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たこやき さんのレビュー一覧
たこやきさんのページへレビュー数159件
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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思い込みからくる勘違い、と言う人間の心理的な部分を巧みに描いた作品でした。
親子や兄弟の確執についても上手いなあと感じます。 ただカラスの親指ほどの爽やかさはなく、真犯人も少し無理があったような気がします。 また姫川の殺意も全然共感できないと言うか唐突過ぎて、ひねってひねって強引にラストまでもっていったような印象が残りました。 |
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何というか、すごいお話でした。
大統領はブッシュをイメージして書かれたのかと思いますが、相当極悪人の扱いでしたね。 9・11につていはスルーでしたが、それ以外の部分については現実との違いをあまり感じることがありませんでした。 多くの文献や取材をされたのだと思いますが、いつの時代になっても戦争がなくならない事実は作者が描いている通りなのではないかと思いました。 3つの国で同時に進行していく緊迫感のある話で、理系にはうとい私は専門用語がわかりづらいところもありましたが、知性や技術が人類を滅ぼすのでなく人格の問題だとヘイズマンが語る言葉に、まさにそれにつきるのではと思いました。 |
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シリーズ物になるとのことですが、同じサーファーを描いた『フランキー・・・』とつい比較してしまいました。
こちらは現役バリバリで、サーフィンは人生そのもの、信頼しあえる仲間もいてそれさえあれば何もいらないとばかりの貧乏暮らしで、時々探偵稼業を引き受ける毎日ですが、実のところは結構根暗と言うか、元警察官時代の傷をいつまでもジメジメと背負っていて、潔さが感じられません。 欲がなく自由である生き方はある意味大人の憧れのような気もしますが、ちょっと共感しづらいものがありました。 ブーンは30代前半なのでこれから円熟味を増していくのかもしれませんが、昔の事件のこともすっきりしないまま物語が終ってしまい、ちょっと中途半端な気がしました。 これからのシリーズで変っていくのかもしれませんが、もっと若い設定なら成長物語としてもう少し楽しめたかもしれません。 1作目ということでサンディエゴの成り立ちや、仲間のそれぞれが持つ葛藤など説明の部分がけっこう多く、長い物語の導入部と言った物語なのかと思います。 ただ一人、サニー・デイはめちゃくちゃかっこよかったです。 |
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主人公のティムは強盗の罪で服役中。その刑務所の中で暴走族?のボスのような存在に脅され、正当防衛?で殺してしまうのですが、このままでは刑務所内でのリンチは避けられない上に泥棒で何度か服役している彼に終身刑もしくは死刑の判決・・・と脅されて今度は麻薬取締官に協力せざるをえない状況になってしまい、伝説の男『ボビーZ』になりすますはめになります。
これが不運の始まりなのですが、出てくる人出てくる人みんなろくでなしの悪人で、麻薬王、ティムに仲間を殺された暴走族、途中で亡くなってしまった麻薬取締官の身内のギャング、残っている取締官と全ての人間に命を狙われる羽目になってしまいます。 内容的にはB級バイオレンス映画さながらなのですが、この作者のセンスの良さなのか、同じくろくでなしでありながら憎めないお人よしであるティムの人柄なのか、色々とユーモアがちりばめられているようで何故かあまり暗い雰囲気がなく読みすすめられます。 暴力的な話はどちらかと言うとあまり好きな方ではないのですが、楽しく読ませる作者の筆力を感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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すっごく良かったです!一遍の映画を見てるようで、大人の物語だなあと。
