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彼岸の奴隷
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彼岸の奴隷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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何十年も前に読んだ、大藪春彦先生を思い出した。ソレをもっと凄惨に描いた感じ。銃撃シーンは大沢在昌先生の感じもあったかなぁ。登場人物の誰にも共感出来ないし、出てくる輩のひとりとしてその精神世界は理解できない。でも、著者はそう云う狂気の世界を描きたかったのかな。 文中「キチガイ」と云う言葉が伏せ字になっていたが、なんの自主規制か検閲か判らないが、やめた方が絶対に良い。日本語文学の衰退に繋がって行くと思われる。 | ||||
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ジェームズ・エルロイを彷彿とさせるノワール感。 首と手首を切断された死体が発見され猟奇殺人を捜査するというミステリー小説の典型かと思わせておいて、一筋縄では行かない。 ミステリー小説にありがちな犯人探しの要素はゼロだ。 そういう小説ではなく、エルロイ的な退廃、人間の業、俗物性をこれでもかと描き出している。 著者の真骨頂である暴力描写は健在であり、血と精液の臭いが漂ってきそうな生々しいエログロ満載だ。 さらに清々しいまでにキ○ガイばかりの登場人物。 小学生を半殺しにして所轄のマル暴に異動になった和泉龍一、脳内妄想で和泉の性奴隷を「演じて」いる川奈智沙、被害者の娘でどこか逝ってる大河内涼、異常な性癖を隠そうともしない暴力団の若頭の八木澤‥‥キチ○イだらけでいちばんネジが飛んでいるのは常識人に見えていた主人公の蒲生信昭だった。 終盤の蒲生のイカレっぷりは、それまで暴虐の限りを尽くしていた和泉が「正常」に見え霞んでしまうほどだ。 ダルマ女、獣●、カニバリズムと悪趣味な性癖を披露しまくる八木澤のキチ○イ度も凄まじいが、それを上回る性的な倒錯を抱えた蒲生の闇もまた深く悍ましい。 昇任試験の点数稼ぎ、検挙率のための足の引っ張り合い、上司の陰湿なパワハラで自殺した警官と隠蔽‥‥警察組織が暴力団よりも恐ろしく感じた。 読了後、虚しさと胸糞悪さに支配されるが全ては和泉の○○だったのか、どこからどこまでが和泉の○○だったのか考察することができる。 | ||||
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登場人物が全てコワレテいて、描写はグロテスクで凄惨なのに、 少しも嫌悪感を感じることなく物語に惹きこまれました。 展開もスピーディーで、和泉と蒲生のキャラクターもハードボイルドで狂っていてよかったです。 愛しいものとのある種の同化についても考えさせられました。 まぁ、でも一番コワレテイルのは、ココで描かれた警察組織かもしれません。 とても楽しめました。 | ||||
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北野武、エルロイ、デビッド・リンチ等、作者が好きなものを詰め込んで煮込みましたという感触です。 とはいえ単なる模倣にはなっておらず、作者なりにエンタメにしようというバランス感覚が窺えたのが良かったです。 ノワールが好きな人ならおすすめです。 あまり売れている作家ではないですけど、例えば馳星周のバカ売れしたノワール作品と比べて質が落ちるなんてことはまったく無いですよ。 売れてるかどうかなんてマス層に引っかかるかどうかでしかない。 そういう意味ではマス向けではないですが……。 | ||||
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秋の夜長のお供に最高の一冊。活字中毒の私を満足させる一冊です。 | ||||
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文章は悪くない。夢中になって一気に読める。いろいろつながっていて大作ではあると思うが。頭のおかしい女2人のリアリティがない。現実にこんな女がいると思えない。とにかく残虐なヤクザのインパクトが強すぎてそれ以外のことが小さいことにしか思えなく読後感が悪い。心臓が弱い人は読まないほうが良いと思う。 | ||||
