わが職業は死
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
わが職業は死の評価:
7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
わが職業は死の総合評価:
8.50/10点 レビュー 6件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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人物描写はうならされる。アダム・ダルグリッシュやケイト・ミスキン警部(まだこの作品では未来に出てくる人だが)とかの過去のトラウマ・来歴に関わる人格・仕事についての姿勢とか、あるいはイギリス社会を皮肉を交えて書く渋いユーモア、そして人間が生きていく上で展開する悪と滑稽さを醜くなく節度を以て、でも容赦なく抉り出す気品とかで、どの作品も安定の水準を保っているのである。
この、個別の人間の悪だったりくだらなさだったりを徹底して暴き出すのに嫌気が差さないで、むしろ品格を以て感じられるのは彼女の稀有の特質だと思う。
「合わない」「気に入らない」展開(「現在」「ナイチンゲールの屍衣」がそれでした)、重厚だけどいまいち空疎な内容(「殺人展示室」「黒い塔」がこれにあたる)とか、大好きな作家なのだけれども作品の中には今市ピンと来ないのもあるのだけれども、どの作品も「つまらない」「くだらない」と思ったことは一度もない。
という訳で「死の味」「人類の子供たち(これはSFですけど)」「正義」「灯台」は何度でも楽しく読み返せる、筆者個人の嗜好がジェイムズと合った傑作だった。
「わが職業は死」はどうかというと、まあ、まあまあという所か(ナニコノ上から目線)
被害者は殺されて当然の嫌な奴で、ドタマかち割られて死んでるシーンでは祝杯モノだったが、それにしてもこの周辺はこの人物が死んでも全然事態が解決しない、人生が好転するとは限らない陰鬱だがリアリズムの展開で、結末まで読んでも「事件というよりは重たいドラマが解決した」カタルシスと満足感はあったが、登場人物たちの人生はある人は警察を退職することになるし、ある人は人生の岐路に立たされるし(犯人のことではない)またその人は遺言の不公平さから人生がもともと制限されたものになったりしていたので、後味はあんまり良くなかった(しかし「原罪」ほどひどくないし「殺人展示室」ほど浪費された人生がありました感ではないが)
当作を読んで、改めて思った。
彼女の最大のヒロイン、コーデリア・グレイが「女には向かない職業」「皮膚の下の頭蓋骨」以外に「黒い塔」「死の味」などでちらほらとその姿を(直接ではないが)見せるように、以後、発表された作品の中で、過去の作品の犯人や人物たちがどうなったか、偶然の範囲でも一行でもその後を書いてくれたらより奥行、深みが増しただろうに、と思わずにはいられなかった。
ラストは緊迫感を持ったワンシーンを切り取って終わる。この幕切れも良い。
という訳で、いまいち波長があった作品とは言えなかったなあ、という個人の感想でしたが、ジェイムズの常で作品の出来、内容、品性に失望したことは一度もないので、その意味では十分に読み応えのある良作でした。
そう…筆者はジェイムズをミステリというより、ミステリの衣をかぶった普通小説として読んでいる。
ジェイムズを通してみた世界という作品世界の中に入るため、彼女を読んでいるのかもしれない。
文学のように。なので多少の出来不出来は…