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(短編集)
おそろし 三島屋変調百物語事始
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おそろし 三島屋変調百物語事始の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全135件 101~120 6/7ページ
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宮部さんですから、文章は上手く読ませるのですが、話が怖くないのですね。文章が下手でも怖いほうがいいと思いますよ。残念です。 | ||||
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そして、こわいっっ!! タイトルが『おそろし』ですが、ホントに怖かったです。 宮部さんの江戸ものはハズレなしですが、今回は長編なこともあり 少し深いお話です。 宮部さんの怖いは、文章の厚みから滲み出す感じがして・・・ おたかさんの話の当りを油断して寝る前に読んでいたら怖くて怖くて・・・ おちかさんまではいかなくても、こういう後悔とか不満とか天災みないな不幸とか 多かれ少なかれきっと誰にでもあることで、それをどうやって乗り越えて行くか、、、 みたいな事が描かれていて、最後は心が柔らかくなりました。 〆が物語風に終わっていたのが、かわいくて私は好きです。 | ||||
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うーん。この構成だと、最終章では主人公と同調して癒しを体験したい。涙の一つも流したりして。 そういう枠組みの、小説だと思います。 しかし…うーん、泣けなかったですね。私、結構泣き体質で、つまらなくても、白けてても泣き要素入っていればそれだけで泣けるんですが。 個人的には、4話がどうしても作者の意図したような「どんな辛い目に遭った人でもいつかは笑える日が来る」という話として読めなかったのが最大の理由でした。「いや、これで片付けちゃダメだろうこの話」と思っちゃって、そればっかり最後まで気になってしまったので、全然癒しの流れに乗れなかったのです。 1話の方向性でずっと行ってくれたら嬉しかったのですが。 全然関係のないはずの話が、要素でだけつながっている、という形式は好きでした。 読売新聞でやっている続編がより良い形で進んでいってくれることに期待して、☆3つです。 | ||||
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宮部みゆきさん、大好きだったんですけど最近のものはあまりおもしろく感じられなくて、離れていました。機会があって久しぶりに手にとってみて「やっぱり・・・」と再びがっかり。 話運びは相変わらずお上手で、ぐいぐい読ませるのですが、ところどころで「え?この人がこんなこと言う?」とか、「その展開には必然性が感じられません!」という気持ちが湧いてきて話に没頭できなくなり、最後のオールスターで「ありえないだろ〜〜〜!」と机をひっくりかえしたくなりました。 ・登場人物の像が完成されていない ・話が単調(特に殺し方の類似) ・無理やり作者の望む方向に話を持っていき強引に終わらせている 無理にまとめたり解決したりしなくてもいい問題を、解決しようとして間違った答えを出した感が強いです。 杉浦日名子さんの百物語を例にあげてる方がいらっしゃいましたが、同感です。全て説明がつく物事ばかりでこの世が構成されているわけではありません。うらみつらみと関係なく不思議が存在し、理解できないしする必要も無いそれらを蛍光灯でてらして解剖してみたところで無粋なだけです。 宮部さんは昔、本作品では脇役におかれたお吉さん、宗介さんのような人を主役にして珠玉の小品を書かれていたんですけどね・・・救われがたい運命に落ち込んだ市井の人々。改めてかえりみられることのなく、自ら声をあげることもなく静かに世を去っていく人々を。 多分続編ではおちかと清太郎がいい仲になるんでしょうね〜〜〜全然読みたいとは思いませんが。 | ||||
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ただ怖い話を並べるわけでもなく,百物語の「人が語る」という面白さを活かし,なおかつ一つ一つが主人公の心のしこりを解いていくという趣向は新鮮である。 第5話は大団円にしてあるが,映画だったら魂が抜けたおちかと心配する周辺の絵がだせるからもっと分かりやすかったろうに。 読売新聞で続編が連載中。 | ||||
