タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

昼はピエロに扮装して子供たちを喜ばせながら、夜は少年を次々に襲う青年実業家。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

ある時、夜中に高野は、半睡半覚で気がつくと腕が伸びていた。腕は壁を抜けて自宅の外まで達し、なにかを掴んだ「腕の魂」。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

携帯電話を媒介にした気軽な出会いや、合コンで知り合った男の子とのはじめてのデート。

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。

愛―、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。

〈あむんぜんの頭の中身を見てみよう〉と、アックンに云われたのは体育祭が終わってすぐのことだった。

あと一年で失明する女。就職活動を開始した男子大学生。

伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

おれは確かにろくでなしだが、親でも糞でも厭なもんは厭なんだ。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

どこか生きづらいと感じている賢女子の皆様。それは、根本的に生き方が間違っているからかもしれません。

自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。

「内臓を洗浄したい」と訴える女性が体験した壮絶な実話「都会の遭難」収録。

妻子を愛する42歳の平凡な会社員、本間は、出来心で始めた「出会い系」で「リカ」と名乗る女性と知り合う。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

おしまいにする前に読んでくれ。絶望の果てまで届く物語を。

濃霧の湖の中、兄妹が乗るボートに近づく水音と、湖面から這い上がろうとする手「霧嫌い」。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

史上初！ 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい！」という声が続出した話題作。

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

復讐代行屋・幸福企画。幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の男たち。

夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。

すべての女は男の携帯を見ている。男は…女の携帯を覗いてはいけない! 話題の芥川賞作家による、家庭内ストーキング小説。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。

ある雨の降る晩。突然、僕は佐々木千尋を思い出した。

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

由美子たち四人には、強烈な同級生がいた。正義だけで動く女・範子だ。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

全篇新作書き下ろし! ! 待望の復活第二弾! いざ、〈本〉を巡るワンダーランドへ―― 平山夢明、真藤順丈、三上 延、坂木 司、澤村伊智、大崎 梢、斜線堂有紀、柴田勝家…… 超ベテランから期待の新鋭まで、短編の名手15人が競演! お待たせいたしました。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

42歳の青山は、再婚相手を探すため「オーディション」を行う。

いつの時代も「家族」は、やさしく、あたたかく、いびつで、おそろしい。

激動する世界の中で、平和を謳歌する日本。しかし、戦争と暴力への想像力を失ったとき、致命的な危機が忍びよる…。