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主要な登場人物である二人の警官も,暴力団の若頭も,二人の女性も,みんないわゆるまっとうな人間ではない。かれらの愛は歪められていて,「異常」「病的」「変質的」あるいは「変態的」であり,さらには「犯罪的」でもある。 そんな人物たちのどの一人に対しても,嫌悪感や受け入れがたさを感じることなく,むしろ共感や親近感,爽快感すらもって読めてしまうのは,作者が登場人物たちを理性的に愛しているからではないかと思う。暴力描写,異常性愛描写が,なまじっかの「純愛」などよりも,ずっと素直に心に入ってくるのだ。 一種病的で歪んだ世界において変質的な愛を描きながら,愛そのものを追求する姿勢は,『ツイン・ピークス』『マルホランド・ドライブ』『ブルーベルベット』などデビット・リンチの世界にも通じるものがあるように思われた。 病的な愛を通してこそ純粋な愛が追求できるのは,たぶんいまの世界の「常識」や「普通」といった部分が,空騒ぎと流行の薄皮一枚はがすと,どうしようもなく腐臭を放っていて,それは正常な人間が正直に対面しようとするなら精神に異常をきたしてあたりまえというまでになっているからなのかもしれない。 心の壊れた人間,そもそも壊れるところの心すらもってないかのような人間たちの一種爽快な活劇から,困難な愛を志向する作者の知性と怒情が伝わってくる。 | ||||
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鬼畜系ノワールと称される小川勝己の長編第二作目。いやあ、まともな人間がまったくでてこない。これだけやられると逆に気持ちいいくらいである。 みんな脳内で変な物質が量産されているとしか思えないような思想、行動。警察組織が暴力団組織よりも悪の巣窟に見えてきます。暴力団と癒着している警官を全部さっぴくと警察人口は半分になるって本当だろうか? リアルっぽくて恐い。 カニバリズム、近親相姦は当たり前みたいな小説なんで、そういうのに嫌悪を抱く方はやめたほうがいいかも。 | ||||
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~「葬列」に続きスピーディーな展開、無表情で死体を切り刻めるような、そんな傑作をまたしても小川勝己を出してしまった。痛みが感じられない、それでいいのか?と思えるほど刺々しい描写が強烈。登場人物がだんだんと口調に変化が見られ、それを違和感ととるか読み手側の登場人物の本音の会話ととるかそこは微妙だが。登場人物の蒲生、和泉はページをめ~~くるごとに姿があらわれてくる。当初はなんて悪辣なヤツだと思える和泉とカレー好き(作者もきっとカレーが好きだと思う)な単身者であろう蒲生。それがどんどん深いしわを顔にも心にも刻んでいることに気づく、果てはあまりにも重いトラウマを各人物が背負っていることに読者もまた、自分にもそんなトラウマがあるのではないかとおぼえさせる。ニヤリと~~読むか、嫌悪感でいっぱいになるか。正直前者であった。役者の某氏を想像させるやくざのキャラクターは強烈!上半身裸で走る3人組は作者のユーモアをかいま見ることができる。映画化ならR指定確実の描写を身体を震わせて読むべし!~ | ||||
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この作者は、残念ながら過ちを犯してしまったように思います。 | ||||
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曰く、【鬼畜系ノワール】。小川勝己を、そしてこの作品を表すのにこんなにピッタリな言葉はそうはないでしょう。泥沼の中にズブズブとはまり込んでいく…その沼には、底どころか救いとなる一条の光さえもありえない。足掻けば、足掻くほど深みにハマル底なし沼。そして、精神は…常識は…正義は…ゆっくりと壊れていく。エロ、グロ、狂気、暴力などの苦手な方は読まぬが得策。現実世界で巻き込まれるくらいなら死んだほうがましとさえ思うけれど、この壊れた世界に耽溺することは、非常に背徳的な楽しみを伴います。 | ||||
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「このミス」で11位ということでどんなものか読んでみました。帯びにもあるように暴力とセックス、犯罪が次々と描かれていきます。登場人物のすべてが狂っており、胸が痛むほどの過去を背負って生きています。タランティーノの世界が好きな人は読んでみてもよいかも。僕、結構好きです。 | ||||
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