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人は、人に語ることの無い物語を、人生の中で溜め込んでいく。 それは、澱のように人の中に沈殿し、発酵していく。 主人公の少女は、そんな澱を内包し、人生のまだ出だしの段階でその人生を表現する事を閉ざしてしまっている。 そんな中で、起きる様々な偶然。それはまるで、あやかしが彼女の人生をこじ開けようとからかっているような。 この本の評価が分かれるのは、この小説を物語として読むか、人生の示唆として読むかの違いなのだと思う。作者は多分、閉じてしまった人生が明かされることでの妙を表現しようとしたのだと思う。それが、静かに語られる事を良しとしない場合、この本の評価は下がるだろう。 「静か過ぎる」と。 が、静かに進行する物語の中のそこここで、叫びだしたいような「思い」はちりばめられている。是非、その思いを見つけて欲しい。 見過ごしてしまいそうな、静かな、けれども叫びだしたいような強い思いに、自分が生きている中で出会う周囲の人々も自分も、実は囚われているのではないかと思い至る事ができるきっかけをこの本は見せている。 | ||||
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宮部みゆきの著作を初めて読みました。 結果から言うと「よく分かりません(評価不能)」です。 感動の最新刊という帯の意味もよく分かりません。 でも、こんな長い本を書くことができる才能には脱帽です。 | ||||
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もっとしみじみとした小説だと思って読んだが、そうではなかった。 「霊験お初」や「あかんべえ」のように最後に魔物と対決するという小説だった。 ほかの人に指摘されているように最終話は強引さを感じるし、子供だましとも言える。読んでいるときはそれなりにおもしろかったが、宮部みゆきの小説としてはあまり良いできではない。人に推薦はできないなあ。 | ||||
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主の伊兵衛が振り売りからの一代で作り上げた袋屋の三島屋,その奥座敷にある「白黒の間」。主人が儚いものと嫌い植え付けなかった花木であったが,いつしか人群れの曼珠沙華が根を下ろした。川崎宿出身の主人の姪:おちかが奉公にあがったのはこれが根を下ろす少しばかり前であった・・・第1話『曼珠沙華』 申し訳ないが作者の本の中ではあまり読まない時代物に手を出してみた。記憶では文庫版の「ぼんくら」以来であった。構成としては訳ありの姪のおちかがいつしか「白黒の間」で行うことになった世にある不思議話百物語をあつめることになる。そのそれぞれの話による短編集であるが,最終話でそれが1つの収束するという形である。やはり時代物独特の言い回しなどが苦手な私にとってはそこに至るまでの壁がある。しかし,読み始めればその世界にいつしか引き込まれどんどんページが進んでいった。いちばん「おそろし」かったのは『魔鏡』かな? | ||||
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宮部さんは、現代が舞台の小説もおもしろいですが、 江戸時代物になると、本領発揮という感じです。 人間の心の奥のどろどろと江戸時代のおどろおどろした世界と。 話の展開に無理がある、論理的でないという感想も多いようですが、 人間の感情自体が、論理的ではなく、 わがまま身勝手なのですから、これでいいのだと思います。 恐ろしいのは死霊ではなく、 生きている人間の妄執がそれを呼び寄せるのだということと思います。 たぶんシリーズ化されるのでは?というラストでした。 続編、楽しみにしてます。 | ||||
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面白くないわけではない。 宮部さん独特の「ずっと登場人物たちの生活を見続けたくなる」ような書きっぷりも健在だと思う。 でも、「ぼんくら」、「日暮らし」、「あかんべえ」、「孤宿の人」など最近の江戸もの長編の珠玉の出来に比べるとどうしても劣る。かなり劣る。 他の作家が書いたのなら星4つかもしれない。 期待していた分、そして前半からのめりこんで読んで、これをどう収めるのだろうとわくわくして読んだ分、後半の子供だましのような展開と結末にがっかりしてしまった。 | ||||
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背景の描写の繊細さ、主人公:おちかや、おちかに物語を聞かせる人々のもつ「心の闇」の、読み手にせまってくるようなリアルさ、どれをとっても、宮部みゆきという作家の筆力の高さを思い知らされます。 しかし最終話は、おちかの心の闇とおたかの心の闇が、つながりを持つという設定に強引さを感じましたし、おちかが非現実の世界に足を踏み込む部分では、話運びに子供っぽさを感じました。 | ||||
