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火の粉
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火の粉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全216件 141~160 8/11ページ
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今『犯人に告ぐ』がバカ売れしている雫井さんの長編小説。 前々から注目していた作家なんですが、いわゆる「エンタメ小説」の担い手として中心になっていく、いや、もう中心になっちゃってる作家です。 この小説もエンタメ小説って事で、一気に読める。 自分の隣人は大丈夫かなと怖くなる。 テンポが良くどんどん話が展開していく。 面白いですよ。 | ||||
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たまたままわってきた文庫本だったのですが、最高に面白かった! 今年読んだ中では一番というぐらい。とはいえ、この本、決して最近のではなく、今さらですが。私はほとんど聞いたことのない作者で面白いのかどうかもわからず読み始めたのですが、けっこうな分厚さにも関わらず、一日で読み切ってしまいました。 無罪判決を言い渡した被告が数年後、その裁判官の隣の家に越してきたところから話は展開していくのですが、まずはこの被告、武内という男の何とも言い難い不気味さ。 ただこういう人ってけっこういるなとも感じました。もちろんこの本の事件ほどの大ごとにはならないけど、人との距離の取り方が分からない人って決して少なくない。そしてそういう人間は、なぜ自分が人とトラブルになってしまうのかということもわからない。 あと、二人の女性が出てきます。嫁である若い女性とその姑である裁判長の妻。この二人のありがちな嫁姑の確執は出てこないのですが、各人が持つ、その年代特有のストレスというのがすごくよく描かれてると感じました。 あと、実母の介護なのに、まるで他人事のような夫の家庭での態度とかも。 判決理由にはちょっと ? と感じる部分もたしかにあるのですが、そこらへんの描写がうまいので、最後まで読者をひっぱっていってるんでしょうね。 | ||||
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本書では「冤罪」がひとつのテーマとなっている。 通常、冤罪で問題となるのは無罪の者が罪を着せられることにあるが 読み進めていくうちに、ひとつ思ったことがある。 それは、裁判で「無罪」の判決を受けたからといって ほんとうに無罪かどうかはわからないということだ。 つまり、裁判はあくまでも出揃った証拠から判断して裁判官が判決を言い渡す。 しかし、裁判官が犯人でない以上はその判決が100%正しいとは言い切れない。 真実はひとつしかないが真実を知っているのもひとりしかいないのだ。 そんななか、「死刑判決」をくださなければならない 裁判官の心情は一般人には想像し難いだろう。 その苦悩が本書にも描かれている。 そしてそれが物語のひとつのポイントでもある。 もうすぐ、裁判員制度がはじまり 誰もが裁判に関わる可能性のある時代。 しかも、判決をくだす側として。 果たして、私たちに他人を裁くことなどできるのだろうか。 一度、本書を読んでみてもいいかもしれない。 | ||||
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元裁判官の梶間勲の隣に、二年前に無罪判決を下した武内真伍が越してくる。武内はいろいろと梶間の家の事を気遣ってくれる。しかし、徐々に梶間家の歯車が狂い出し家族がバラバラになってゆく。はたして武内は冤罪による被害者だったのか、本当は殺人鬼だったのか・・・ というような内容です。 新聞広告を見て面白そうだな〜と思いました。 最近は新聞広告で買う本を選んでる事が多いです。 さて、この本の最大のミステリーは武内です。 本当にいい人のような気もするし、被害者の意見が正しいような気もするし、真実はどうなのか!それが知りたくてどんどん読めます。 私の書き方を見ると男臭く見えるかもしれないけど、話を進めるのは女性です。 梶間の妻と、息子の嫁が中心になって、いい人なのか悪い人なのか揺れます。 男性が書いてるんだけど、女性の心理描写がかなりリアルで、家庭での立場や旦那の母や姉とのやりとりに感情移入してしまいました。 ちょっと最後がバタバタとした感がありますが、面白かったです。 | ||||