老境にさしかかっているフランクはサンディエゴで釣り餌屋をやりながら、恋人との時間、週1回の娘とのランチデートや友人との波乗り、規則正しい日常の生活を愛し人生を楽しんでいたのですが、ある冬の夜家に帰ると一台の車が止まっており、それから命を狙われるはめになるのです。 もう何年もまっとうな生活をしていたものの、実はマフィアの1人であり伝説の殺し屋でもあったのですが、狙われる理由がわからないフランク。何が原因なのか理由をさぐるため過去を思い出すエピソードが、そのままフランクの青春の回想物語でもあるような気がしました。 決して褒められるような事をしてきたわけではないのですが、常にどこかファミリーからは一歩引いたところから眺め、決して仲間を裏切らず、自分に課した規律を守り生きてきたフランクがやっと見つけた平穏な日々を壊され追い詰められていく中で、かつて自分が追い詰めた人間のエピソードがあったりと、その対比も秀逸です。 エピソードに挿入される実際にあった出来事や映画の話など非常にリアルで、フィクションでありながら政治家や警察官などの汚職やそれまつわる世界観も全く違和感がなく、病んだアメリカ(日本もあまり違わないかもしれませんが)の現実が見えてきます。 それにしても渋くてカッコいいフランク。サーフィン仲間であるデイブも素敵です。 雨のサンディエゴと言うだけでも絵になりそうですが、最後もすごくよかったです。映画にしてほしい! 唯一の難点は登場人物が多く、名前が複雑で覚えるのがちょっと大変だったかもしれません。 |
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読んでいて、これはないだろう!とか、こんなのあり??と思うところは多々あるものの、先が気になり読む手が止まりませんでした。
ケルンでの事件がもとでベルリン行きを余儀なくされたラート警部。しかも殺人課ではなく風紀課の配属で本人は全然納得がいかずくすぶっていたところに殺人事件が発生します。偶然から被害者を知っていたラート警部は、被害者の身元を突き止められない殺人課の刑事達を横目になんとか花形部署へ行きたいゆえに勝手に単独捜査をはじめます。 ナチス台頭直前の1929年と言うあまりなじみのない時代ですが、あの頃の混沌としたヨーロッパの雰囲気が非常によくわかります。 同じ警察官の中でも考え方はそれぞれ違い、警察のありようも時代を考えると非常にリアルな感じがしました。 ミステリーの結末としてはしっくりこないところもあるのですが、きっとあの時代ならばこんな風にしか解決できなかっただろうと思います。 警部でありながら結構若い?ラートですが、かなり自意識が強い上に勝手な行動で墓穴を掘るようなタイプですが、彼なりの正義感は好感がもてます。 ナチスが完全に政権をとるまでこのシリーズが続くそうですが、何故民族至上主義に走っていったのか、そう言った歴史的な側面も含めて続きが非常に楽しみです。 |
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殺し屋のマイケルが恋人の妊娠を機に組織を抜けようとするが、余命わずかのボスには許可をもらっているもののボスの実の息子や組織の人間はそれを認めず、抜けるなら恋人共々殺すと脅されてつけ狙われるところから始まるのですが、物語の構成なんかは抜群で、最後まで真相もわからず複雑に絡んだ糸が最後にはやっとほぐれるのですが、それよりも暴力のえげつなさと、兄弟やそれ以外の人間も含めた子ども時代の悲惨さが酷すぎてかなり辟易します。
解決の方法もひたすら暴力のみ・・・という感じで、サスペンスとしては優れているのかもしれませんが、壊れた家庭?家族?を描くにもあまりにも酷すぎる気がします。 エンターテイメントとしてアクション映画には向くかもしれませんが、読後感は非常に悪かったです。 |
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事件は解決したものの、まともな国交もない国に取り残されたニールがどうなったのか気になり、続けて3作目を読みました。さすがにどんな環境にもなじんでしまう彼ですが、3年か・・・そしてやはり解決の道はお金しかないのかと思いましが、いったいどれくらいだのか私も聞いてみたいです。
唐突に迎えにきたグレアムとともに帰国し、自由を満喫する間もなく仕事にかりだされます。 監護権がからむ子どもを取り戻すだけのはずだったのが、その裏には狂信的な人種差別主義者たちの結社があって、非常に困難な状況になっていきます。 今回の舞台はまさに西部劇。グレアム、エドに加えてミルズ一家という心強く温かい家族や一人の女性との出会いがあり、それぞれの人間が個々の思いをかかえながら、結社と対決することになります。 これまでと違いアクション満載で、まさに西部劇での決闘のように物語が進んでいくのですが、またひとつ大人の階段を上っていくニールの成長物語でもあるのではないかと思います。 それにしても、差別主義者というのはどの国にもいるとは思うのですが、銃器の氾濫するアメリカでは本当にこんなことが起こってもおかしくないだろうとさえ思えてしまいます。 |
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探偵ニールのシリーズの2作目。
