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たこやき さんのレビュー一覧

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レビュー数3

全3件 1~3 1/1ページ

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No.3: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

フランキー・マシーンの冬の感想

すっごく良かったです!一遍の映画を見てるようで、大人の物語だなあと。
老境にさしかかっているフランクはサンディエゴで釣り餌屋をやりながら、恋人との時間、週1回の娘とのランチデートや友人との波乗り、規則正しい日常の生活を愛し人生を楽しんでいたのですが、ある冬の夜家に帰ると一台の車が止まっており、それから命を狙われるはめになるのです。

もう何年もまっとうな生活をしていたものの、実はマフィアの1人であり伝説の殺し屋でもあったのですが、狙われる理由がわからないフランク。何が原因なのか理由をさぐるため過去を思い出すエピソードが、そのままフランクの青春の回想物語でもあるような気がしました。

決して褒められるような事をしてきたわけではないのですが、常にどこかファミリーからは一歩引いたところから眺め、決して仲間を裏切らず、自分に課した規律を守り生きてきたフランクがやっと見つけた平穏な日々を壊され追い詰められていく中で、かつて自分が追い詰めた人間のエピソードがあったりと、その対比も秀逸です。

エピソードに挿入される実際にあった出来事や映画の話など非常にリアルで、フィクションでありながら政治家や警察官などの汚職やそれまつわる世界観も全く違和感がなく、病んだアメリカ(日本もあまり違わないかもしれませんが)の現実が見えてきます。

それにしても渋くてカッコいいフランク。サーフィン仲間であるデイブも素敵です。
雨のサンディエゴと言うだけでも絵になりそうですが、最後もすごくよかったです。映画にしてほしい!
唯一の難点は登場人物が多く、名前が複雑で覚えるのがちょっと大変だったかもしれません。
フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)
No.2: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

鎖の感想

文句なしに良かったです。
かなり前に『凍える牙』を読んだ時はちょっとファンタジー色が強くてなじめませんでしたが、半端ない長編を一気に読んでしまいました。
特別つっぱっている訳でもない等身大の音道さんがすごくいいですね。皇帝ペンギンの滝沢さんも。
監禁されてからの時間の経過がものすごく緊迫感があって、自分が被害者の立場になった時の心理描写が秀逸でした。

▼以下、ネタバレ感想
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鎖〈上〉 (新潮文庫)
乃南アサ についてのレビュー
No.1: 8人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

ワイルド・ソウルの感想

すばらしかったの一語につきます。
戦後、高度経済成長時代にまさに突入しようとする時代に、こんなひどい話があったことを初めて知りました。前半のジャングルでの描写は悲惨としか言いようが無いもので、国を信じて地球の反対側へ渡ってきた衛藤の無念さがひしひしと伝わってきます。
その約30年後の復讐劇。共に極限の中で生き延びた2人の子どものその後の人生は、かなり対称的なものですが、終わりはなかなか爽やかで最高の気分で読了できました。

それにしても、国の対応ってどうなの?と思ってしまいます。
現在の原発の問題にしても、それによってさんざん甘い汁を吸ってきた役人が山盛りいるはずだと思うのですが、それにまっとうな対応をしているとは思えませんね。
世の中のことに無関心でいることは、それはそれで一つの罪なのではないかと思ってしまいました。
そして、ブラジル人の国民性・・・・少し日本人もわけてもらうべきかも・・・・。
ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)
垣根涼介ワイルド・ソウル についてのレビュー