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悪と仮面のルール
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悪と仮面のルールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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中村氏の小説はいつも設定が人工的である。頭の中でひねり出した人物が、とても暗い状況下で、日常生活では起こりえない出来事を起こし、その実存を主張しているような小説が多い、この小説では他人になりすまた人物が、ふつう「悪」といわれていることをやりつつ他者との関係を結ぶ様子を特に心理描写を重視することもなく描いている。 サスペンスも謎解きもないから、退屈する読者が多いと思う。 | ||||
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この大金持ちのお父さんには、思春期の子どもマニュアルに書いてありそうな『子供の将来を親が決めつけてはいけない』なんて概念はナイ。 財力に恵まれ、地下室まである大邸宅に住み、自分好みのメイドが数人いて、子どもには子ども用の女の子を与え、与えられた子は毎日セックス三昧。 庶民の中学生にしたら夢のような悪の組織の生活だ。 親のことばかりに囚われているけど、この一族には「グレる・ハミでる」子がいないようだ。 お父さんは鷹の爪の団長みたいな感じ。おしゃべりで何ページもしゃべっている。 「悪」とか「邪」とか・・。「世界征服」とは言ってないけど。 主人公は生まれた時に兄弟が自分に会いに来なかったことを覚えているんだから、生まれた時から聴覚・視覚・記憶力が優れてる子なんだな、と思ったけど普通だった。 漫画のように都合がよく話が進む。 でも、これは実際に巨大な悪の組織の家族に生また人にしかわからない苦悩の話なのかもしれない。 タダより怖いものはない。 | ||||
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「邪」の家系に生まれた主人公は,好きな少女を守るために,父親を殺害することを決意した. 成長した彼の前に再び現れた「邪」とは? 「邪」の近くで成長した主人公の精神世界を濃密に描いた前半は読み応えがある. どうしようもなく悪に染まっていって,一方ではそれを恐れる心理を, これでもかという筆致で表現している. 中盤以降は,自分と少女を守るために,顔を変え,犯罪を犯していくのだが, そこには葛藤や悪への傾倒のようなものは感じられず,淡々とした印象を受ける. また,国家レベルの権力やテロがからんできたかと思うと, その割には個人のレベルで解決されたりと,話のスケールに統一感がないのもマイナスポイント. | ||||
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ベタなセリフは俺には必要なかったし、結末に対してエンターテイメントとしてはもっと悪の量がほしかった。 中途半端に感じ星3つにしたが、人を殺すということについての思索はよく書けているように思う。 「人を殺したことがある」人か「人を殺したことがある」と思っている人にすすめる。 | ||||
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主人公の深層心理を事細かく描く純文学の内省的な姿勢を 貫きながらも、探偵や謎の犯罪組織、その背後で暗躍する強大な悪といった クライムノベル、ノワール的なエンターテイメントのスリリングなプロットがあり、 なかなか実験的な作品ではあるように感じた。 大雑把にいえば、純文学とエンターテイメントの両立だろうか。 内向きな視点だけでなく、より広い視点を用いてテーマを追おうというのだろう。 カミュのオマージュからどうも抜けきれない印象があった、初期の「銃」や「遮光」 と比べると著者自身の独自の魅力が出てきた気もするが、どうだろう。判断は難しい。 プロットに工夫が見られる分、初期の人物描写の巧みさが 少し薄れてしまった気がしないでもない。(アメリカではノワールの文学賞を受賞し、 純文学というよりは、ノワールのポジションの模様) 今作の場合、悪の因果とその解放という複雑に絡めたプロットのためか、 主人公が悪の因果に巻き込まれるシチュエーションありきで 他の登場人物が動かされている印象が否めない。 