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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数336件
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タイトル(原題:Collector)からして、アートミステリーかと思いきや、スパイ小説のようなストーリー。アートの部分やクラシック音楽を取り上げたところにはホッとするも、正直期待はずれ。フェルメール「合奏」も結局行方不明のまま。でもロシア×ウクライナ情勢がメインになっているのはリアリティあり。登場人物には肩入れできなかったが、イングリットは魅力的だった、かな?
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記憶に新しい安倍晋三元首相銃撃事件がモデル。実在の個人名や団体名が出てきて、事件の経緯も実際に合わせているところもあるが、作品自体はフィクション。真相に近いと思われるところはあるけれども。終盤は全くのフィクション(だろうけど)で、却って安心した。これが全てフィクションだったらよかったのにという読後感。
当事件は、首相と宗教団体との癒着を明らかにすべく、容疑者がその風穴を開けるべく事件を起こした、そして政府が慌てだした、という点ではざまあみろ感さえ覚えたが(もちろんこんな事件など起こしてはならないが)、現実のところ、政府は国民のために、というのは建前で自分たちのことしか考えていないことが改めて明らかになったと感じた事案だった。 |
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乱歩賞史上最軽!?(乱歩賞にこういった作品も悪くない)も、ドーピング疑惑を巡る主人公・新人週刊誌記者のどこかヌケてる行動が笑いを誘い、全編面白く読めた。確かにご都合主義的な箇所はいくつかあるが、許される範囲だし、選考委員も言ってるように今後が大いに期待できる受賞作であることは間違いない。
余談ながら…。単行本では毎回、選考委員による選評が読めるのだが、必ずしも受賞作が称賛されているわけでないところがいい。(今回も1名が面白さがわからないとおっしゃってた…)そんな選評を読むのが楽しみで、毎年必ず単行本で読んでます。 |
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P.ルメートルのデビュー作、カミーユ・ヴェルーヴェンシリーズの1作目であり、「その女アレックス」より遡る作品であるが、「その女〜」より後でも違和感なく読める。
現実に出版されているミステリ小説の犯罪をそのまま実行するという設定がいいし、デビュー作にしてこの展開はまさに脱帽!引用されている現実に出版されている小説は、かなり古めの作品のようだが、できればそちらも読んでみたい。 そして「傷だらけのカミーユ」も大いに期待できる。 |
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アートミステリとしては、感動を与えてくれる原田マハ作品に対し、スリリングなコンゲームを味わうなら望月諒子作品、というイメージ。フェルメール絵画が題材になっいるが、その存在自体が謎の多いものであり、アートミステリにもってこいなテーマなのだろう。
新潮文庫版はフェルメール作品の口絵が豊富についており、とても親切(^o^) |
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上賀茂神社近くに移転した鴨川食堂、懐かしい地名が随所に出てきて、はからずも東本願寺と上賀茂神社周辺には縁がある自分にとっても惹き込まれるエピソードばかり。特に「牡蠣フライ」は自分の過去を思い出させ、優しい気分になる一編でした。
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乱歩と横溝を中心にノンフィクションとフィクションを織り交ぜ、二人の作品の特徴を活かしたようなミステリ作品。2人が現実に起きたかのような事件に巻き込まれるスリリングなストーリー。本作のトリックはまさに両者の作品を足して2で割ったような、1冊で2度美味しい趣向か凝らされたようなものになったような気がした。また、終章は2人の半生と作品の歴史を復習するような内容にもなっており、最後まで楽しめた。
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いわゆるオカルトではなく、考えていたものとは違った新たな100通りの「幽霊」の概念をこれでもかと提供してくれる。生物のみならずものに宿る魂も。人が営んできた様々な行い。まさにいろいろところから生みだされた「幽霊」を100通り見せられた後に、これまで描いていた幽霊観に新たなものが加わったような気がする。新たな百物語の誕生か。
ただし、オカルト的でない分、日本的な、あるいは怪談的な物語を期待する方には不向きか。幽霊というより、原題どおりゴーストと言った方がその意味に広がりを感じられるかも。 |
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クラシックには目もくれず、日本馬初の凱旋門賞制覇を夢見る関係者たち。父馬がもう少しのところで届かなかった夢をその仔に託すが、なにせクセの強い仔で……
今年の凱旋門賞が楽しみになる作品でもあり、生産者や馬主をはじめとする関係者の当レースとカムナビにかける想いがしっかり伝わってきた。現実にクラシックより凱旋門賞、という関係者がいるかどうかはともかく、馬を、競馬を愛する者たちの想いを著者はしっかり伝えてくれる。 今年の凱旋門賞は出走馬の血統にも注目!? |
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著者のデビュー作にして、みごとな野球小説とミステリの融合。本作が著者の野球ミステリの原点、さすが元記者だけあり、野球をここまで掘り下げた作品はそうはお目にかかれないだろう。野球小説かと思えばあらぬ方向へ物語が進み、殺伐とした場面が現れ、かと思えば野球の真髄ともいえるセリフが登場、謎の「ジャスティン・キング」なるスター選手の正体を探る記者の動向などサスペンスフルなストーリー。
