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メタボラ
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メタボラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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『メタボラ』という表題についての説明は小説の中ではないのだが、代わりは掃いて捨てるほどいるとばかりに使い捨てにされる若者を「代謝」という言葉で表しているのだろう。 ワーキングプアの問題をこれほど生々しくえぐった文学作品はないという意味で、優れた社会派小説である。 家庭の事情で大学を中退せざるを得なかった若者が、派遣社員として企業に搾取されぬき生きる希望すら失い(この辺の描写が具体的かつリアリティにあふれている)、ネットの集団自殺を図った沖縄で記憶喪失になり、そこでフリーターの男と出会い、新たな希望と絶望を体験する。 ユートピアとして内地からの移住者も多い沖縄のきれいごとではすまない現状も冷徹な視線で描かれている。 ワーキングプアの問題は、企業に都合よく利用されていることが大きく、本人のせいばかりではないのだということがよくわかった。 | ||||
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ジェイク視点とギンジ視点と切り替わるのだが、ジェイクが宮古弁を話す分、わかりやすくて、わかりにくい。この視点切り替えが秀逸なのはリアルワールド。桐野さん得意の登場人物別感情。選挙のところで少しダレるけど、最後にきれいにまとまる。さすが、と思わせられるのは、ギンジが記憶を取り戻し、平凡な家庭から、家庭崩壊、集団自殺未遂まで転落していくところ。まるで、桐野さんにギンジが憑依してきたかのごとく、書き進められている。ここがすごかった。この本を読んでだらけた、自分の日々生活に活をいれられた。桐野作品の中でも秀逸ではないだろうか。 | ||||
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家族離散、雇用難民、偽装請負などの難しい言葉が書評に並びますが、何のことはない、生粋のエンタテイメントでした。上巻初めは、何の話かよくわからず、ページが進みませんでしたが、中盤から主人公と対役の人間味あふれる描写にどんどん引き込まれていきました。特に対役の宮古出身ジェイクが魅力的で、もし映画化したら、誰がどの役にぴったりかと考えるだけでも楽しくなりました。「東京島」と並ぶほど好きです。 | ||||
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ネグレクト、DV、派遣労働、沖縄、記憶喪失、性、自殺。盛りだくさんの内容なのでいろんな切り取り方ができる作品だと思う。わたしは沖縄の戦争を生きた老人の言葉から、「今日本で起きている戦争」を描いていると思った。毎年小さな町1つ分にあたる3万人という人が自殺していくこの国で起きていること。それはまぎれもなく、戦争と同じだ。戦場で敗れていく若者たちを描いた戦記だ、という感じがぴったりくるような気がしました。 | ||||
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記憶喪失の男と,更生施設から逃げ出してきた男. ギンジは名前を与えられ,ジェイクはウソをついて,それぞれが偽りの人生を始めようとする. 同じスタートラインから始まり.やがて離れたり,近づいたりしながら,虚構の人生が交錯する. ギンジの正体と,ジェイクの嘘人生の顛末という2つのテーマを軸にしたストーリーである. ギンジは,記憶がないながらも,知性があり,思慮深く,礼儀正しい青年. 一方のジェイクはあっけらかんとして,底の浅いウソを平然と吐きながらどこか憎めないキャラクター. これだけ対照的な2人の一人称視点を使い分ける筆力がすごい. 表面的な言葉遣いの違いだけでなく, 思考のプロセス,視野の広さといった本質的な違いをきちんと描き分けている. この表現力はさすがである. ただ,全体的にテンポが少々遅い印象を受けた. 新聞での連載小説だったようだが,それも影響しているのだろうか. | ||||
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社会派小説を読む原動力ってけっこう新聞の三面記事を読むような好奇心だったりする。だから陰惨で救いがないものほど興味惹かれるところもある。でもやはりエンターテイメント的な部分もなければ読者を引き込む事は難しい。この小説はそのバランスが優れている。架空のドラマの甘い口当たりを期待する読者にガツンと投げかけられる現実の重み。個々が整理されたり完成したりしないで常に混沌としていること、またそれがぶつかり合う様などはいつもリアルで息苦しいくらいです。読者の野次馬的好奇心とリアリティのイタ気持ちよさを上手く織り交ぜて物語に引きこむ手管は見事です。 | ||||