物語の中核を成す久喜一族の存在だが、陰惨な戦争の記録、犯罪組織の保持などから 久喜一族が物語上悪を象徴する存在だということは伝わるのだが、 人物の内面に踏み込んだ描写が弱く、久喜という家系の異質さや凄みがいまいち伝わってこない。 過去の所業を詳細にまとめただけで「悪」を語ろうというのは、些か安直な表現ではなかろうか。 ヒロインである香織ももう少し描いてほしいところがあった。 主人公が全てを賭けてまで守ろうと思える大切な存在なのは分かるが、 探偵を通した描写しかない為に、彼女との結末にもカタルシスを感じることが出来なかった。 と、ここまで色々と書いてきたが、純文学とエンターテイメント、 彼の中でこれからどう組み立てていくのか、それにはとても興味がある | ||||
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文章と内容は期待を裏切らない思った通りに楽しめるものです。5感を刺激してくれます。 中村先生の次の作品がでれたら読みたいと思います。 ただ、インパクトを意識しすぎてなのか、力みやぶっとんでいる印象を受けることが評価3の理由です。 無理がある・・かも、と、思う部分が多少あります。 世の中の評価が高くなると、書きたいものより、評判のよいものを書きたくなるのが作家心理なんでしょうか。 | ||||
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物語としても面白く、かつ文学としても深い…とも言ってます。 でも、だとしたらどちらもちょっとずつ物足りない。 「邪」の概念も純愛小説チックなストーリー展開も… | ||||
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◆芥川賞作家によるサスペンス長編 主人公は軍需産業で財を成した一族に生まれた。「邪」の家系。父より、この世界を不幸にする存在(邪)として育てると宣告される。養女として引き取られてきた少女と主人公は愛し合う。少女が父の慰めものとされていると思った主人公は、父を殺す。 十数年後の主人公は整形手術で別人になりすます。居場所がわからなくなっていた少女の調査を探偵に依頼する。街ではテログループが爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件が起こっている。主人公の周りには刑事がうろつき始める。 成人した少女には過去の繰り返しのように、悪の影がつきまとっていた。それは自らの邪悪な家系の男だった。主人公を執拗に追う刑事も現われる。 秘密の地下室、近親相姦的愛情、アルコール中毒、父殺し、薬物乱用、カルト教団による原発テロ、整形して別人になる、戦時下の虐殺行為、戦争ビジネスのからくり、双子の兄弟、など「仕掛け」が盛りだくさん。 ◆不満な点も多い 主人公が愛する女性を守るために、テロリストや闇の組織と渡り合うという物語なのだが、整形手術で別人になりすまして、探偵を使うなど、自分が積極的に戦っていこうとしない。こそこそしている印象がある。女を守るために何人かを殺したが、罠にかけてだますような殺し方で後味が悪い。戦って倒した形ではないからだ。 邪悪とされる「父」「兄弟」もうだうだ能書きをたれるような悪党であり、簡単に自死してしまう淡白さに拍子抜けする。戦争や歴史を使って悪に対する考察を述べているが、書物の引き写し程度にとどまっており、甘っちょろい。 アリバイ工作を頼んだ女との安易なむすびつきでラストをまとめているが、安っぽい。登場人物がしょっちゅう酒を飲んでおり、喫煙しているのがいまどき珍しいとも思う。 | ||||
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◆芥川賞作家によるサスペンス長編 主人公は軍需産業で財を成した一族に生まれた。「邪」の家系。父より、この世界を不幸にする存在(邪)として育てると宣告される。養女として引き取られてきた少女と主人公は愛し合う。少女が父の慰めものとされていると思った主人公は、父を殺す。 十数年後の主人公は整形手術で別人になりすます。居場所がわからなくなっていた少女の調査を探偵に依頼する。街ではテログループが爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件が起こっている。主人公の周りには刑事がうろつき始める。 成人した少女には過去の繰り返しのように、悪の影がつきまとっていた。それは自らの邪悪な家系の男だった。主人公を執拗に追う刑事も現われる。 