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egut さんのレビュー一覧

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レビュー数773

全773件 721~740 37/39ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.53: 8人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

演出家 深水黎一郎によるニーベルングの指輪

シリーズの2作目の『トスカの接吻』に書かれていましたが、
オペラの舞台は演出家の善し悪しで好みが決まる所があります。
その演出は定説通りの台本ではなく、解釈の多様性もありだと思われています。

本書はワーグナーのニーベルングの指輪を下敷きにしており、
北欧神話にでる「巫女の予言」を婆さんで表現した所から始まり、
藤枝和行をジークフリートと模した演出から乙女の存在、
最後の印象的な場面に至るまでオペラの内容を事細かく習って活用しています。

なので、これはもはや解釈の多様性を用いた
『現代版のニーベルングの指輪』を
著者は演出家として作り上げてしまったんだと感じました。

本書はミステリのジャンルでありながら、
ミステリの要素を表に出さずにオペラ歌手藤枝和行を視点とした
オペラの舞台裏の物語になります。

この"舞台裏"という所が自分が感じたこの本の主たる印象で、
よくあるミステリに期待するものとは大きく外れた点が
ミステリではないのに凄い作品だと気に入った所であります。

ミステリの要素とも言うべきロジックやトリックというものを
舞台裏に追いやってしまっており、
表に出すものと裏に追いやるモノの強調が逆になっているのも面白いです。

言いかえると分かり辛くとても捻くれた内容で、
期待するものが違うと肩透かしを食らうと思いますが、
その作り方の完成度はとても高く感じられ自分には圧巻の作品でした。

細かい事はネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想
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ジークフリートの剣 (講談社文庫)
深水黎一郎ジークフリートの剣 についてのレビュー
No.52: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

セカンド・ラブの感想

タイトルや帯から感じる通り、
イニシエーションラブの様な作品を求めている人への本です。

なので当然、前作のように何か一筋縄ではいかない
仕掛けを感じながら本を読むことになるので
期待値に答えられるかというプレッシャーをかけた意気込みを感じます。

ですが、ネタバレで書きますが伏線の張り方の巧妙さが
今回見られなかったのが残念です。

ただこれは前作が良かっただけに、
期待と比較によって生まれてしまう欲求なだけで、
この本単体としては、とても面白く読めた事は確かでした。

▼以下、ネタバレ感想
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セカンド・ラブ (文春文庫)
乾くるみセカンド・ラブ についてのレビュー
No.51:
(9pt)

クリスマスネタで雪の山荘もの

ノベルス版「雪と魔術と殺人と」の改稿版、
「北斗の星」殺人事件を読みました。

ゲレンデのスピーカーから突如鳴らされたジングルベルの音楽と共に
サンタクロースの帽子を被ったロウ人形の首が現れる。

異様な雰囲気で始まる雪の山荘物です。

90年代始めのころの本書。
世の中オカルトが流行っていたのもあり、
悪霊が人に乗り移り、勝手に手が動き出してしまう所など、
今読むと首をかしげてしまうシーンが現れます。

が、第2、第3の非現実すぎる出来事が続き、
一体どんな真相なのか。まとまるのか?と不安になりますが、
ラストの真相はなるほどと納得。

なかなか面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想
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「北斗の星」殺人事件 (徳間文庫)
No.50: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

コテコテの雪の山荘もの

本を開いた最初のページに『読者への挑戦』があります。
目次や本のタイトルよりもまず『読者への挑戦』がある挑発的な構成に驚きました。

そして、『雪の山荘』の定番要素、
吹雪による、クローズド・サークル。連続殺人、雪の足跡問題、手口の違う殺人
などが豊富に盛り込まれているのも好みです。

新しさは見えないかもしれない。
でもそんな定番とも言えるコテコテな本格が好きな自分は中々楽しめました。

が、探偵の魅力や説明具合からなのか、
納得できて楽しめた真相に魅力が残らず、
ラスト失速してしまった印象でした。

とはいえ、やはり真相は凄いの一言。

▼以下、ネタバレ感想
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屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)
門前典之屍の命題 についてのレビュー
No.49: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

とんでもないな・・・

前作同様、ぐちゃぐちゃのエログロなので、
推理作家協会賞受賞しているとはいえ耐性がある人向け。

子供の無邪気さ残酷さがそのまま大人になってやりたい事をしている感じで、
気持ち悪い所は気持ち悪く、でもユーモアを忘れずそんなに気が重くならない
絶妙な危ないバランスがとても気持ち良い。
富蔵のエールのシーンとかもう、良い意味で変態です。
乱暴な会話文と言い回しのセンスが今作も凄いなと思いました。