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2人の訳ありニートの過去と現在を交錯させながら進んでいくロード小説。 主人公が男のためか、同時期の他作品と違う位置づけにしたかったのか、桐野夏生らしいエログロは少ない。 あまり考えたくはないんだけど、他作品のように「エログロを呑み込んで更に逞しくなっていく女性」的な生命力は感じず、男って「死に向けて行進する存在」と桐野さんが定義づけているようで怖いです。 なにかのインタヴューで彼女が語っていたように、ちょうど派遣地獄的な社会問題がクローズアップされた時期に発刊されたので、そういう括りでこの作品が話題になった側ところがあるのですが、社会問題を取り上げて話題作りしたというよりも、現在的な男性性の文脈を探していたらそこに行きついたという感じで、嫌味は全くありません。 エログロジェットコースター的な盛り上がりが上滑りする時期(東京島とか)から、引き算をしながら作品を成立させることに成功していると思います。新たな変容の可能性すかね。 しかし、いつもながら、読後に読む前よりも違ってる自分に気付かせる小説が書ける桐野さんはすごいな〜と思わされます。 現在そういう書き手はいないでしょう。 | ||||
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最近、桐野夏生ファンになった私は、ついに文庫をすべて読み終えてしまい、このぶ厚く重い『メタボラ』を読むことになった。 カッコに標準語の意味を書いていてほしかったと本気で思ったくらい、「オゴエッ(うわっ)」「ズミズミ(とてもとても)」「ゆんたく(おしゃべり)部屋」「フラー(馬鹿)」といった、連発する聞いたこともない言葉がたくさん出てきて、最初は非常に戸惑った。でもそれだけ、沖縄、離島の宮古島が独自の文化を持った地域ということを感じることができた。 記憶喪失の無一文で、ひたむきに生きようとするギンジ、そして宮古島の青い空と美しい海に囲まれ、経済的に恵まれた環境で育ったアキンツ。対照的な2人の生き方や考え方は異なるが、2人が抱える葛藤(ギンジは家族に手をあげる父親、そこから子どもを捨てて逃げてしまった母親、新しい人生のスタートを切った順応性の高い妹:アキンツは好きなのに振り向いてくれない元同級生の愛、愛のことをデリヘル嬢にしても平気なギンジへの憎悪、自分を大切にしてくれないギンジにいつまでも執着している愛、そしてそんな愛に囚われている自分など)、共感できる部分はたくさん描かれていた。 桐野作品を読んできて、読後、初めて涙が流れた作品だった。ピュアで素朴なアキンツが好きだったし、「磯村ギンジ」として新たな人生を切り開いたギンジにも今度こそ幸せな生き方をしてほしかったので、このラストは本当に悲しかった。 | ||||
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最近は桐野夏生さんばかり読んでいる。「メタボラ」以外の数作品を読んだだけでも、桐野作品の女性陣は強かさを持っているのだなと分かる。 桐野さんの小説を読んで他の作家と違うと思う点は、私の読書傾向からもよるのであろうが、登場人物が易々と「いい人」に流れていかないという点である。どこまでいっても、人間臭い毒の持続を失わない。それが、読んでいてもアクセントにはなりこそすれ邪魔にはならないのが、やはり作家としての技量なのかなあと思ったりもする。というか桐野作品の場合、毒が要でもあるのだろうけれども。 さて、「メタボラ」。主な舞台が沖縄で、主人公的と言える人物は二人。 沖縄というと、優しげな人ばかりというある種の偏見があったりするのだが、そこは心配ご無用桐野作品、という感じでもある。例えば、主人公間であってもすぐにお金を貸さない。例えば、不細工より美人へ移る情のほうが大きい。など、作品世界を構成する価値観というものにも細やかな神経が配られていると言ってよい。そういうところから受ける刺激が、病みつきになる一つの原因であろう。 ……また話しがずれ込んだ。「メタボラ」、読み終わってから私は泣いた。レビューによっては、希望が見えたと書いている方もおられたが、私はどうしてもラストで逼迫を感じられて仕方なかった。長編だからこそなのか、長く関わった主人公たちがやけに心に残った。短編小説とはまた違った、桐野さん独特の疾走感で後半は本当に夢中で読んだ。 | ||||
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結構いいテンポで読み進めることができて面白かったです。 桐野さんにしては性的描写って全然なかったです。 印象に残ったところ。 後半でとある工場にて働く中国人労働者。同じ場所で働く日本人は休憩しているのに、彼らは休まない。 自らすすんで残業をこなす。創意工夫して仕事の能力を磨きあげている。 時給が日本人よりも低く設定されているということもあるが、 彼らには日本で稼いで家族を養うという使命、つまり劣悪な労働環境の中でも、 頑張っていけるだけのストーリーを持っている。 同じところにいる日本人労働者との一番の違いはそこなんだろう。 一昔前だと日本でも「金の卵」という言葉があったように、 労働にストーリーがあったように思います。 日本という国が成長して成熟したという事なのかもしれません。 | ||||