中国人の美しい女性に心を奪われ、会社の契約を放棄して戻ってこない化学者を連れ戻す依頼を受けて、イギリスでの隠遁生活から呼び戻されたニールですが、簡単にすむはずだった仕事なのにその女性に心を奪われてしまい、よせばいいのに香港まで追いかけてしってしまうのですが、その裏には2つの大国がからむ複雑な事情があって、どんどん深みにはまっていってしまいます。 それにしても文革直後の中国へ・・・と言うのがちょっと現実離れしているのですが、繊細でナイーブ、だけど思い込んだら納得できるまで突き進まなければ止まることができないニールの青臭さが上手く話と噛み合っていて面白いです。 あの当時の香港や中国は、そこにいた人間にしかわからない悲劇だと思いますが、そこはすごくよく調べられているので、フィクションでありながら結構リアリティを感じました。 いわゆるタフで渋い定番のような探偵とは全く違い、技術はあるものの暴力にはとんと縁がなく、銃もまともに扱えないようなニールですが、ストリートキッズ出身ゆえか、極端な環境の変化にもたくましくなじんでいってしまうところが若者らしくていいですね。 やっかいな仕事を押し付け、いつも憎まれ口をたたきながらも、グレアムもエドもニールをすごく大切に思っているのだなと改めて感じました。 |
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アメリカの探偵小説でありながらハードボイルドではなく、またドンパチもあまり出てこない物語で落ち着いて読めました。
主人公のニールは、保守的な銀行家が私的に持っている調査機関の調査員であり、顧客の依頼に応じて上からの指示で動くのですが、本人は元ストリートキッズでありかなり過酷な生い立ちのもとで成長するのですが、その過程で義手の探偵に拾われることで今の立場となります。 薬漬けになり荒れた生活の果てに家出してしまった、上院議員の娘を探し出して連れ戻すと言う依頼がきて、目撃情報をもとにイギリスへ飛ぶのですが、娘の家出の真相には複雑な問題がからむ上、薬から離れることができないということもあって難航します。 それにしても、政治家の汚さと言う点においてはなかなかリアリティがあると思いました。 探偵小説というよりも若いニールの成長物語と言ってもいいのではないかと思います。 謎解きのようなミステリーではありませんが、読み応えがあり青春小説として読んでも面白いのではないかと思います。 |
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ミステリーでも謎解きでありませんが、一級の警察小説です。
フィクションでありながら、まるで実在の事件のドキュメンタリーを読んでいるような錯覚さえ感じました。 行き当たりばったりで何の計画もなくATMを襲撃し、その足でコンビニ強盗に入り、ちょっとした思いつきで空き巣に入った歯科医の家で一家4人を惨殺すると言う残忍な犯人2人。 捕まった後なんとか動機を明らかにしようとする警察だが、お金にも人にも全く執着を見せない2人に戸惑う合田をはじめとした警察官達。 何が2人をここまで過激な行動に走らせてしまったのか?をなんとか理解しようとする合田の揺らぐ気持ちには非常に共感しました。 他人への無関心や、想像力の欠如。まるで思い通りにならない子どもが暴れているのと変らないような無軌道な犯人の行動。 少しずつだが明らかにされる2人の子ども時代だが、読んでいて酷いと思うものの、果たしてそれほど特殊なものだろうか?と思ってしまう。 事件の前に少しだけ被害者家族の日常が娘の目を通して描かれているのだが、犯人のような極端なものではないものの、両親2人の目はともに自分のほうを向いているようで、規則正しい毎日の生活はあるものの、娘は醒めた目で2人を見ていて、正直家族としての濃い繋がりをあまり感じることができなかった。戸田の人生も挫折はしたものの、それほど違いはなかったのではないかとさえ思える。 携帯やネットなど対人関係を希薄にするようなツールばかりが出回り、人と向き合うことができない人達はちまたに山とあふれている現在。 東北の地震の後や沖縄の辛酸をニュースなどでみるにつけ、大方の人間はやはり他人ごとのように過ごしている毎日の中で、私達は知らないうちに2人のような人間を量産しているのではないかと感じてしまう。 家庭教育や、格差をより広げてしまうようなことをあからさまに押し進めようとする今の政治家達は本当の子ども達の現実を見る気があるのだろうかと思えてならない。 合田の目を通して、このままで良いのかと言う重い問いかけを向けられているのだと思います。 |
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前作と合わせて一つの物語となっていますが、事件そのものは別々になっていると言う巧みな構成になっています。
