無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても生き返るという極悪人の噂を聞く。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

数えるから、足りなくなる。それは、はかなくも美しい、もうしとつの「皿屋敷」。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

上方には上方の仕掛けあり。「これで終いの金比羅さんやで」巷説シリーズ、新機軸の第五弾。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

幽晦との境界が、破れている。内部の薄明が昏黒に洩れている。

江戸時代に聞き集めた、怪しい話、奇妙な話。

「推理はしないんです。彼は」。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。

一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。

「死にたいん―です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の大真面目で可笑しくて少しだけせつない日常。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

僕は、まあやる気のない、モテない、冴えない子供だ。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

虚実は綯い交ぜになって物語になる。視界が歪み、記憶が混濁し、暗闇が臭いたち、眩暈をよぶ。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

人の住まぬ荒地には、夜どこからともなく現れた女のけたたましい笑い声が響き渡るという。

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。

いまや誰もが知っている“妖怪”。

痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。

近未来。牧野葉月は閉じた世界に生きていた。

舞台は明治30年代後半。

中禅寺洲齋、幽霊騒動に挑む。歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編小説! 時は江戸。

自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ――盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として巷間の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。

地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。

研究所で働く母と夏休みを過ごすため、村を訪れた妖怪好きの少年・淳史。

SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。