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最近読んだ本の中でとても面白いということで、友人から薦められましたが 最初から最後まで常に違和感がありました。 裁判の無罪の理由が、背中の傷を立証できないから。 とはとんだ茶番です 日本の検察・警察はそんなに無能ですか? 犯人の子供時代を探れば、自傷癖や不遇な環境、虚言壁など どんどんでてくるのに 冒頭の裁判の場面では一切その描写が無かった。 素人でも犯人の性格を知る者に辿り着けるのにも関わらず 検察・警察がそれを見逃すというのはおかしいと思いませんか? 物語の上で一番重要な、犯人なのにも関わらず裁判で無罪になるという シナリオが破綻している以上 この作品はとても褒められたものではないと思います。 介護関係の心理描写はうまくできてるなと感じましたが 火の粉というタイトルから察するに介護問題は話の主軸ではありませんよね ただ、無罪の理由に何の違和感も抱かないような人は 楽しめるんじゃないでしょうか | ||||
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読み出して前半そして後半の終盤までは、とにかくハラハラ、不思議な、不気味な、身近でありながらこんなに怖い、それは素晴らしい筆致だ。しかし終盤がどうしてこうなっちゃうのか。この雫井氏はいつもこうなのだ。最後は「ドタバタ」、「何でこうなるの?」ととにかく惜しいのだ。これは岐阜美濃加茂の放火殺人事件も、柔道有力選手のドーピング事件も、万年筆だ、小学校の担任の日記だ、全ての作品に共通しているような感じがして、とにかく残念だ。最初の怖い勢い、いい感じを、最後まで完結して欲しいものである。 | ||||
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怖いです。 犯人に関しても「あれ…?やっぱりこの人じゃないのかなぁ?」と途中解らなくなる部分もあり、最初から最後まで楽しめます。 | ||||
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この本を読み終わったときに感じたものは、恐怖と快感。 テンポもよくて、読みやすい。 場面ごとに目線が変わるので、感情移入しやすく、どんどんのめり込んでいく。 でも、結局うやむやのまま終わってしまうところもあり、そこは残念。 ちょっとわざとらしい結末だけど、これはこれで良いのかな、と。 | ||||
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初めてこの作家の書籍を読んだ。 一言で表すと「怖い」としか言いようのないサスペンス小説だ。 冤罪で無罪となった男が隣に越してくる。 とても穏やかな紳士でとても親切なのだが、どうもおかしい。 元裁判官の家庭に次々と不思議なことが起こっていく。 結末はどうなるのか・・・ 最後では、これまでの事件の真実を明らかにして欲しかった。 どこまでがこの「男」の犯行で有ったのか。 途中で、登場人物が語るもののどこまでが真実であり憶測であるのかが定かではない。 読んでる途中、何度も「怖い」と感じた。 まあ、面白い本だったがちょっと怖すぎる。 | ||||
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初めてこの作家さんの作品を読みました。中々面白かったです。最近はつまらない本が多くて、買うのに30分以上迷うこともしばしば。しかしこの本は読んで良かったと思いました。登場人物の台詞が長く、その台詞によって色々なことを説明していますが、むしろその方が分かりやすくなっていて良かったです。 そして、「こういう人いるなぁ〜」とも思いました。私自身が、人から親切にされることがあまり好きでなく、必要以上に親切な人間に対して猜疑心を抱く傾向があるので感情移入しやすかったです。この本を読んで、犯人に同情する人はきっと武内に似て、自分のした親切行為に対して見返りを無意識的に要求しているのではないでしょうか? とにかく、「こういう人いるよなぁ〜」の一言です。 | ||||
