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彼女がその名を知らない鳥たち
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彼女がその名を知らない鳥たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 61~80 4/5ページ
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最後のシーンでは声を出してしまった。 読者に媚びるような文章はまったくなく、気持ちのよい速度で物語は進んでいく。 舞台は大阪、主要な登場人物はどれも人間的に欠陥だらけ。 そして最初から最後まで曇天の中で話が進んでいくような印象だ。 読んでるこっちがあきれかえるような自堕落生活する女主人公。 彼女の生活のすべてを看ているどんくさい初老の同居人、 違う女と結婚する為主人公を捨てた昔の男。 マンネリな一方通行の三者の関係が、最初は小さく次第に大きく欠陥を持つ人々を巻き込みながらラストにむかう。 離婚、浮気、金、出産、リストラ、犯罪という小船まで巻き込んで。 きれいな文章だったので最後まで一気に読めた。しかし読み終わって誰に感情移入していたか分からなくなった。 後味が悪いと言う訳ではなく、予告もなく振り落とされたかんじだった。 時間をおいてもう一度読もうと思っている。 | ||||
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読む人の性別、年齢によって受ける読後の印象は大き く異なると思います。 私は四十代前半の男で、十和子(女、主人公)にひた すら尽くす陣治(男、主人公の同棲相手)、の立場で 読みました。 なんとも切ない物語です。 生理的に吐き気を催す十和子と陣治の日常生活の描写、 精神的に吐き気を催す十和子の振る舞いが延々と続きます。 そして最後には・・・。 ミステリーの形式を取っていますが、捻りはありません。 これは陣治の愛の物語です。最後まで読み通さないと本 作の価値を十分に味わえませんが、読む価値はあります。 男には特に心に沁みます。 | ||||
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軽蔑し、吐き気を催すほどの最低の男と同居し、養ってもらっている主人公の女。家事を一切せず、悪態ばかりついて自堕落な日常を送っている。そんな生活を送るのには過去が影響している。好きな男に散々尽し、性的奉仕まで強要された男に振られてしまった。その空虚感からしつこく迫った最低の男とズルズル同棲し、怠惰な日常を送っている。そんな日常の中で、買った時計のもめごとでデパートの係りの責任者と出会い、浮気をしてしまう。その浮気に夢中になり新しい人生を夢見る。そんな状態の中で、過去の男が蒸発していることがわかる。過去の男が、同居している男に殺されたのではないか?疑惑をもつにいたる。 実際男は殺害されていたのだが、その犯人はだれなのか?浮気していた男との新しい人生はいかに?真実に愛していたのはだれか? とても奥深い本でした。 | ||||
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動きのない前半。そして、衝撃のラスト。この対比に「動きのない前半」が活かされています。 僅かな希望さえない終わり方には読み終わったときは嫌悪感を覚えたのですが、読み終えてしばらく経った今は、ほのぼのとした温かい気持ちだけが残っているから不思議です。 沼田まほかるさんの小説は「九月が永遠に続けば」に続いて2冊目でしたが、また違う構成(仕掛け)に驚きました。才能豊かな作家だと思います。 | ||||
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読み易いそんなに厚くない本から読み始め、結局読みにくそうな本書が最後に残った。 暗鬱な「九月が永遠に続けば」を読んでいる私は冒頭から少し読んで、合わなければ即座に止めようと思ったのであるが、蜘蛛の糸に絡められるように、沼田まほかるの魅力にまたもやられた。 佐野陣治の不潔さ、如何わしさ、優しさや、北原十和子の自堕落さ、一途さ、尻軽さを見ながら、自然と小説世界に入ってしまう。やがて十和子と陣治の奇妙な、そして怠惰な共同生活から、別れても忘れられない黒崎俊一の携帯に電話をしたり、百貨店の水島と懇ろになったりした十和子に対して、陣治は歪んだ愛を放熱させる。 刑事の登場で中盤以降動きがあるが、ミステリーと文学が融合して、興味を膨らませる。 内容的には全然違うが「照柿」(高村薫)のような要素もあるし、桐野夏生風でもあるし、ちょっと古いが西村望に似てなくもない。そして、海外では「無垢の殺人」(ローレンス・サンダーズ)を髣髴させるが、何れもピッタリと表現出来ない。 やはり沼田まほかる独自の世界を構築しているのだろう。読了しても、意味深なタイトルの呪縛から離れられない。 | ||||