ハチャメチャな話なのですが、
最後に一気に物語を収束させたのが圧巻。

前作の髑髏の様な扱いを感じた
本編と外れた美樹夫のナムールの物語がいろんな意味で面白い。
単純に小説の伏線と捉えたり、蟲の気持ち悪さの雰囲気作り、
深読みして人種差別を感じられたりなどなど、、、
エログロのインパクトの裏側に作られている土台がすごい。

とんでもない本だなと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)
飴村行粘膜蜥蜴 についてのレビュー
No.48: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

世界観に楽しく浸れました

剣と魔法の世界に君臨する圧倒的な存在である不死身の竜が刺殺されてしまった。
誰がどうやって?何のために……。

全体を通してRPGをしているような旅のお話。
旅の目的は竜事件の真相解明の為、事件前に竜に会ったとされる容疑者達に会いに行く事です。

容疑者1人毎に章が設けられていますが、
その各エピソードがそれぞれ面白く、
個性的なキャラクターやファンタジーの世界観に楽しく浸れました。

普段ファンタジー物を読まないのもありますが、
コテコテな展開なので分かりやすく気軽に読めたのもよかったです。

この旅の雰囲気に竜が殺されたという、
世界観ならではの不可能犯罪が足され、
先が気になり一気読みでした。

あんまりミステリに拘ると肩透かしをくらう恐れがあるので、
世界観に浸る気軽な気持ちで読んでもらいたい1冊でした。

とはいえ、なかなかの伏線の入れ方と真相でした。
シリーズ物なので他のも読んでみたいと思いました。

(真相でおかしいなと感じる所があったのですが、それはネタバレで)

▼以下、ネタバレ感想
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殺竜事件 a case of dragonslayer (講談社タイガ)
上遠野浩平殺竜事件-a case of dragonslayer についてのレビュー
No.47:
(5pt)

なんというか、、、強烈です。

好みの問題で点数は低めですが、作品は強烈なインパクトです。

これが"飛鳥部勝則"だと言わんばかりの、他では味わえない個性的な本でした。
"オカルト"や"怪奇"という言葉だとしっくりこない。
他の方が述べてますが"キワモノ"と言われるとなるほど。と思う小説でした。

登場する人物たち、建物の奇傾城、その他もろもろ、
いつ崩壊してもおかしくないアンバランスなモノが
印象的に数多く出てきます。

微妙な均衡で今まで存在していたものたちが、
女子高生の示門黒との関わりをきっかけに、
より狂いが強調されていってしまった……。
(ブラックホールのように闇を集められた感じ……)

ミステリ的な仕掛けを気にするよりも、
読み終わった最初の印象はそんな感じで、
黒を取り巻く闇が印象的でした。

肉体や精神的な崩壊。
小説枠の崩壊。
(崩壊というより異形への変化?)
なんかガラガラと色々な物が崩れた印象。

序盤は落ち着いて、ゆったりとした雰囲気だったのに
後半は急加速してどこかへ突き抜けてしまった勢いで、
とても唖然とさせられました。

黒と愛 (ハヤカワ文庫JA)
飛鳥部勝則黒と愛 についてのレビュー
No.46: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

禁じ手の妙

蛭(ヒル)女というなんとも陰鬱な雰囲気を感じさせる作中作のタイトル。
蛭女の書の中では孤島に閉じ込められた女子高生たちが殺人事件に巻き込まれていきます。

孤島の雰囲気と日本家屋が舞台の密室殺人。
現場の廊下に残された蛭の徘徊を思わせる濡れた足跡の存在など。

本格物の舞台設定とホラーの妖しさを足した
コテコテの舞台がとてもワクワクしました。

とはいえ、
ガチガチのミステリと言うわけではなく、
バカミスと言われても仕方がないニヤリと失笑するトリックが出てきたり、
嫌な気分になる陰鬱な心情を読ませるシーンなど、
色々な要素が絶妙なバランスで構成されている作品と言う印象でした。

作品全体を通して実現した大仕掛けがありますが、
これはこのアンバランスさで
禁じ手を、禁じ手と思わせない世界観を作り、
読者が許容できる不確かさの敷居を下げて実現されたのではないかと感じました。


事情がある本書ではありますが、
そのまま埋もれてしまうには勿体無い仕掛けと
魅力に溢れた作品だと思いました。


▼以下、ネタバレ感想
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誰のための綾織 (ミステリー・リーグ)
飛鳥部勝則誰のための綾織 についてのレビュー
No.45: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

文体まで芸術化。今作も凄い完成度。

瞬一郎より、著者の日本語や芸術、教育思想にいたるまで、
思いを強く代弁させている印象を受けました。
日本語の美しさや表現力、ルビの扱い、文学の歴史など
読んでて嫌な気持ちにならなず、色々と良い面で再認識させられました。

