大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

美しい社長秘書との結婚を目前に控えたモードデザイナーのポールは、ささやかな幸福にひたっていた。

ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。

大富豪の一人娘ステラは父の難病を治療した青年医師にひかれ、結婚することになった。

アメリカからの電報を読んで、キャシーは愕然とした。ノエルが結婚!なんて馬鹿な。

エーランド島の石切場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルネル。

破産寸前の夫、その若く美しい妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉、この四人の男女の頭の中には、それぞれ思惑がひそみ、それが運命の糸のようにからみあって、破局へと突き進んで行く……。

エーランド島に美しい夏がやってきた。

事故で死んだ夫、未亡人は義理の息子に有利に条件づけられている遺産相続に不満だった。

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。

十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。

捜査への情熱をすっかり失っていたコペンハーゲン警察のはみ出し刑事カール・マークは新設部署の統率を命じられた。

地位も名誉もある男たちの事故死。病院に入院している少女の不審死。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

「ガラスの鍵」賞、英国推理作家(CWA)協会賞、スウェーデン推理作家アカデミー賞の3冠に輝いた傑作! エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住みはじめたヨアキムとその家族。

不穏な空気をはらんだ夏の午後、医師シャーロットの診療所にやって来た若い女。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。

クリスティ、セイヤーズらと並び、四大女流ミステリ作家のひとりに数えられるアリンガム。

医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

【人気シリーズ第2弾、文庫化! 解説:恩田 陸】 いったいこの書類はどこから送られてきたんだ? いつのまにか特捜部Qのデスクに置かれていた20年も前の事件の書類。

アメリカ随一の女流本格作家マクロイによる、趣向と技巧を凝らす短篇集が文庫化。

六月半ばの日暮れどき、ダートムアの採石場で、スコットランド・ヤードの敏腕刑事ブレンドンは、絶世の美女とすれ違った。

奇抜な言動と悪趣味ないたずらで、周囲に騒動をもたらす美女クローディア。

山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。

ニューヨークで夢破れたダンサーのブリッキー。孤独な生活を送る彼女は、ある夜、挙動不審な青年クィンと出会う。

社会的地位も財産も美しい妻も手に入れ、満ち足りた生活を送っていた男が、それだけでは飽きたらず、途方もない計画を立てた。

伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。

官僚の失踪事件の鍵を握る少年。巨悪の魔の手から彼を救うべく、特捜部が立ち上がる。

数学の教授だったアレックは六十、年の離れた妻リタと村はずれで平穏に暮らしていたが、バリーという若造の出現で状況は一変する。

ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。

その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた。獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる。

ルーン文字を刻まれ、心臓をえぐられた死体に隠された忌まわしい陰謀とは。

ガレージで発見された、黒焦げの男の遺体。殺したのは、男にさらわれ監禁されていた二十代の女性フローラ。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た―この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。

ロサンゼルスからハワイに向かう747ジャンボ旅客機が無線で驚くべき通告を受けた。

英国で実際に起きた事件を基に執筆された表題作と、偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを暴く「火口箱」を収録。

母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。

別荘の管理人ビルが大声を上げて指さしたものは、深い緑色の水の底でゆらめく人間の腕だった。

刑務所から出所したばかりの大男、ヘラ鹿(ムース)マロイは、 8年前に別れた恋人ヴェルマを探しに黒人街の酒場にやってきた。

私立探偵のリュウ・アーチャーは怪しげな人物からの依頼で、失踪した女を捜し始めた。