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最近、文庫で話題になっているのと、周囲の人から連続して薦められたので読んだ。 タイトルやペンネームから受ける印象で、何となくスイーツな感じの人が読む小説を勝手にイメージしていたのだが、全然違った。 主人公の女は嫌なやつだし、陣治も、どうしようもなく生理的に受け付けないタイプなのだが、最後の最後に、解放されるようなカタルシスがある。 俗も極みに達すると、逆に神聖な域に足を踏み入れるというか、そういう、ちょっと稀な読後感がある傑作だと思う。 他の本も読まなきゃ。そんな気分にさせられる作家。 | ||||
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圧倒的な牽引力でぐいぐい読んでしまいます! しかししんどい。 ものすごく面白い。 が、しんどい。 人に勧められるかと言ったら、しんどいのでちょっと。 でも、最後はもうもう、号泣しますよ! でも人には勧めない。 ものすごくどうでもいいことですが、 わたしの中では木村多江×火野正平で再生されていましたよ。 | ||||
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ティッシュに痰を吐く、汗臭い作業着を食事のときまで脱がない、部屋は散らかり放題の同居人である陣治。物語の前半では、主人公十和子の目線でそのだらしなさ、嫌らしさ、彼への生理的な嫌悪感が念入りに描写される。それでいて陣治は、十和子が疲れているからと体全体を揉んでやったりする一面もある。 だが、十和子には忘れられない男がいた。自分にとんでもなく酷いことをした上、8年前に車から彼女を蹴り落とした男だ。だが、忘れられない。ある日、警察が訪ねてくる。黒崎が3年前から行方不明だという。マンションの前に車を残して忽然と消えたというのだ。十和子は陣治を疑い始める。 十和子はやがて黒崎への寂しさから、水島という男の付き合いはじめる。やがて水島の身辺に不審な事が起こり始める。十和子は真っ先に陣治を疑う。黒崎と同じ様に水島も殺す気ではないか……。そして陣治を殺さないといけないとナイフを買う。 物語は最後を迎える。十和子を深く愛していたのは誰だったのか。そしてその愛の形の奥深さ。事件の真相。その愛に比べて二人の男の吐いた言葉の薄っぺらさ。すべてが明らかになったとき、はじめて分かる。世の中にはこんなにも深い愛の形があるのだと。 前半嫌悪感に包まれ不快だった小説は、自分には一生体験することが無い(だろう)こんな凄い愛に巡りあいたい、という憧れの物語になって終わった。 最重量の読後感。 | ||||
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読んでいると恋愛ってバカバカしいなという気持ちになっていくが、最後の最後でそれでも世の中のどっかに愛があるのかもなと思えた。なかなかの良作でした。 | ||||
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主人公の十和子が魅力的ではなく、始めは感情移入ができなかった。嫌な気持ちになる文章が延々と続き、息苦しくなるような内容だが、是非最後まで読んでほしい1冊。パズルが完成し、衝撃の事実にさまざまな感情が押し寄せてくる。この事実を知った後でもう1度細かいところを見ながら読み直したくなった。 | ||||
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デビュー作からふつう、一人の作家はここまで上昇するだろうか? 作者の年齢を考えたら、奇跡みたいな話だ。 沼田まほかるは現在日本一の作家で、日本の中高年の星だ! | ||||
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ラストは衝撃です。小説ではじめて泣いてしまいました。途中も一度も飽きることなく、夢中で一気に読みました。 この物語を読んでいると 甘い言葉や綺麗な恋愛小説なんか全部嘘そっぱちだ!そんな気分になってきます。 文章も素晴らしすぎて、本当に読んでいて楽しかったです。今もまだ、余韻にひたっています。 | ||||
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読み終えて、しばらく放心状態が続きました。ラストは、衝撃的です。 嫌悪感、軽蔑、怒り、怖さの果てに、どうしようもなく深い愛と光、優しさ、切なさが襲ってきます。読み始めたら、最後まで一気に読んでください。でも、途中でラストを読んじゃダメですよ。こんなに様々な感情を一冊で感じられ、振り回されたのは初めてです。凄い本ですね。 | ||||