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面白いです。 妙技というか、さすがは宮部みゆきの得意とするフィールドというのでしょうか。 主人公の「おちか」が三島屋を訪れる人の話を聞いていくという展開であり、話の語り手が変わっていくので一辺倒でなくあきがきません。 話の中身は、不思議で恐ろしい話でありながら、それは悲しく心を揺らす話でもあり、全体の話のバランスがすばらしいです。 最終話のくだりについては、賛否両論あると思いますが、私はあの終わりかたを期待していましたし、おちかの成長が見て取れる展開ということからも、話の末尾を飾るにはちょうどいいと思いました。 ただ、最後の最後になぞが残ってしまいました。 次回へのさりげない示唆なのでしょうか。 次回作が出ることを期待します。 | ||||
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1話が一番完成度が高いように感じました。2話もなかなかの怖さでしたが最終話に繋がっていくと思うとちょっと……。そして主人公自身の話である3話が挟まり、4話は(話の内容自体は怖いですが)主人公の心を癒すためのお話。最終話は……展開がかなり強引なものに感じました。 このお話は最終話が始まった辺りから様々な場面で不自然に感じられるというか、作者がそう言わせたかったから唐突に言わせてみた、という印象を多々受けました。無理矢理書き繋いでいるという感じです。主人公の心が癒されていく過程において、主人公がお世話になっている叔母さんの言葉(主人公が気にかけていなかった人々はどうなるのか)というような台詞の言い回しなどに違和感を感じたり、ラストで敵?を説得するシーンもなんだか主人公一人で色々言っていて、読者は相当おいてけぼりにされているような。。。 宮部さんの時代小説でこのような強引な印象を受けたのは初めてでしたので驚きました。この作品は短編集で出した方がよかったのではないかと思います。無理矢理救済ストーリーにしなくてもよかったのでは……なんだか主人公が救われているのかいないのかよくわからないまとめになっていたように感じてすっきりしませんでした。そして最後に出会ったキャラとの会話から続き物になる予感がしました。次のお話でこの消化不良な部分に関して掘り下げてもらえればいいのですが。良助さんのこととか。 長編としてはあまり……と感じましたが各話の怪談は怖くて物悲しさが漂っていてよかったと思います。特に彼岸花の話がお気に入りです。 | ||||
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●まず時代小説なんですがあまりその点で手を控えている人は誤らないでください。普遍性のあるテーマばかりですからあるあるという感じでドキュメンタリー感覚で読めると思います。時代小説の設定や風景に頼るところは全くありませんので純粋に登場人物の心の動きを探る楽しみ方ができます。●ただ異様に過激な暴力が多くときには死につながり後味が悪いです。経過までの心理描写は納得行くのになぜか暴発の引き金が不可解で非常に混沌とした印象です。刃傷ではなく大抵棒だったり素手なので執拗で凄惨です。ちょっと何とかならなかったのでしょうか。昔のような闊達さや人間の英知、動機・結果の納得感のようなことが最近の作品からはトンと失せてます。●特に気になったのは中盤終わりくらいのお福という女性のみにまつわる一件、有能で忠義深い使用人を非常に理不尽な形で失っています。それなのにお福はあまり苦悩していないし、その張本人であるお福の父親と犠牲者があるきっかけでまた出会いますがやはり詫びていません。江戸時代の奉公人に対するあるじの一般的な振る舞い考え方を冷淡に切り取っているのですがこれもやはり私には不可解で暗い影を落としました。●終盤は何とかならなかったのでしょうか。なんだか急にファンタジーですね。幻想的な雰囲気を伝えるために心理よりも風景描写が多くなんともいえない膠着状態になります。この前まではスイスイページをめくっていたのですが急に読みづらくなります。宮部さんはファンタジーになると結末の描写が異様に丁寧になるので非常に失速するんです。もうちょっと人間自体の描写に傾けたほうがいいと思いますけど。会話の応酬で補ったり。一応会話はあるのですが暗示的で分かりづらいです。 | ||||
