黒猫ギムナジウム
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軽いの重いの、明るいの暗いの、笑えるのも泣けるのも。 ミステリ・ホラー・恋愛・ラノベ・SF・FT・TL・翻訳ものまで。 けっこうな数の本を読み散らかしてきてるのに、「小説で1番好きな男は?」と誰かにもし聞かれたらー。 即答で「猫目坊!」なのが自分でもちょっと?です。いや他にもっと一般受けするのがいるだろう、とツッコミたい。でも1番は猫目坊(笑)。 古風で抑えの利いた耽美な文章から、色や匂いがすぐ目の前にあるような気がしてきます。 この世界観もいいです。化け物が出てきて、しゃべるタヌキとイタチもいて、吸血鬼や魔女がいる。 殺される人がいて殺す人がいる。 好色さも残忍さも醜悪さも表に見えていて、悩んでいようが憎んでいようが恋に落ちていようが、事の善悪に関係なく、強い者が望むものを手に入れる。 リサや那智の恋も。怜士朗や酒匂のなりゆきも。狭霧の懊悩も。どれもぜんぶ気になってしまいます。 総じてこの本の男たちは悩み苦しみ、女たちは理屈抜きで愛とか情とか憎悪とかにひた走ってる感じですね。 十四歳の少女なりに一生懸命、あっちこっちへ情をかける白雪にハラハラさせられましたが、結果を知るとこの子は間違ってないんだろうなぁと思う。 それにしてもなにはさておき、猫目坊のかっこいいこと! 心中してもいいわと本気で女から想われる男って多分こういうの。見た目も雰囲気も言うことも、なにもかも婀娜っぽくて色気が凄まじい。この人が出てくるページを読んでるだけでなんかもうダメだ(笑)。 白雪と猫目坊、2人の関係がすごく好きなんです。ほほえましくて、せつなくて。ラストも、だからこれで良しとしなきゃいけませんね…。 表紙はこのとおり、中のイラストがまたすばらしく美々しい。眼帯付きの猫目坊、何度見てもトキメキます♪ この小説にこの絵。ぜったい手放せない本。一生大事にするつもり。 中里先生の『みがかヌかがみ』も大好きですが、猫目坊ゆえに『黒猫ギムナジウム』は別格扱いになってます。 この人以上に心を鷲掴まれる男が出てくる本にいつか出会いたいと願いながら、新しい本を探す日々。が、もう8年続き、いまだ見つからず。あきらめずに探しますとも(笑)。 時間をかけてゆっくり、じっくり読んでいく。何時間、時々休んで何日かかっても、その時間がもったいないとは思わない。 読み返す度に理解がじわじわと追いついてきて、何度目かの今やっと、正しくこの物語が頭の中に納まった気がしてます。 白雪もリサも那智も狭霧も、そして誰より猫目坊が愛しい。だから読み終わるといつも寂しい。彼らとの別れが、この物語の終わりが寂しい。 また会いましょう。いつかまた読みたくなるから。この世界が懐かしくなるから。本があればいつでも彼らと再会できる。それが嬉しい。 誰にでも向く本でないのは確か。そのかわり、好きな人はたまらなく好きになる本なのも確か。時間に余裕がある時に、相性を確かめてみてください。 | ||||
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かつてSFの新人賞を取った作者だけあって、とにかく世界観の作りこみがしっかりしています。民俗学的な背景をきちんと織りこんで、その世界観に読者を引っ張りこむのが巧いです。それが史実なのか、作り話なのか、そんなことはもうどうでもよい、完全に作品の世界に没頭してしまいました。場面ごとの切り換えもいい。 この作者特有の言い回しと、語彙のチョイスが、明治時代の設定とあっていると思いました。往年の文学を思わせる文体。装丁で「ライトノベル」と決めつけないほうがいいです。読み応えがあります。妖艶な雰囲気で、タイトルから「学園もの」と思いこんで読むと、ちょっと違うかもしれません。 妖術学校に通うヒロインが主人公なのですが、登場人物がみんな本当に魅力的。よくもこれだけ魅力的な人物が、惜しみなく出てくるなあと。甲乙つけられませんが、猫目坊にやられました。本当に格好いいなあ、とホレボレしたり、やきもきしたり。作中の人間関係が、また秀逸。 内容が濃厚で、話全体に重要な筋が何本かあって、すべての事象には、原因と結果があるんだと、なんか納得しちゃったりして。前半は軽妙で、後半で一気に盛り上がって、読み終わって物凄い満足感。この中身ならば、ふつうなら何冊分にもなるでしょう。風景とか、衣服とか、映像が目に見えるよう。切ないけれども美しい。そういう小説には、あまりぶつからないので、いつまでもこの世界にいたい気分でした。続編とか、番外編とか、拾遺集とかを出してくれないかな。もっと読みたいです。 | ||||
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