「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

二十五年前に姿を消した、百発百中の予言者「ヒミコのオッサン」。

Ｘ県山間の町。そこには虻狗隧道（あぶくずいどう）と呼ばれる謎の洞窟があり、〈モグラ〉と称される住民が住んでいた。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

カルト作家が暮らした海辺の街に集いし、業深き者たち。命の限り、踊れや、歌え。

ホラー&ミステリ界アンダーグラウンドの帝王が、6年ぶりに復活! 戦時下の帝都。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

圧倒的な密度と熱量。

あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

蒼白い霧に峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

「J・Mを殺したのは誰か?」。私が読んだ患者の原稿は、その一文で結ばれていた。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

伝説の『殺人鬼』、ふたたび。双葉山の惨劇から三年、最初にそれと遭遇したのは休暇中の一家。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して―。

その物語は、人を殺す――。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

奥多摩山中で両耳と鼻を削ぎ落とされた男性が発見された。 青梅西署の刑事・荻大二郎は事件を追う。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。

郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。

元寇の時代、すべてを操る美しき巫女がいた。傑作ダークファンタジー。

昼はピエロに扮装して子供たちを喜ばせながら、夜は少年を次々に襲う青年実業家。

街いちばんの名探偵の元には、奇妙な依頼人ばかりがやって来る。

著名なミステリー作家、成宮彰一郎の妻、瑠美子が行方不明となった。

1958年の夏。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

兄の急死に不審を抱いた医学生・翔二は、元予備校講師・占部の協力を得て事件の真相を追う。

土地の記憶を読み取る霊能力者・火明継比古により、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルに残された太古の記憶が解き放たれる表題作ほか、道に迷い母親が自殺した別荘に辿り着いてしまった男の恐怖を描いた「母の死んだ家」や、盛岡の裏長屋を舞台にした幽霊譚「玄関の人」など

弁護士のクリスは、森でハンティングの途中、小川に浸かる上半身裸の女を見つけた。女は大怪我を負い、ひどく汚れていた。

愛―、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

森の狭間に建つ白亜の洋館。 美しく謎 めいた兄弟・実矢(みや)と麻堵(まど)の周囲で相次ぐ奇怪な「死」。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。

元公安捜査官でシングルマザーの律子は、出かけたまま帰ってこない息子を担任教師の美晴と探しに行くが、そこで発見したのは、韓国の要人が襲撃された痕跡だった。

コペンハーゲン警察の特捜部Qは未解決事件を専門とする部署だ。ある日ここに一本の電話が入った。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

犯罪という名の、人生の好機　　　　　　　大金入りのバッグの忘れ物を預かった男。暴力団への借金に苦しむ刑事。

復讐代行屋・幸福企画。幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の男たち。

黒鷲―不良債務者を地の果てまでも追いつめる凄腕ぶりから、誰もが黒木をそう呼んだ。