前作でいきなり狙撃され、同僚が重傷を負い、保安官に戻ってしまった事を心のどこかでは後悔しているようなコーク。それに引き続いて殺人事件が起こるのですが、被害者の身内はかつて妻であるジョーが付き合っていた男性であり、なおかつシカゴでは裏の権力にも通じる一家。 真相は前作でほぼ解明するのですが、理不尽な思い込みにより追われる立場になったコークが、重傷を負い逃げていった先で起こる、全く別の事件。 今回は動けないコークに代わって他の人たちが事件解決に動き回るのですが、オーロラの人達や家族があまり出てこないので、そう言った意味ではこのシリーズの良さが少しトーンダウンした感じがします。 最後になってオーロラでの事件も完結するのですが、あっけないと言うか、スケールの大きな話になったわりには、えらくすんなり終ってしまったのがちょっと物足りない感じがしました。 |
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前作『罪の段階』の続編です。前作でもすでに危うい雰囲気を出していたテリの夫リッチーが、殺されてしまい、動機が山のようにあるクリスが逮捕されてしまいます。前回のキャレリ裁判で判事をしていたキャロライン(今回は弁護士となっています)に弁護を頼みますが、次々と不利な証拠が出てくる上に証人にもならないことを頑なに貫きます。しかもそこに政治的な陰謀もからんでくるのですが、公判の場面は緊迫感があり、とても読み応えがありました。前作のような煮え切らなさがなく、キャロラインの弁護ぶりがすばらしく、自分がもし陪審員だったらどうするだろうと思いながら、ページをくる手を止められませんでした。
真相については途中でなんとなくわかったのですが、それにしても虐待の連鎖や、親子であることの因果というか、内容は重くて考えさせられました。あそこまで極端でないにしろテリの葛藤(親子としての)に共感できる女性は結構いるのではないでしょうか? 子どもにとっては親は選べないわけで、親としてのあり様を問われているようでもありました。 前作を読んでからこちらを読むことをお薦めします。 |
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リーガルサスペンスであり、なおかつ家族や親子をテーマにしている作品かと思いますが、主要などの登場人物にもあまり共感できません。出てくる家族がみな機能不全であり、出てくる女性達の葛藤などはなんとなくわかるものの、非常にストレスを感じました。
特に当事者でありメアリは、人としてありえないと思ってしまいました。 原書ではどうなのかわかりませんが、現在と過去を書き分ける部分が曖昧で、読み辛いのもマイナスです。 ただ法廷場面の緊迫感は非常によく伝わってきてわかりやすく、女性判事の公正さには爽快感がありました。でもそれゆえに結末はあっけなく微妙に納得がいきません。 裁判とは真相よりも利害が優先するものだと言うあたりは非常にリアルかもしれませんが、後味の悪い終わり方でした。 |
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今回は目に見えない電気が相手・・・物理的なことはさっぱりわからないのですが、ドアのノブに触れるだけで感電させるなんてことができるんだろうか?と思いながらも、グイグイ物語にのめりこみました。
さすがに物語の進め方が上手いし、魅力的な脇役もいて最後にはすっきり解決するところも非常に爽快なのですが、非常に映画的というかフィクション度合が強すぎると言うか、怪人二十面相を捕まえる明智小五郎のような感じで最初の頃よりもずっとリアリティがなくなってきたなと感じます。 カマロがなくなってどうするんだろうと思っていたら、コブラが出てきて納得。 最後は色んな意味で希望の持てる終わり方で、まだ続編が出るのであれば楽しみです。 |
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バーニイシリーズの現在の最新刊です。
相変わらずバーニイ・キャロリン・レイと言う3人の漫才は健在です。 今回は、自分が直接には全く関係のない事件だったのに、たまたまその近くを徘徊していた為に監視カメラに映ってしまい、いつものごとくレイに逮捕されてしまうと言うところから話はややこしくなっていきます。しかもえらく国際的な事件であり、事件のスケールも大きくなります。 警察物のように緻密な捜査の過程で、真実があばかれていく・・・と言うような話ではなく、偶然のオンパレードなのですが、それでもやっぱりユーモアたっぷりで会話が面白く、雑学知識も満載で本当に楽しめます。 あとがきにも書かれていた通り、作者はご高齢でそう簡単に次々と新作を出すこともままならないような感じですが、ぜひともバーニイの新しい物語を読みたいです。 |