瞬一郎の作中作「花窗玻璃」に至っては
物語を表現する文体まで芸術化を目指したんだと
著者の意気込みを感じました。

美術好きには蘊蓄かつ、それが参考書で目にするような類ではなく、
著者自身の新しい考えとして聞けるのが、たまらなく面白かったです。
そして、これらがタダの衒学にならずに事件に結びつく所が毎回凄いと感じる所です。

シリーズ通して本作も芸術(今回は美術)の分野で事件構成、
トリックに至るまで表現するのが本当に凄い。
コンセプトと作風の統一が凄いなと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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花窗玻璃 天使たちの殺意 (河出文庫)
深水黎一郎花窗玻璃 シャガールの黙示 についてのレビュー
No.44: 9人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

宇宙は壮大な謎と魅力がたっぷり

月で発見された死後五万年の死体の謎を追うSF小説。

死体とともに発見された所有物に使われている物質から
年代や生活環境を推測したり、
手帳にある文字列から言語学者が言葉や数式の意味を推測したり、
生物学者が死体の骨格や生体から推理を試みたり、
月面調査の手掛かりを元にさらに謎の解決と新しい疑問が生まれたり・・・

と、
さまざまな分野のプロが不可思議な死体から
可能性を現実的かつ理論的に解明していく過程にとてもワクワクしました。
宇宙規模に視野を大きく広げ、物事の可能性を追う研究者の姿が
とても気持ち良く読めました。

ラストの壮大な謎の解答もフィクションでありながら、
そうではないとも言えない神秘に触れた気がして、
他とは違う、なんとも言えない感動を味わいました。

普段SF小説をあまり読んでいないだけに新しく映りました。
宇宙は壮大な謎と魅力がたっぷりだなと再認識します。

タイトルも凄く良いです。

▼以下、ネタバレ感想
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星を継ぐもの【新版】 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン星を継ぐもの についてのレビュー
No.43: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

雰囲気作りは流石です

比べるものではないですが、
やはり館シリーズの新刊と名を打ってあると、
他の館シリーズを意識してしまいます。
"びっくり館"と言う名前や舞台の効果があまり感じられませんでした。
館というより、囁きシリーズを読んでいる印象です。

館や人形を扱っている所が著者の雰囲気をかもしだしていて良かったです。
腹話術のシーンの異様な雰囲気はとても印象に残ります。
こういう独特の著者らしいと思える雰囲気は好みでした。

内容で気になった点として、
シリーズ読者やミステリが好きな人を意識したと感じられる
単語がいろいろ出てきます。
これらが効果的なら良いですがそうではなかったので、
なんとなくそれらの単語の魅力に支えられてしまった
作品になったと感じてしまいました。
びっくり館の殺人 (講談社文庫)
綾辻行人びっくり館の殺人 についてのレビュー
No.42: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

告白の感想

事件の関係者による独白形式で淡々と進む物語。

第三者視点や解説がないので、
正直な所、告白された内容がすべて真実とは限らない所が面白い。
見える必要もないですが
深読みすればするほど真実が見えない心の闇が良いです。

文章のセリフ文を見ただけでどの人の告白なのかが
分かる程、人物が描かれていると思いました。
後半、セリフが突如出ただけで森口先生が現れたと思ってゾクっときました。
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊かなえ告白 についてのレビュー
No.41: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

心に残る一冊

高校生の世代が抱えるだろう心の問題がこれでもかって程、訴え掛けてくる。
思いつく不幸を全部入れてみましたと言わんばかりです。
誰もが自殺したくなってしまう辛さを文章で感じました。

物語は自殺する瞬間を未来視した所から始まり、
学校に赴任したカウンセラーが自殺して誰かを救うために
高校生達をカウンセリングする流れになっています。

自殺を止められるかどうか――?
この目的の本筋の中にこの世代の葛藤が描かれ感じる物語です。

↑に高校生の世代が抱えるだろう心の問題が
たくさん出てくると書きましたが、
多く出ている中でとても繊細な要因が最後まで書かれないものがあります。

この要因が、
ミステリとは違った読了感を得る本書に対して、
ミステリと思わせてしまう読書への鋭い切り口だと思いました。

自殺をテーマとしたメッセージ性が強く出てしまう作品を
ミステリ仕立てにして読み物にした印象です。
そう感じる程、読了後に心に残る物がありました。

▼以下、ネタバレ感想
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サニーサイド・スーサイド
北國浩二サニーサイド・スーサイド についてのレビュー
No.40: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

容疑者Xの献身の感想

読書後調べてTVや映画になっていた事を知りました。
シリーズ含め、物語に触れるのは本書が初めてです。

あらすじより、
"天才同士のバトル"という印象から手に取ったのですが、
文字から受ける熱いバトルというのはなく、
静かな深層の探り合いと言う印象でした。

本書のトリックの隠し方がとても巧いですね。
以下ネタバレで。


▼以下、ネタバレ感想
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容疑者Xの献身 (文春文庫)
東野圭吾容疑者Xの献身 についてのレビュー
No.39: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