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ジムワークの帰りに立ち寄った書店でふと手にとる。 で、そのままスターバックスでしばし読み耽ってみる。 なるほど、面白い。日本人の端くれならば、みな百物語とか怪談とかには目がないわけだし、平易な文章で頭も疲れない。コーヒーのトールサイズをゆっくり2杯飲む間に読んでしまう。 だが何か物足りない。なんだろう。 そこでもう一度書店に入り、ハーンの『怪談』を読んでみる。で、なんとなくソレが分かる。 この平成の怪談には、『不条理』がない。起こった事象の一つ一つ、出てくる亡霊にまできちんと理由があって、分かりやすい悪役も用意されている。つまりとても読者に親切に出来ている。 語り手が過剰に説明してくれるために、テーマパークのライドに乗っているような気分になってしまう。エンターテインメントとしては、完璧だ。 だが、かつて日本人の原風景の中では、人間の思慮の及ばない理や力が、人間の意思とは無関係に存在した時代が確かにあった。 それは理屈や説明を拒絶する何かであり、必ずしも劇的ではなく、必ずしも恐怖でもなかった。だが人智の及ばないそれを、我々は『怪談』として語り継いできた。 だからこそ『kwaidan』や『遠野物語』の中に見られる民話群は、かつて日本人のすぐそばにあった怖れや畏敬を淡々と今に伝え、心の奥底で『恐怖』の原型を醸成している。 『おそろし』というこの小説には、そういった人智を超えた畏れは存在しない。あるのは『恐ろしいのは人間の情念、歪んだ感情なのだ』、という分かりやすく単純なメッセージである。 つまるところ、この小説は『怪談』ではなく、オカルト活劇、もしくは『モダン』ホラー小説の類なのであろう。その意味では十分に楽しめる作品だ。 そういえば今は亡き杉浦日向子氏の『百物語』には、失われた『不条理』が数多くちりばめられていた。そしてあれは怖かった。 | ||||
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はずかしながら、某、宮部みゆき殿は小学生の息子の国語の問題集で「火車」が出てきて読んだのが初めてでした。短い抜粋ながら深い視点の切れのある文章が印象的でした。 で、この「おそろし」を初めてきちんと宮部作品で読ませて頂いたのですが、うーん文が上手い!流れるような文体で情景がスムーズに浮かびサクサク読めます。ベストセラーになるわけだ。 内容も人の心の奥の深い部分に迫ってきます。まさに人間であるが故の「おそろし」。 中でも最終章でのあやしの家の家守の言葉が心に染み入ります。人は自分の視点でしか世界を覗く事はできず。全ての人を救う事はできない。でも、自分のできる範囲で精一杯生きて行こうと決心したおちかの心意気に共感です。 おまけですが、江戸の情景や設定も細かく、江戸風俗案内としても楽しめます。 真っ黒の絹布団にあんな艶っぽい話が出てくるとは、正に江戸のないしょ話。 | ||||
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読み終わった後、 これは宮部みゆき版「シャイニング」+「ニードフルシング」だと感じた。 謎の屋敷、人の魂を集める男。 キングのテイストがふんだんに感じられる。 大大満足。 時代小説ではあるが、 ストーリーが複数で構成され、 最後にストーリーが重なっていくいく、 モダンホラーである。 こういう小説が好きだ。 今回は「あかんべえ」、「お初シリーズ」より主人公は年長に設定されている。 おちかは自分の過去に傷ついて心を閉ざした娘。大人だ。 従来の主人公はイノセンスで、 そのイノセンスを武器に怪異に立ち向かったいたのに対して、 おちかはイノセンスを失ったがために悩み苦しんでいるのである。 最後の場面で家守にイノセンスの喪失を責められる。 おちかはそれに反発し立ち向かう。 そこが従来の時代物と一線を画す点である。 家守のキャラクターが効いている。 キング的に解釈すれば「悪」の象徴。 「悪」との対決が本作のテーマである。 エピソードの中ではお彩が出色である。 愛と死と恐怖を体現したすごいキャラクターだ。 お勧めです。 | ||||
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宮部みゆきによる百物語。 このようなフレーズを耳にして今回この本を手に取ってみました。 一つ一つの短編の怪異の面白さ。 連作小説のように物語がつながっていて、 その世界観が仕上がっていく様子もまた上手。 読んでいてどんどんと世界に引きずり込まれるように、 のめりこんで読み進めてしまいました。 | ||||
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本書は宮部氏お得意の江戸物であろうが、読んでいると、どんどん辺りが涼しくなっていくように感じた。ラストが魑魅魍魎といったおどろおどろしい世界観に満ち溢れていく。 夏場に読んでおけばよかった。 | ||||
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