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深く考えずに楽しめる良質のサスペンスだと思う。 なにしろ、世間からは殺人鬼と見なされ死刑判決もあり得た男に、証拠不十分などで無罪を言い渡したところ、この元被告がなぜか自宅の隣に引っ越してくる。このシチュエーションは想像するだけで怖い。 裁判官の立場としては、「無罪」と見なした男。 隣の男の謎めいた言動はどんどんエスカレートしていくが、この男のことを疑うことはかつての自分が下した判決を自己否定することになる。そのため、主人公の行動が後手後手にまわるあたりも見ものだ。 単純な娯楽作品なので、冤罪とか司法制度の闇とか、そういうことを深く考えたい人には、向かない作品ではある。 | ||||
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ストーリー自体は面白いと思う。 しかしいかんせん、文章が下手すぎる。 直接的・説明的な形容詞に頼りすぎていて 登場人物それぞれの感情の機微を“描写”しきれていない。 描写ができていないから、登場人物に感情移入もできず 唐突な言動の変化にもついていけない。 「〜〜だなと○○は思った」なんて記述が頻繁に出てくるし 文章に厚みや深みといったものが全く感じられない。 まるで中学生の作文のような稚拙さ。 一家惨殺事件で武内が背中に負った傷の原因、生成方法も もったいつけたわりにはトリックとも言えないようなパッとしないものだし “謎解き”などという要素はどこにも見当たらない。 プロの小説家が書く作品としては「未熟」としか言いようがない。 | ||||
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いや、家族間のなかのちょっとどろどろした対立も非常によく書けていてうまい。このレベルの作品に文句をつけることもないのだけれど、気になったこともある。 犯人がまるわかりであることは、まぁ、べつにミステリじゃないからいいのかな。ひとつのテーマであるはずの裁判官の話が中盤にひたすら無視されまくっているのと、あと、中盤やっぱりだれ気味であることが弱点。 しかし、それでも良質です。これだけかけていればいいです。 | ||||
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氏の代表作「犯人に告ぐ」より前にこちらを手にとった。 梶間家の隣にかつて勲が裁判官として無罪を下した男武内真吾が引越してくる。 その日から勲の妻尋恵、息子俊郎、その妻雪見などの心の揺れが 徐々にゆがみ、噴き出していくことになる。 それはあたかも勲の判断から出た火の粉が降りかかるようだった。 読んでいて息苦しさを覚えるように梶間家の緊張が高まっていく、 何より武内のような男がいったい何者なのかがなかなかつかめないのが ハラハラさせる。 一家(と読者)はやがて、あらわされた真相に戦慄することになる。 しかし、細かいところで「あれは結局どうだったの?」という解決が 行われていないような気もする。 が、まさに現代的なスリラーであることは否めない。 | ||||
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この物語のストーリ展開は淡々としたものだが、無罪釈放となった武内真吾の異常な心の内を、彼のごく普通の行動を描くことによって、更に増幅させるという心理的効果を狙っている。読者の内面に戦慄を徐々に浸透させ、それでは武内が身体に受けた深い傷は?という謎解きに惹きつけられる。 武内、裁判官から大学教授になった梶間、彼の息子の嫁雪見。この3人の絡みは絶妙である。武内の梶間一家に対する、何気ない言葉と行動によって伏線が微妙に張られていくという感じだ。 著者の最高傑作。 | ||||
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あらすじは、とある家でおきた一家惨殺事件、警察もその犯人の手掛かりがなかなかつかめない。難攻する事件で、警察が炙り出した容疑者は、その事件の被害者であり、唯一の生き残りである被害者の友人・武内。警察に追求され、武内は自分のした罪を認めるも、無理のある動機と、武内の背中につけられたひどい打撲傷、それらをふまえて裁判長・梶間が出した判決は「無罪」。 しかし事件はこれで終わりではなかった。数年後、梶間の家の隣に武内が引っ越してきた。それから梶間家で起こる不可解な事件の数々、いったい武内とは何者なのか?梶間の判決は間違っていたのか・・・ なぜ「無罪」にした裁判官の家の隣に住み、不可解な事件が起こるのか?それは読んでいくうちに序々に明らかになっていきます。ただこの物語、犯人に全くひねりがなかったです。物語中に出てくるトリックの種も、そんな大したものではありませんでした。 この物語、「武内という男の性格」を描くことが作者は大変だったのではないかと思われます。1冊を通して、武内という1人の男を、多くの人々の話から構築していくことによって、読者に納得させる必要があったのではないのでしょうか。 | ||||