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心の闇を描き続ける著者が、自殺を試みるまで心に深い挫折感、絶望感を負った若者を描く。「リアルワールド」では、自殺する少女を描いたが、あまり内面にまで迫れていなかったと思う。本作では、努力してもどうにもならない状況に追い込まれた(それは今では特異な状況ではなくなっているのだが)若者像を描くことに成功している。 但し、結末がどうにも納得できない。(以下ネタバレ注意。)どうしてギンジはジェイクをすぐ病院に連れて行かずに、海に出て、ジェイクを死なせてしまうのか。最後は、まるで真夜中のカウボーイのような、ロードムービーみたいになっているけど、何故助けないのか。ギンジが警察と係わるのを避けたのだとしか思えず、救いのない闇と作者の毒を感じた。 | ||||
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さすがキリノ! 「東京島」からさかのぼってこの本にたどり着きました、あばーなんとなんとすばらしい快作ばーよ。壊れゆく家族の肖像、ネオ蟹工船ともいわれる派遣仕事の救いのなさ、ネット自殺、ホストクラブの世界、癒しの楽園と裏腹な沖縄の真実・・・現代の日本の問題点について詳細なレポートを何十部も読んだような充実感があります。しかもそれぞれのエピソードは重層的に渦巻いて、章ごとに語り手が変わっても、一つ一つの小道具の位置から光の加減まで変わらない緻密に計算され尽くした世界を堪能いたしました。これこそキリノワールド!。最後に慈叡狗ことアキンツが冷たくなっていくシーン・・「真夜中のカウボーイ」をちょっと思い出しました。 星が5つまでしかあげられないのがくやしいくらいです。 | ||||
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主人公の男の過去が気になって、決して楽しい話ではないのに、いやむしろ、だんだんつらくさえなってくる話なのに、ラストまで一気に読まされてしまった。自分がイメージしていた、リゾート・アイランドとしての沖縄と、この本に書かれている生活する土地としての沖縄のギャップが悲しく、消化しきれなかった。しかし一番つらかったのは、主人公の家庭。親は選べないと言う。じゃあ、その運命をどうすれば…?というところには全く触れていない。そういうことではなく、現在の若者の姿を描くことにより、社会構造の矛盾や、理不尽さを浮かび上がらせたかったのだろうということは分かるのだが、ここまで辛い話に付き合わされ、誰にも感情移入できず、何か素晴らしい啓示が得られるでもなく…疲労感、絶望感だけが後に残ってしまった。何か、もう一歩踏み込んだ何かがあれば…。環境をどうすれば…という部分で、最後に力のある強い結論が欲しかった。 | ||||
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沖縄を舞台として、方や仕事をしっかりこなしていくタイプ、もう一方がそれとは反対に女好きで自分の思うように生きようとするタイプの、正反対の二人の青年の生き様が描かれている。そこからは、上の世代の大人たちのよって振り回され、搾取される若者像が浮かび上がってくる。いくら真面目に働いても、あるいは好きなように生きても、大人たちによって人間を破壊されている、という強烈なメッセージが伝わってくる。 そうなったのは誰の責任なのか、その怒りをどこに向ければよいのか、破壊されつつも、怒りの矛先がわからずに、口を封じられていく様は見事に描かれている。沖縄という舞台も、本土の人間と沖縄の人間の認識の違いが浮かび上がらせることによって、日本本土の人間像がくっきりと浮かび上がっているのに役立っている。そこでも、本土の人間の人間性が失われていることを暗に浮かび上がらせている。 格差社会、経済問題の人間に及ぼしている影響が、具体的にどのような人間を作り、また人間を追い込んでいるか、強烈に浮かび上がらせている。 | ||||
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記憶喪失になった男。 その記憶の片鱗はわりと早い段階でわかるのだが、 そのすべてが思い出されるのは、物語の終盤になってからである。 私個人としては、一番最初の、主人公と昭光が コンビニで知り合った女の子の家にころがりこんだ時の話と、 終盤の、主人公が柏崎の工場に住み込みで、 集団で働きに行った時の話がとても面白かったと思う。 住み込みの工場での生活。 彼はその時に初めて、 見ず知らずの他人と生活を共にすることの 精神的苦痛と悲惨さを知るのだった。 あれほど忌み嫌っていた父。 あんなにイヤだった父との生活を思い出して 「これなら、父と暮らしていた方がずっとマシだった」 と思わせるほどに。 やっと一筋の光明のように新ルームメイトの木村が現れたが、 それも束の間の夢でしかなかった。 この工場の中での話だけでも一冊の小説になり得る程に、 充実した内容になっている。 | ||||