秘密の地下室、近親相姦的愛情、アルコール中毒、父殺し、薬物乱用、カルト教団による原発テロ、整形して別人になる、戦時下の虐殺行為、戦争ビジネスのからくり、双子の兄弟、など「仕掛け」が盛りだくさん。 ◆不満な点も多い 主人公が愛する女性を守るために、テロリストや闇の組織と渡り合うという物語なのだが、整形手術で別人になりすまして、探偵を使うなど、自分が積極的に戦っていこうとしない。こそこそしている印象がある。女を守るために何人かを殺したが、罠にかけてだますような殺し方で後味が悪い。戦って倒した形ではないからだ。 邪悪とされる「父」「兄弟」もうだうだ能書きをたれるような悪党であり、簡単に自死してしまう淡白さに拍子抜けする。戦争や歴史を使って悪に対する考察を述べているが、書物の引き写し程度にとどまっており、甘っちょろい。 アリバイ工作を頼んだ女との安易なむすびつきでラストをまとめているが、安っぽい。登場人物がしょっちゅう酒を飲んでおり、喫煙しているのがいまどき珍しいとも思う。 | ||||
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中村氏の作品は「掏摸」に続いて2作目だが、両者には共通したテーマを感じた。それは絶対的かつ理不尽な悪の存在である。本書では「邪」という言葉でそれを表現している。主人公の父親は「邪」であり、息子も「邪」にすると宣言する。そのために少年である息子が愛する香織に危害を加えることを示唆する。そして主人公である少年はそれを妨げるために父親を殺害する。このような感じで始まる本書はかなり現実離れした小説である。本書を楽しむためには読者は作者が用意したこの設定を素直に受け入れなければいけないだろう。一方自分のように素直にこの世界に入り込めないものにとっては、最後まで違和感を拭えないまま読み進めることになると思う。とはいいつつも最後まで読み終えることができたのは作者の力量によるものだと思うが。 | ||||
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中村氏の作品は「掏摸」に続いて2作目だが、両者には共通したテーマを感じた。それは絶対的かつ理不尽な悪の存在である。本書では「邪」という言葉でそれを表現している。 主人公の父親は「邪」であり、息子も「邪」にすると宣言する。そのために少年である息子が愛する香織に危害を加えることを示唆する。そして主人公である少年はそれを妨げるために父親を殺害する。 このような感じで始まる本書はかなり現実離れした小説である。本書を楽しむためには読者は作者が用意したこの設定を素直に受け入れなければいけないだろう。 一方自分のように素直にこの世界に入り込めないものにとっては、最後まで違和感を拭えないまま読み進めることになると思う。とはいいつつも最後まで読み終えることができたのは作者の力量によるものだと思うが。 | ||||
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邪悪な家系の一族として生を受けた主人公。その家に来た孤児の少女。2人は陰鬱な世界の中で互いに助け合い生きて来たが、邪の家系がその幸せを脅かす時、主人公は決意する。邪の家長を亡き者とすることを。成人後、別人として生きてきた主人公だが、葬った筈の過去から邪の家系の者が忍び寄る。「掏摸」の木崎とは異なる邪悪の形を描き出しす半面、純粋な愛の形も描かれていると思う。全く毛色は違うが、馳星周の「夜光虫」の主人公に重なる部分もあった。「掏摸」ほど展開がスピーディーではないが、文学的サスペンスとして、面白く読めた。悪やこの世の中への考察が非常に面白かった。 | ||||
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邪悪な家系の一族として生を受けた主人公。その家に来た孤児の少女。2人は陰鬱な世界の中で互いに助け合い生きて来たが、邪の家系がその幸せを脅かす時、主人公は決意する。邪の家長を亡き者とすることを。成人後、別人として生きてきた主人公だが、葬った筈の過去から邪の家系の者が忍び寄る。「掏摸」の木崎とは異なる邪悪の形を描き出しす半面、純粋な愛の形も描かれていると思う。全く毛色は違うが、馳星周の「夜光虫」の主人公に重なる部分もあった。「掏摸」ほど展開がスピーディーではないが、文学的サスペンスとして、面白く読めた。悪やこの世の中への考察が非常に面白かった。 | ||||
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