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今回はニューヨークではなく、山奥のイギリス風ロッジでの出来事。日本でもよくあるような雪に閉ざされた一軒家で、誰もそこから出ることができなくなる中で連続殺人が起こる・・・と言う非常によくありがちな設定なのですが、やっぱり面白いです。泥棒であるバーニイの目的は有名なあのレイモンド・チャンドラーの献辞付きの初版本。もともとは恋人と行く予定だったのですが振られてしまい、親友のキャロリンと出かける事になるのですが、このレズのキャロリンとの会話がいつも本当に楽しくて、異性の親友って本当にいいもんだなと感じます。
探偵物はいまいち苦手なところもあるのですが、酔っ払ってしまって予定外の行動になったりとか、かなりすっとぼけたヒーローなのですが、トイレを我慢できなくなるあたりは最高に面白かったです。 訳者の方が非常に上手い表現をされているのだと思いますが、推理とかよりもパロディとか会話とかを存分に楽しめる作品なので、1作目から読まれることをお薦めします。 |
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邦訳の本としてはまだこれ一冊と言う本作。こちらのサイトでの高評価なレビューを見て手にとってみました。その高評価を裏切らない、非常に読み応えのある警察小説でした。
アウシュビッツを生き抜いたユダヤ人であり60年もアメリカの大統領顧問として活躍してきた著名人が頭を撃ち抜かれて殺される事件が起こり、司法解剖の結果被害者はナチだった事が判明するのですが、政治的な圧力がかかり捜査することを強引に止められてしまいます。 しかし第2、第3の殺人が続いて起こり、主役のオリヴァーはじめ殺人捜査課のメンバーが事の真相を追っていくのですが、捜査の過程や人物描写も素晴らしく、内容も深く重く読みかけると最後までやめることができませんでした。 ただ、シリーズの3作目だと言う事で、物語は独立していて面白いものの主役を含めた捜査陣の背景などが1作目からだともっと感情移入しやすかったかもしれません。 それにしても戦後の対応の違いをまざまざと見せ付けられた気がしました。同じ軍国主義に走り敗戦国となったにもかかわらず、ドイツと日本ではあまりにもその後が違いますね。 昨今の状況を見る限り、ただ臭いものに蓋をしてきただけの日本は、本当の意味で戦後の責任や反省をしてきたとは思えません。あんな時代にまた逆戻りするのではないかと、読み終わったときに思わず感じてしまいました。 登場人物も多く名前もなじみにくいので敬遠する方もいるでしょうが、ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思いました。 |
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元保安官コークのシリーズの4作目です。
前作の話の流れから、保安官に復活しているのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。 極寒の大晦日に1人の少女が失踪し、その数ヵ月後に遺体となって発見されることから始まる殺人事件。 今回は宗教色が強く、日本人には少しなじみにくい雰囲気となりましたが、アニシナーベ族が大いなる自然の中で感じる精霊などといわゆるカソリックの教えや信仰との対比は理解しやすく、それゆえに犯人が最初の方でわかってしまったので、ちょっとマイナスが多くなってしまいました。 |
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前作で少しだけ夫婦の信頼を取り戻したかに見えたコークとジョーですが、次の保安官にと周りから噂
されるようになって、過去の傷を心配する2人は再びギクシャクするようになります。 その家族の変化と同時に、アニシナーベ族がとても大切に思っている森や樹齢何百年の巨木を守ろうと する団体と、その樹を伐ろうとする製材所との対立が激しくなってくる中で、製材所で爆発事故が起こ ります。 保護団体の行き過ぎた抗議行動かと思われたのですが、そこで1人のアニシナーベ族の遺体が見つかり、 事件の発端となります。 それにしても毎回素晴らしいと思える雄大な自然の描写。 沈んでしまったら浮かんでこないほど冷たい水のスペリオル湖、自然に起きる山火事など日本ではあま り考えられないような厳しい自然の中で生きる人達のたくましさ、特にネイティブの人の生き様に感動 します。 横軸には現実に起こったスペリオル湖での沈没事故を題材にしていて読み応え抜群です。 欲にかられる人間の愚かさを、人にとって本当に大切なものは何かを、巧みに表現している作者は本当に素晴らしいです。 まだ続編があるようなので、非常に楽しみです。 |
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