、第一線をはなれたような気分になっていた―ベテラン作家が、伊藤計劃『ハーモニー』と3・11後のフィクションの可能性を考察する表題作、深井零がパーソナルなコンピュータを追い求めた記憶を語る“戦闘妖精・雪風”シリーズのスピンオフ

圧倒的な密度と熱量。

夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。

大学4年生の高橋真矢は、映画研究会在籍の実力を買われ、アルバイトで民俗学者・布目准教授の助手となった。

法と正義、師弟愛を描く胸アツ法廷エンタメ アラバマ大学ロースクールの老教授トム。

町長不在となったシンフルの町に、二週間前から身分を偽り住んでいるCIA秘密工作員のフォーチュンは、これまでの縁から町長選挙に立候補した婦人会の会長アイダ・ベルを手伝うことに。

昭和17年、兄の勧めで港蘭女学院に入学した中禅寺敦子は、寮生活をおくることになる。

ロサンゼルスのスラム街「ザ・ボクシズ」で、犯罪組織に所属する十五歳の少年イースト。

著者初の時代小説「十五歳の掟」を含む表題作江戸民衆の情念を炙り出した「朱紋様」の2冊に加えて単行本初収録の連作短篇を併録。

東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員の牛久と捜査に加わった。

でたらめな地図に隠された意味、 しゃべる壁に隔てられた青年、 川に振りかけられた香水、 現れた住職と失踪した研究者、 頭蓋骨を探す映画監督、 楽器なしで奏でられる音楽……。

関口の“弟子"から映画館に繁栄をもたらす妖怪・桟敷童の噂を聞いた榎木津は、下僕を従え妖怪探しに乗り出した。

かつて天才ハッカーと謳われた“プロメテ”こと能條良明。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。

大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。

入学早々鬱々と過ごす関口に、声を掛ける者がいた。教師も一目置く中禅寺。

警察行政職員を目指していたはずが、意図せず警察官となった椎名真帆。

アルバイトスタッフリーダーの田中を正社員にしたい。過去二回の打診を、田中は丁重に断ってきた。

設計技師にして発明家のわが友人ロドリックはある夜、自分は神を殺すことができると語った…。

1919年、英国領インド。赴任したばかりのウィンダム警部は、英国人高官が殺害された事件の捜査の指揮をとる。

ロンドンで美術教師をしているミス・シートンは名付け親が遺してくれた田舎のコテージへ行くのを楽しみにしていた、。

『病気、至急連絡されたし。』――冬の夜、僕の許に届いた差出人不明の電報。

武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。

少年しか知らない絵本? 幻の卵料理? 秘めたる恋の落とし物? そして白骨死体?! のどかな図書館の新人司書は、今日も謎解きに奮闘中! 大好評図書館ミステリ第2弾。

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。

文化大革命で父を惨殺され、人類に絶望した科学者・葉文潔（イエ・ウェンジエ）。

街歩きサークルの遠近倫人は、幻の古書を探すため、古本市でバイトを始めるが、不可解な万引き騒動に巻き込まれてしまう。

不治の病を宣告された母は、誰より愛するひとり娘を見守り続けるためにある選択をする。

ある朝、いつものように登校すると、机のうえには分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。

行き先も告げられないまま、最愛の恋人ダーシーの車に乗せられ、ロンドンをあとにした公爵令嬢ジョージー。

無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。

それぞれ別の目的でパリにやってきた元刑事のマデリンと人気劇作家のガスパール。

【アンソニー賞、マカヴィティ賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞受賞】 帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。