弥勒の掌の感想

手頃なページ数で物語を堪能できました。
いつもながらこの著者の本は読みやすいです。

内容について触れるとネタバレになりやすいので、それは後述。

事件の解決方法がとてもユニークであり皮肉でした。
これはこれで好みです。

▼以下、ネタバレ感想
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弥勒の掌 (文春文庫)
我孫子武丸弥勒の掌 についてのレビュー
No.38: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

これは、すごい・・・ただ、耐性がある人向けかな

暴走している内容で
ぐちゃぐちゃしたエログロ小説なのに、
そんなに陰鬱にならない。
昔、夢野久作を読んだ時に味わったような
幻覚を受けた作品でした。

登場人物を"人間"と"化け物"と区分したとき、
見た目と中身が対比されている印象を受けました。
(原始的でとても素直なカッパの存在が
ある意味、一番心が綺麗でまともな人間っぽさを受けてしまった)
そして話の主軸になる雷太はどちらでもない、
人間と化け物が合わさった存在だなと感じました。

作中でも夢と現実が交差する箇所がありますが、
それがなくても頭に非現実感がたっぷり流れてくる久々のインパクト。
さらに他にはない独特の言葉遊びがとても魅力的。

このシリーズは引続き読んでみたいと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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粘膜人間 (角川ホラー文庫)
飴村行粘膜人間 についてのレビュー
No.37: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

とても魅力的な作品。歴史と言うだけで食わず嫌いなだけでした。

歴史小説は苦手で、しかも日本史じゃなくて中国物。
ちょっと敬遠していましたが悪い評判を聞かないのと、
普段読まないジャンルなので、たまには良いかなと手に取りました。

中国の秦の時代を舞台とした歴史物語。

登場人物達の名前が中国名なので頭に入り辛かったのですが、
キャラクターのセリフや雰囲気が特徴的な事もあり、
名前ではなく琅邪の人物達の情景が頭に浮かび、
すんなり物語に入り込む事が出来ました。

メフィスト賞作品なので、もしかしたらミステリではなく、
このまま歴史小説なのだろうか……と思った所で、
「鬼の正体」「甦る死体」や「棺の中で成長する女の謎」、「一夜にして消失する屋敷」などなど、
多くの謎が現れ、結果はボリューム多いミステリでした。

久々に苦手な歴史物が面白く感じた作品です。

あと、「琅邪の鬼」が明かされる所がとても印象的で素敵です。
こういうの良いです。

▼以下、ネタバレ感想
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琅邪の鬼 (講談社ノベルス)
丸山天寿琅邪の鬼 についてのレビュー
No.36:
(3pt)

聖フランシスコ・ザビエルの首の感想

過去に意識だけタイムスリップしてザビエルの身近な人に憑依。
ザビエルに取り巻く事件の謎を解決する。

設定は面白いし、歴史物でも読んでて苦ではなく、寧ろ読みやすく楽しめた。
……のですが、読了後 特に印象に残るものがなかったのが正直なところ。

好みだったのは、
『第三章 パリの悪魔』
ここまでの舞台設定を生かした、こういう仕掛けは好きです。
ザビエルの首 (講談社文庫)
柳広司聖フランシスコ・ザビエルの首 についてのレビュー
No.35:
(7pt)

凶笑面の感想

伝承や非科学的な妖怪に至っても すべてあった事にして、
そもそもその存在はどうやって発生したのか?を想像してみよう。
という考え方がとても刺激になった。

短編5つでどれも民俗学と絡めてあり楽しく読めた。
ミステリとしては『不帰屋』、
民俗学としては、だいだらぼっちの存在を紐解く『双死神』
が特に楽しかった。
凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI (角川文庫)
北森鴻凶笑面 についてのレビュー
No.34: 11人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

主催者の気持ち=ミステリ好きの気持ち

この作品の面白いと感じたところは、
ミステリ好きな人程、このゲームの主催者と気持ちがリンクしている所だと思いました。

クローズドサークルの舞台は整い、各人に道具も渡された。
これで事件が起こらないはずはないと、
ミステリ好きな読者程 事件を期待するとおもう。

この期待感は主催者=読者だと感じました。

主人公が、どこかで見ている主催者へ
思い通りにならないぞ!。と気持ちを叫んだ所が
自分に対して言われた気がしたのが印象的でした。

物語とは関係ないですが、
・主人公たちの閉じ込められた世界
・ゲームの主催者
・読者
の3つの空間の扱いが面白いと勝手に感じました。

肝心の話の感想についてはネタバレで。

▼以下、ネタバレ感想
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インシテミル
米澤穂信インシテミル についてのレビュー