これが著者の野球小説の原点か、と唸らされた。 |
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音楽業界のお仕事小説ともいえる、これまた著者の新境地。新人バンドの売り込みに駆け回る主人公。かつては人気を誇ったアーティストの人気を再び呼び戻す仕事と並行して情熱を燃やすのは頭が下がる思い。音楽に興味深い者にとっても感慨深い作品だろう。全体を通して残る謎がわかると、感動せずにはいられなくなるかも。
でも、音楽に興味があってもそれを仕事にしたいとは思わなかったのも事実。 |
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予想を覆される究極のサスペンス。前半は背筋が寒くなるほど残虐な描写が続き(カミーユのキャラがそれを和らげてくれるが)、後半の取調べシーンはもう目を離すことができないほど物語に没頭してしまった。数々の賞を獲っただけのことはある。このシリーズはコンプリートしてみたくなること必至。
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史実とフィクションを織り交ぜたアートミステリーは著者の得意とするところだが、ゴッホは自殺したことが定説とされている中、他殺説が出てくるところなど、これも真実?と思わせるようなストーリーであった。謎に満ちたゴッホの生涯は著者はもちろん、読者も惹かれていくほど、多くの作品に取り上げられるほど魅力的なものなのだろう。
改めてゴッホ(ゴーギャンも)の作品をじっくり鑑賞することとしよう。 |
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未完に終わった乱歩の「悪霊」を、芦辺氏が巧みに書き繋いで、みごとな作品に再生。ただ書き繋ぐだけでなく、未完に終わった理由にまで言及しているところが素晴らしい。未完に終わった理由にまで言及しているが、乱歩はあまりにもトリックを大掛かりに展開しようとして行き詰まりを感じたのか、未完に至るまでの部分を読んで、この先どうなる?と期待を抱かせる内容になっていたのに残念至極だった。でも、書き繋がれた内容は読み手側でも納得だし、この辺が妥当な線かもしれない。芦辺氏版悪霊の完結に素直に賛辞。
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南部鉄器の工房に補導委託で送られてきた少年と工房を営む親子と職人たち。彼らを通じて感じたのは親子、家族のあり方。工房の親子もそうだし、少年の両親とも、親子とは?家族とは?を著者はうまく感動的に描いてくれました。
これまで重厚なミステリを読ませてくれてきた著者だが、異なる形で胸に残る感動作を与えてくれた。その力量には恐れ入ります。今後もこのような感動への期待度がまたアップしました。 |
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三島由紀夫「豊饒の海」4部作を読んだ者は本作も読むべし!
戦闘機パイロットとして一生を捧げた、三島作品に出てくる人物と同じ名を持つ主人公。彼の性格的には感情移入はしにくいが、一貫して戦闘機に入れ込んだ彼の一生と、彼を取り巻く様々な変人(?)たち。 専門用語などはよくわからなかったが、そんなことはお構いなく没頭して読めたことに筆者の三島に対する思いをズシリと感じる。 |
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帯にある心臓の弱い方はご注意を...は決して大げさではない、まさに長江流どんでん返しの応酬!
どれも結末は予想外だが、特に「イップスの殺し屋」が最も好み。 単なるどんでん返しならよくあるストーリーだが、長江流はそこに一味も二味も付け加えてホラー色も濃くなっている。 こういった短編だと、読みやすくストーリーが入ってきやすい。 今後の期待をさらに大きくする作品。 |
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プロ野球コーチの苦悩や裏方の目立たないけど大事な働きが詳細に語られていくのは、著者ならでは。
監督やコーチ仲間、選手と必ずしもソリが合わないのに優勝できるのか?殺人事件に巻き込まれているのに試合に集中できるのか?などツッコミどころは多いが、野球ファンなら充分楽しめる作品であった。二見コーチの苦悩や監督・他のコーチ・選手との軋轢だけでも一つの作品になりうるが、そこに殺人事件を絡めて、やはり本城氏の野球小説は面白い。 ところで、タイトル「二律背反」は何とも堅苦しい。文庫化される時に改題となるか? |
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著者の作品は初読み。アートミステリーとして読むと、個人的には原田マハ作品の方が好み。強奪計画の場面は迫力あるし、絵画を巡ってあらゆる人物の描かれ方が実に巧み。ただ終盤は登場人物や場面がころころ変わって、ややこしかった。
それでも、個性豊かな作品を多く出されているし、アートミステリーであれば他の作品も読んでみて原田作品と違った面白さを発見したい。 |
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正直なところ、著者の作品にエロティックなノワールは似合わないと思う。特に前半の4作ほどはそんなシーンはなくても…と思わせられたし、明るめのアートミステリーがしっくりくるのではないか。まぁ、ある意味こういう作品群もたまにはありかな、とも思わせる。
でも、後半3作「キアーラ」「オフィーリア」「向日葵奇譚」はそんな気持ちを取り払うような快作であった。(ややエロな部分はあったけど) 「キアーラ」のような修復師を取り上げた長編を読んでみたいし、「オフィーリア」のようなとある名作を下敷きにした作品は面白いのでまた創作してほしいし、「向日葵奇譚」のような作品も、長編で読んでみたい。 |
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