【中井英夫】
悪夢の骨牌
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昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。
日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。
黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。
異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。
昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。
現役の作家のなかにも熱狂的なファンの少なくない、鬼才、久生十蘭の精粋を、おもに戦後に発表された短篇から厳選。
インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。
降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い
LeRomand’unTricheur. ――その邦題「とらんぷ譚」に魅せられたことばの錬金術師中井英夫が、十年を費やした連作「幻想博物館」「悪夢の骨牌」(泉鏡花賞受賞)「人外境通信」「真珠母の匣」を一冊に集成した。
戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。
私の中に巣喰う狂気が、さまざまな夢を見させる―さらなる広がりと魅力を増した皆川博子の恐怖世界。
推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。
異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。
作家M・Mが常連の喫茶店の密やかな性戯を描いた「影を買う店」他、皆川博子、最大の「偏愛幻想/奇想」小説集、ついに刊行!
昨年末、「虚無への供物」の物語が始まる12月10日に急逝した中井英夫の未刊行作品集成。
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。
“人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物”三島由紀夫への痛恨の鎮魂曲、江戸川乱歩ら異端と幻想の作家への限りないオマージュ、『黒鳥の旅もしくは幻想庭園』『ケンタウロスの嘆き』『地下を旅して』三冊のエッセイ集を初の文庫化。
ここに扱われている薔薇は、おおむね狂気と死との彩りであって、その香りは苦く、色彩はむしろ幻覚に近い。
葛原妙子、塚本邦雄、中城ふみ子、寺山修司、春日井建、浜田到…戦後短歌のきらめく星座は『眠るひとへの哀歌』の詩人・中井英夫によって不滅の輝きを放つことになった。
日本陸軍参謀本部で孤独に綴られていた稀有の戦中日記『彼方より』と、待望していた敗戦の日に立ち会うことなくいきなり戦後に放りだされ、小説とひとの愛をひたすらに求め続けた苦い彷徨の記録『黒鳥館戦後日記』『続・黒鳥館戦後日記』、全三冊を収録。
黒ビロードのカーテンは、ゆるやかに波をうって、少しずつ左右へ開きはじめた。―十二月十日に開幕する中井文学。
折口信夫、乱歩も絶賛した「かむなぎうた」、ほの暗く、ほの明るい幻想怪奇「東天紅」、民俗的ミステリ風味「吉備津の釜」、得意の台湾物「消えた家」、呪いの家「ひこばえ」、泉鏡花賞「泥汽車」、ハイカラ右京番外篇「明治吸血鬼」…澁澤龍彦も種村季弘も賛美した異端のダン
1974年にヨーロッパへ取材した薔薇と香りの虚用書『薔薇幻視』『香りへの旅』を一巻に収録。
本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加
酷薄の観察「彼を殺したが…」、亡命ロシア人の暗殺計画「犂氏の友情」、山田風太郎を唸らせた「勝負」、ドキュメント「プランス事件」、実際の犯罪か「悪の花束」、勇敢なる二等航海士「海と人間の戦い」、白瀬矗追悼?「南極記」、S19年によくぞ発表「爆風」、熱いものが
影だけが妖しく壁を伝い、眠りだけがすべてを宰領する月蝕領映画館。
薔薇、香水、宝石、シャンソン、百科事典、コンピューター…ハネギウス一世の偏愛する美の世界に、1983年、田中貞夫と寺山修司、かけがえのない二人の死がもたらされた…。
この世ならぬ美への憧れ、だがこの地上にその希いを適える術はあらかじめ失われているのだ…。
殺害現場から消えた一枚のメイプルリーフ金貨が臨床犯罪学者・火村英生を真相に導く。
書簡体形式を用いた独自の文体で読者を幻惑させる、唯一無二の怪奇探偵小説の名手・夢野久作。
本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加
長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。
『日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか』――昭和九年の大晦日、銀座のバーで交わされる奇妙な噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。
一風変わった家がある。戸口が見当たらず、あるのは格子の嵌った窓ばかりで無用の者の侵入を嫌っている。
本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加
イギリスの田舎町。病弱なマシューは、優しく利発な姉に守られ、幸せな少年時代を過ごした。
怪奇探偵小説作家の中で最も比類のない魅力に富んだ作家のデビュー作「完全犯罪」を始めとして代表的短篇を収録した一冊。
乱歩、澁澤龍彦も絶讃した、本邦三大ミステリのひとつ『黒死館殺人事件』の小栗虫太郎、もう一方の代表作。
瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。
能登半島の岬で記憶喪失の男が発見された。一方、東京新宿では爆弾テロ事件が発生。
遠い十二月の夜、失われた金貨は一羽の黒鳥によって鮮かに呑みこまれた…。
一九七八年、『月蝕領宣言』を果たした中井英夫。しかし自らの分身とまで呼んだBの発病がAを襲う。
横溝正史編集長の下で『新青年』の編集に携わり、創作・翻訳に精力を傾ける中、わずか27才で逝去した天才作家・渡辺温の傑作を集成。
他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。