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火の粉
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火の粉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全216件 201~216 11/11ページ
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サスペンスであるが実にヒューマンなドラマまるでドラマ見ているような展開と読みやすさ。次々と降り掛かる「火の粉」の様が文章からじわじわと侵食してくる。ロビンウィリアムスの主演の映画で「one hour photo」というのがあったがそんな不気味さ、病的なまでの(犯人の)思い込みが感じられる。犯人探しのサスペンスではなく、あきらかに最初から怪しいのだが、確信が最後まででてこない面白さ、犯人の言葉になんとなく読者もだまされていくような感覚を十二分に感じられる。文庫では上下巻だった「虚貌」にもまして一冊にまとまった「火の粉」は読みやすく感じられた。「冤罪」「裁判官」「幼児」、よく取材がされていてそれもまた読みやすさのひとつであったと思う。それぞれに顔をもった家族や心に変質と思われるほどのキズをもってしまったキャラクター設定は秀逸。また、家族とは、「所詮赤の他人の集まり」という部分と「心の強い結びつきの共同体」という家族のあり方の二面性も小説の中で描いていることに注目です。 | ||||
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これは展開に嵌るとなかなか面白い小説だ。「虚貌」でも終盤魅せた一気に読ませると言った作家らしい書き方がここでも上手に発揮されている十も思う。タイトルもナイスだ。 元裁判長の梶間勲。勲が死刑かと思われた一家3人殺害事件の被告武内を無罪とした。そしてその2年後の現在。隣の空いた土地に引っ越してきたのは2年前に無罪判決を下した武内。何を思いわざわざ裁判長の隣に越してきたのか。そして武内の存在が梶間家に与える影響は。勲達一家は火の粉を振り払うことが出来るか。 うん。なかなか面白い題材だと思うがこれをどのように小説化していくかが作家の見せ所になってくるが。「虚貌」で福井晴敏から賛美を受けていたが並の作家じゃない、というのは容認済み。その中で読んだ本作。「虚貌」のような意外性はないもののスリリングな展開はストーリーを大いに盛り上げてくれる。 前述した「虚貌」でもそうだが更にスピーディーであり中盤からは一気に読ませてくれる。なかなかこう、家族がいる中で登場人物をそれぞれ創り上げて更に展開をそれで盛り上げよう、というのは難しい気がするのだが。妻や息子の嫁の視点から見る武内の存在。そして事件の遺族は。 ラストは「リセット」のように大方は見え透いているのだが。それでも終盤のゾクっとする感じは耐え難い。それに加え恐怖感も襲いかかる。本作を書くのはやはり容易じゃないだろう。勲にしても誰にしても武内の性格と存在の意味を見分けなければならない。それが叙述でゆっくり分かってくるだけに手が止まらなくなる。 最新作「犯人に告ぐ」は福井晴敏、横山秀夫。そして途中が気になって風呂で読んだという伊坂幸太郎に絶賛されている。これもまた面白く、より雫井脩介という存在が大きくなったものだと思う。読んでいないがそのうち読めるといいな。如何せん双葉社なので文庫化されると探すのが大変だからなあw | ||||
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雫井さんは天才ですね…早く寝たい日には読まないことをオススメします。いつも寝る前に本を読むのですが、この本は、読むにつれどんどん目が冴えて、続きが気になって気になって、気づけば外は明るくなっていました。すごいです。覚悟して読んでください。 | ||||
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世間を騒がせた事件が無罪となり、その事件を最後に退官する主人公大学で教鞭をとる主人公に2年の歳月の流れは事件に巻き込まれる、穏やかな日々を慢性化させるに十分だった元裁判長を主人公に置き、私刑判決の重荷と人が人を裁く裁判の難しさ見破れなかった真実が火の粉となり周囲の人々に飛び散る謎が解明されてゆく結末で、ミステリーとして構成の甘さが若干残るしかし、事件に巻き込まれて行く元裁判長の性格や背景が緻密なためぐいぐい読まされる | ||||
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自分が無実を言い渡した被告がある日、隣に越してくる。そして、親切ではあるが、ひたひたと自分の家庭が浸食されていく。ひとつの事件から自分の降りかかった「火の粉」を振り払う事ができるのだろうか。いや~怖いです。ぞっとする話です。あきらかにいっちゃってました。その彼が最後に壊れていく瞬間の描写がとてもうまかった。 | ||||
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はらはらとひとつずつ落ちて来て小さく燃え上がる「火の粉」を描写するために、作者はかなりの枚数を割いて梶間家の日常を描いて行くのだが、残念ながらストーリーが散漫。作者が梶間家の日常をリアルに浮かび上がらせようとすればするほど、直接的にストーリーとは関係ない登場人物が増え、脇道のストーリーが深く展開されている。例えば児童虐待や、昨今言われている "児童虐待する親は自身も幼少期に同様に虐待されていたことが多い" という研究を踏まえてのことと思われる描写も、作者にとっては設定上の重要な要素だと理解はできるが、読者にとっては脇道に過ぎない。そして、本当の主人公であるべき元裁判官の梶間勲は、家を振り返らないばかりに火の粉を見過ごしたという設定のため、ほとんど描写されることがなく、嫁の雪見や妻の尋江に関する描写に紙幅が割かれている。こうした脇道が必要なことは確かなのだが、結果的には主人公が誰なのか今ひとつ判らないまま読み終わってしまい、主人公への感情移入がしづらくなっている。かえって雪見の視点で統一して描いた方が「火の粉」のリアリティを読者に植え付けることができたのではないだろうか。帯やレビューなどから結論は見えているだけに、余計にそうした説明・解説的なストーリーが連続する内容はきわめて平板に感じて退屈だった。一応読み切れたのとストーリーの最後のスピード感で救われたので1つ加点したが星ふたつ止まり。 | ||||
