北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。

雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。

第12回大藪春彦賞 第27回日本冒険小説協会大賞 エンタテインメント文学賞をダブル受賞。

厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護官はスキーを履き山中へ向かう。

清涼な山中で行うトレイルラン。人気のスポーツに没頭する青年は山に潜む危険をまだ知らなかった―「ランナーズハイ」。

昭和初期、東北の寒村で貧しく暮らす主人公・鉄。村八分にされ、いじめぬかれた鉄は、迫害者たちを殺して逃亡する。

犬たちとともに山を駆けめぐり、イノシシを狩るロッタこと六田賢司。

「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。

マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。

長野県安曇野。半年前に山で行方不明となった妻の頭蓋骨が見つかった。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。

北アルプス、漆沢渓谷。獣や鳥の“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。

火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。

姉を見殺しにされ天涯孤独となった青年。愛弟子の企てに気づいたとき、湯川がとった驚愕の行動とは。

競走馬の怪死事件。腹を鋭く引き裂かれた死体を前に、樋口孝也の脳裏には、あの凄惨な「羆」の悪夢が蘇る。

標高3193メートルの南アルプス北岳山頂――高山病に罹ったらしい小学5年生の息子・涼が訴えた頭痛で、早めの下山を決意した滝川。

オロマップ:北海道の日高山脈の南麓に吹く強風。 北海道森林事務局日高支所に勤務する二人の森林保護官。

雪崩で死亡した兄の遺品を整理するうち、増田直志はザイルに施された細工に気づく。死因は事故か、それとも―。

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。

日露戦争に従軍した猟師の矢一郎は故郷を離れ、樺太で過去を背負い流浪の生活を続けていた。そんな彼を探し回る男が一人。

“プロジェクト”を通して、自分の時空間跳躍能力に目覚めていく悠有。いっぽう、辺里の町では不穏な出来事が進行していた。

2010年冬、喜び組の崔純子は国家最高機密とともに脱北、中国に入った。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

佐伯鷹志は、かつて警視庁警備部警備課に在籍し、SPとして、政治家の警護をしていたエリート警察官だった。

純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

仕組まれた謎、驚愕の真相。

マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑落したのか。

時は八世紀末。東北には、大和朝廷に服従しない誇り高い人々がいた。

“光の山”が人生を奇跡に変えた!決死の生還を果たした男を待っていた思いもかけぬ殺人容疑―NZ随一の名峰アスパイアリングに鎮魂と再生への祈りが谺する。

No.1ホストのジョン太は店を休みがちで、いまいち歯車のかみ合わないインディゴ。

笠原武大は、妻を殺害した罪で服役している。

不自由な日常から、自由な世界へ。オートバイを愛し、野宿旅を続けている人気作家が、その思想と実践について語る。

今朝も建築現場に向かう正一。肉体を酷使する日々は際限がなかった。

日本の野にオオカミを放て! 一大プロジェクトが始まる! 絶滅したオオカミを外国から移入し健全な生態系を取り戻す試験放獣プロジェクトが始まった。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

新緑まぶしい春。小学五年生の和也は県内の小さな町から憧れの仙台市に引っ越してきた。

“幻の名峰”として人気の新羅山。その日も登山客で賑わうなか突如、群発地震が襲う。

人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。

南アルプス北岳に至る三つの林道で崩落事故が発生、一帯は陸の孤島になった。

南アルプス山岳救助隊の新人隊員・星野夏実は、相棒の救助犬、ボーダーコリー=メイとともに、北岳にある現地警備派出所に着任した。

東京・杉並区で起こった連続愛犬殺害事件。殺された犬はすべてシェパード。

宝亀五(西暦七七四)年、陸奥国の北辺には不穏な火種がくすぶっていた。陸奥を支配せんと着々と迫り来る大和朝廷。

東京から南へ二百二十キロ。太平洋に浮かぶ厳倉島は、イルカの棲む島として知られている。

交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。

ハリーは冴えない中年作家。

殺人事件を起こした崎津直也が刑期を終えて出所した直後に神戸で殺された。

刑事に王道なし。

天才的頭脳と、絶望的な孤独。授けられたのは、それだけだった。

藤原氏が設立した施薬院の仕事に、嫌気が差していた若き官人・蜂田名代だったが、高熱が続いた後、突如熱が下がる不思議な病が次々と発生。

橋岡恒彦は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とは電話詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。

大地震発生直後、いわき市に打ち上げられた無数の車。