昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。

最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。

恋人の命を奪ったK2。男は過去に立ち向かうため、この山へ還ってきた。

切れるはずのないザイルは、なぜ切れたのか？　恋愛と男の友情を、緊密な構成でドラマティックに展開させた井上靖の傑作長篇。

世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。

エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。

“光の山”が人生を奇跡に変えた!決死の生還を果たした男を待っていた思いもかけぬ殺人容疑―NZ随一の名峰アスパイアリングに鎮魂と再生への祈りが谺する。

元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。

100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。

ニュージャーナリズムの旗手が、バーボングラスを傾けながら贈るスポーツ、贅沢、賭け事、映画などについての珠玉のエッセイ15編。

アイガー北壁で氷漬けのナチ軍人の死体が発見された。謎の遺体に関心を抱いたBBC局員が意外な事実を探り出す。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

風間健介は急逝した父の遺志を継ぎ、広告カメラマンから山岳写真家へと転身した。

フォトジャーナリズムの世界でもっとも有名かつ最高峰といわれる「崩れ落ちる兵士」。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。

85年、御巣鷹山の日航機事故で運命を翻弄された地元新聞記者たちの悲喜こもごも。上司と部下、親子など人間関係を鋭く描く。

ここで逃げたら、 死ぬまで人生から逃げ続けることになる―― ハンデを背負った三人の若者と、 未来を手放した伝説の登山家。

銃撃事件に遭遇した麻生刑事は、毎夜の悪夢に苦しめられていた。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

日本人の「義」とは何か。 小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

物語は、明和八年(一七七一)に始まる。平賀源内がゑれきてるを世に送り出す五年前のことである。

宦官・高力士が、死の直前に安倍仲麻呂へ遺した手紙には、楊貴妃の出自にまつわる、さらなる驚愕の事実が記されていた。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

悪党・八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。

激動の時代を証した女たち―鎖国から開国へ流れる歴史のただ中で、時代の障壁と運命の隘路に窮しつつ、人生を選択した女たちを描く大長編。

博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

ふたつの都市国家“ベジェル”と“ウル・コーマ”は、欧州において地理的にほぼ同じ位置を占めるモザイク状に組み合わさった特殊な領土を有していた。

警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所所長へ。取り調べ中に容疑者が服毒自殺したことで左遷された警部補、江波淳史。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

オウムガイは､螺旋は、 「神」に似ているのです…。 巨匠が、“物語”を物語ることで挑む、 壮大なＳＦ宇宙論。

「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。

長嶺亨は脱サラをして父親の山小屋を継いだ。

高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は、義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒されその虜になる。

死霊、生霊、鬼などが人々の身近で跋扈した平安時代、妖しのものを相手に陰陽師安倍清明が親友の源博雅と挑むこの世ならぬ難事件

日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。

映画化もされた第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の多田と行天が帰ってきた!相変わらず、汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も引き受ける多田便利軒。

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

ロサンゼルスからハワイに向かう747ジャンボ旅客機が無線で驚くべき通告を受けた。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

ここは女たちの地上の楽園?! シングルだけど、〝一人〟じゃない。

丑の刻、貴船神社に夜毎現われる白装束の女が鬼となって、自分を捨てた男を取り殺そうとする。

殺人事件の時効成立目前。

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

十二年前の月の夜、源博雅に芍薬の枝を差しだし去って行った謎の姫…安倍晴明は人の心にすまう鬼をいかにおさめるのか。

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。

家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になった―男と犬。