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それにしても桐野夏生は、リビドーに突き動かされる人間 を描くのがとてもうまい。この小説でも、ギンジとアキンツ という対照的な2人が活き活きと描写され、行間からは彼らの 吐く息すら匂ってくるような気さえした。 社会の底辺で生きることの悲哀をテーマにしているが、 舞台が沖縄ということもあるせいか、明るく眩しい青春映画 を見ているような気分になる。宮古弁が実に効果的だ。 悪く言えば中途半端、良く言えば余韻の残るラストは心に沁みた。 新たな旅立ちを遂げた2人はあの後どうなったのか、とても気になる。 是非とも続きが読みたいのだが・・・・。 | ||||
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舞台は沖縄で、沖縄特有の文化が散りばめられている。 主人公である記憶を無くした「僕」と、周囲の人物は、全員がより良い自分を求めてもがいている。 登場人物それぞれには、それぞれの事情があり、時に壮絶ではあるが、いちいち共感出来る部分は多い。 主要登場人物は、魅力たっぷりだ。 当初、非常に謎めいている「僕」や、あっけらかんとしたアキンツには、愛着を持てる。 アキンツが話す、郷里の言葉も、良い響きがある。 著者の作品の常であるが、作品を支配する独特な世界観は、明るいものではない。 むしろ、絶望感を、これでもか、これでもかと提示してくる。 そんな世界に、長時間酔える、長編作品だ。 また、著者の作品の成り立ちは、層を次々と積み重ねるタイプの、独特な印象がある。 それは、綿密にプロットされた推理小説などとは対極をなし、その部分も、良い意味で新鮮だ。 若者たちが、自分自身を求めて、暗中模索を繰り広げる。 否、のたうちまわる、と形容したい。 | ||||
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最初から最後まで、丁寧できちんとした感触のある小説で、良質な娯楽だった。600Pというとても厚い本なのだが、さらっと一気に読めてしまった。 少年と青年の成長過程が丁寧に構築されていて、楽しいような、甘酸っぱいような、哀しいような。 そうした複雑にからみあった10代後半から20代前半の味わいがきちんと小説の中の世界に表現されていて、その世界観に感動した。 新聞の連続小説はほとんど無視しているのだが、連載をきちんと追う形で読んでみるのもいいかなと思わされた。 筆者の本ははじめて読んだと思うのだが、少し追いかけてみようと思った。 小説というものの性質もあるし、再度読みはしないと思う。しかし、良質でお勧めできるので星は4つに。 | ||||
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桐野ファンの私は、アキンツが今までの桐野作品の中で 一番好きな男性キャラクターになりました。 アキンツがかっこよくて、考え方などに共感でき、 読み進めるのが楽しかったです。 ただ、銀次との絡みがもっとほしかった、というのはあります。 二人がばらけて行動を始める構成はいいとしても 再会の場面でアキンツがぼろぼろでは・・・ でも面白かったですね! | ||||
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舞台は沖縄。 物語は逃亡してきた2人の若者の出会いによってはじまる。 一人は記憶喪失の男。 そしてもう一人は全寮制の職業訓練所のような施設を飛び出してきた昭光。 それぞれの視点から語られる沖縄と現代の若者の問題を描きます。 沖縄の政治問題、DV、集団自殺、低賃金で働く外国人労働者、 ニート、ワーキングプア、派遣社員の現状など 現代の日本が抱える様々な問題をたくさん絡めてあり、 グイグイ引っ張られるような吸引力がある。 でも、やや詰め込み過ぎな印象です。 そこへ沖縄のうだるような暑さが襲い掛かかり、 ジリジリと焼けつくような作品です。 中でも私にとって最も印象深かったのは 本土から移住してきた人と、 もともとの沖縄住民との「沖縄」に対する思いの差。 両者とも沖縄を愛しているのに変わりはないのに、 どうしても越えることのできない壁がある。 この温度差を埋めるにはまだまだ長い年月がかかるのでしょうね。 何人かのレビュアーさんはこのラストに救いや希望を感じたと書いているけど、 私はそうは思わない。 記憶喪失というゼロの状態から自分を見つけていったギンジ。 すべてを思い出した時の葛藤、そして最後の選択・・・。 彼の未来に果たして希望はあるのでしょうか。 このラストには彼のような若者には、 悲しいけど抜け道がない現状がはっきり描かれていると思うのですが・・。 | ||||
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