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ゾクリ。推理小説かと思いきや、ホラー仕立ての『世にも奇妙な物語』に近い物語。証拠不十分のため、一家三人を殺したとされる男・竹内に無罪を言い渡した裁判官・梶間。2年後、竹内は梶間の隣に越してくるが、その日から梶間一家の周りで奇妙なことが起こり始める…竹内は善良な隣人なのか、凶悪な殺人鬼なのか?何が真実なのか?先の読めない展開にドキドキしながら一気に読んでしまった。裁判の小難しい場面からはじまるので、初めは読む気が失せてしまったが、それも一瞬のことで、ラストまで飽きずに楽しめる。姑の介護に疲れる梶間の妻や、子育てに悩む梶間の息子の嫁の苦悩を実に丁寧に描いている。「作者は本当に介護や子育てをしたことがあるのだろうか」と思うほど。家族が崩壊していく様子がとてもリアル。余談ではあるが、私は梶間の息子に最後までイライラしてしまった。読んでもらえれば分かるはず。笑 | ||||
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裁判官が、ある刑事被告人を無罪にしたところからこの物語はスタートします。冒頭からミステリーの臭いをしっかりと嗅がせてくれますが、物語の大事な伏線となるのは著者の描く、何気なくそして、どこの家庭にでも起こりうる日常の人間ドラマです。この描写があまりにも素晴らしく、心のヒダを描いており読者の感情移入を誘っています。家族とのやりとりは、「ドキュメンタリーではないか?」と思わせるほどで、ふと気がつくと著者のプロットするミステリーに嵌り込んでおり、今度はこのミステリーを追いかける事に夢中になってしまいます。誰が犯人なのか、その犯行手順は?と最後まで読む者をヒヤヒヤさせ、ページをめくるのももどかしくなりました。久しぶりに面白いミステリーに出会った、という気持ちで一杯です。 | ||||
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善人なのか狂人なのか、見極めようとハラハラ読んでいる内はなかなか面白かったです。細かい心理描写とリアルな人間ドラマで丁寧に外堀を埋めていて、読み応えがありました。しかし、コロコロ変わる視点はちょっと気になりました。雪見さんの一視点で固定しても良かったような気がします。貴志裕介の「黒い家」を彷彿とさせる怖さがありましたが、意外性はもうひとつでしたね。 | ||||
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怖い。ものすごく怖い。そして面白い!すごいスピードで一気に読んだ。とにかく続きが気になって、ページをめくらずにはいられない。閑静な住宅街に住む元裁判官。ある日隣りに昔自分が受け持った裁判で無罪にした元被告人が引っ越してきた。再会を喜ぶ元被告人っだったが、それからというもの小さな問題は抱えてはいるが平穏だった家庭が、音もたてず、自分も気付かない内に静かに静かに崩れていく。手を打とうと思った時にはもう遅い。全てが狂った後だった。徐々に明らかになっていく隣人の素顔。気付いたときには・・・。とにかく隣人が怖い。得体の知れない恐怖がビシビシ伝わってくる。生唾飲みながら、ドキドキして読み進む。手がじっとりと汗ばんでくる。文章から目を離した時に、大きく息を吸い込む。緊張していたのがわかった。怪しい人物がたくさん出てくる。一体誰が嘘をついているのか。隣人の本当の素顔は?一時は頭がぐちゃぐちゃになる。しかし、待ち受けていた結末は・・・やっぱり恐怖?読み終わってすぐ、「これ面白い!」そう母に薦めた。次の日から家の食卓は手抜き料理で埋めつくされた・・・。 | ||||
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