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物語の発想はいいと思ったんですが、いかんせん登場人物に人間味が全くないですね。シナリオ通りの脚本を棒読みさせられてるみたいな、誰一人感情移入できませんでした。一人一人の行動に辻褄があってるようにも思えず、無理やり話を展開した感が否めません。オチも非常にお粗末なものだな、と思い、みなさん高評価ですが星ひとつの評価とします。 | ||||
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1年前に起きた一家3人殺人事件、裁判官の梶間勲は、被告人の武内に、証拠不十分として無罪の判決を言い渡す。2年後梶間は裁判官を退官し、大学教授となった梶間は武内と再会し、梶間は武内をゼミに呼ぶ。その後偶然隣りに武内が引っ越し、梶間の家庭と家族付き合いが始めまる。……設定にちょっと無理があるが、エンターテイメントとしては申し分なし、一気に読まされた | ||||
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一番最後に、心に残った言葉は「死人に口なし」今回の場合は、悪い意味でかな??しかし、自分(裁判官)が「無罪判決」を言い渡した人間が、自分の隣に越してきて、それから、裁判官の家族の中に、取り入っていく様は、すごいなあ・・・そして、気に入らない相手は、「排除」していくという今回の犯人。彼は「異常な性格」を持っており、自分を、受け入れてくれる人間には、なんでもし、少しでも受け入れられないとなると、どんな些細なことであっても、「殺し」にまで発展してしまう。かなりな極端な性格。+「自傷行為」つき。こんな人間に太刀打ちできるのだろうか??読んでいて、どんどん化けの皮が剥がれる犯人にゾクゾクした。 | ||||
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無罪判決を言い渡されながらも冤罪者をみる世間の目にはどこかに「もしかしたら本当は・・・」という疑惑を含んでいる。いくら人より温かく優しくしていても彼は「もしかして・・」という疑念を拭い去ることが難しい。それに加え彼の周りに起こる事故、不幸、トラブル。はたしてこれらの事は彼の仕業?それともあの人が?無罪判決を下した元裁判官の隣に越してきた冤罪者。このこと自体、偶然なのか?意図的なのか?事の次第が全て明らかになるラストまで一気に読み通せる秀作。特に家庭の中における主婦の立場の描写が絶妙で女性には特にお薦めします。 | ||||
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犯罪小説にホラー小説のエッセンスを加えたようなミステリー。冤罪をテーマとした物語だが、硬く思い文体ではなく一気に読みこなさせる。有罪か無罪かの有無を問うよりも、主人公の家族に次々と起こる災いが逆に次への展開を読者に期待させる。 | ||||
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冒頭からの展開が読めてしまうような単純なストーリーながら、微妙に予想が裏切られるので飽きずに最後まで一気読みできます。かなり性格的に異常な人が主人公ですが、異常ながらも適度にリアリティを保っているので、「こんな人いるかも…」と怖さも倍増します。ラストについては賛否両論あるかも知れません。ただし、そうなることの伏線もきちんと引かれているので、私は特に不自然とは思いませんでした。エンタテイメントとして純粋に楽しむもよし、家族間の信頼が崩れていく過程の心理描写を愉しむもよし、退屈せずに読み切れる一冊です。 | ||||
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あっという間に読み終えました。ストーリーの展開が予想できず、最後までハラハラしてしまいました。近年まれに見る面白さ!読み終えた後に、もしかしたら自分もこういう目に遭うかも・・・と思ってしまいしばらく怖さが後をひきました。 | ||||
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自分が下す判決で人を死に追いやることになったら・・・。もしそれが冤罪だったら・・・。裁判官の勲が抱える心の葛藤。くだした判決無罪。その男が自分の隣の家に引っ越してきたことから始まる、家族の微妙な心のずれ。男が越してきたたったそれだけのことが、こんなにも家族の間で溝をつくってしまうとは。読み出したら止まらない。勢いのある内容です。読書開始からぎゅっとつかまれた感覚で、面白いです。後半御馴染みの展開かな?というのは否めませんが、それでも一読の価値ありです。 | ||||
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原稿用紙720枚の作品なので、長編の部類だが、かなり早く読了できた。著者は専修大学出身とあるが、そのためか語彙や的確な状況説明にかける部分があり、ストーリーとしては面白く時間つぶしにはなるが、それ以外の付加価値はおよそかいむではあった。 | ||||
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裁判官・梶間は一家惨殺事件で起訴された武内に無罪を言い渡す。数年後、大学教授となった梶間の前に姿を現した武内は、隣家に引っ越して来る。果たして偶然か? 母親の介護を手伝うなど親切な武内は、徐々に家庭に入り込むが、それにつれ、家庭の崩壊が始まる。そこに惨殺事件の被害者の家族が現れて・・・。梶間一家は、「火の粉」を振り払うことができるのか。読み始めは、「十三階段」の裁判官版を思わせるが、徐々に「黒い家」や「ミザリー」に似た、「次に何が起こるのか」という恐怖に支配され、ページを捲る手か止まらなくなる。私にとって「模倣犯」以来の徹夜本となった。評判を呼んだ前作「虚貌」を遙かにしのぐできばえで、ミステリーの中でもホラー色の強い作品である本作は、2003年を代表するミステリーとなるだろう。当然評価は星5つ、購入して損のない一冊である。評判を呼ぶ前に購入されてみてはいかがでしょう? | ||||
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