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私も、汚い陣治に愛されたくなった。というか、陣治をたくさんたくさん愛してあげたくなった。 目に見えないところに大切なものはある。凡庸な言い方だけど、しみじみそう思った。 陣治の大阪弁のセリフがあったかくて、深くて号泣しました。 人間て、かっこ悪くて弱くて、失ってから気づく、バカな生き物かも。 十和子のこれからが心配です… | ||||
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ミステリーが好きなので、序盤過ぎあたりの伏線からオチは読めてしまい(ミスリードが強硬で、逆にそれだけは違うと思ってしまうし) 実際その通りでしたが、 この小説はミステリーとして読むべきではないと思うので、そんな事は少しも問題ではないかも知れません。 痺れる純愛小説。 オチには気付きましたが、ラストに読者をこんな気持ちにさせるとは想定外でした。 前半はかなり鬱々としていてダラダラ描写が永遠に続きます…しかもオチはあれなんでしょ?早く進んでくれ!と思いながら読んでいたのに。 こんな感動があるなんて、びっくりな傑作です。 | ||||
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成り上がりのインテリ陣治と、海底から徐々に、水面へ浮上する十和子。二人が見ている二つの別世界、 そしてそれらの微妙な交点が、言葉にならないほどに美しい。 陣治は、正気の十和子の心に宿るであろう、あまりにも鋭利な、切り裂くような愛の矛先を、一体どこに 向けろと言うのだろう。何重にも織られた愛の模様は、不可避的に勝者と敗者を分け隔ててしまうのだろうか。 大切な人と語り合いたい一冊。 | ||||
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いやぁ、辟易する、気色悪い、息ができない・・・。 本を読んでて、ここまで陰惨で目を背けたくなる表現 に出会うのも珍しいのだが、この冗長気味の前半が、 主人公2人の心底に流れているボロボロの絆を最後に きらめかせる。 ほんと、どうしようもない2人。 不器用で弱い人間にありがちな理解不能の言動に、 いささかも共感できない。 愚かで汚らしいことこの上ない。 でも、でも、最後の真相を知った瞬間、涙がこぼれる。 そして、男は・・・。 伏線の張り方、回収も申し分なく、妥当な表現かは 迷うが、論理的で納得できる結末。 作風からは予想もできなかったが、読後の今でも不思議なほど、 なぜか「温かい気持ち」になった。 「壮絶な愛の形」なんて当たり前な言い方では、 作品に対して失礼かな。 最後の一文「たった一人の十和子の恋人」。 この強烈な12文字が、いつまでも心に響き続ける・・・。 | ||||
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生理的に嫌悪感を感じさせる陣治とその陣治を侮蔑、罵倒しながらも依存している十和子になかなか感情移入できずにいた前半は読むのがつらかった。この話は本当の愛の物語と言えるだろうが、私には男女の愛の物語でありながら、親子の愛の物語のように感じられた。親に金銭的、精神的に依存しながら、反抗的な子供、子供を愛しながらも表現が不器用な親。陣治の姿は年頃の娘に煙たがられ、疎まれる中年親父たちの悲哀に重なるものがある。ラストの描写にも未来永劫続いていく親子関係、生命の輪廻を感じた。あまりにも陰惨で重苦しい物語を最後に無償の愛へ昇華させたすばらしい小説で、一読をお勧めする。 | ||||
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『ユリゴコロ』で気になる作家さんになったので、こちらも読んでみました。 あちらはわりとこざっぱりと短くまとまっていましたが、こっちはジックリ、ネットリ、ですね。 言葉の迫力に圧倒されつつ、一気に読んでしまいました。 読みやすくはないです。この真に迫る文章の重さは、嫌悪を感じる人もいると思います。 それほどすごい文章ということにもなりますね。 女主人公の同棲している男性を嫌う、呪いのような言葉や手を抜かない性の描写は、 読んでいて目眩がしてくるほどでした。 そこまで嫌いなら、なんで出て行かないのか、別れないのかという疑問が不思議とわいてきませんでした。 こういう女性の思考回路がありありと伝わってきたからでしょう。 そして、皆さんが絶賛なさってるラストですが、期待しまくりましたが、それでも裏切られませんでした。 うー、すごい作家がいたものだと、ただただ感心。次作も楽しみです。ちょっと読むのが怖いけどw | ||||
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読んだ方が良いかと。 ユリゴゴロと違いダラダラが長いのでねw 怠惰怠惰怠惰ズルズル感。最低の女に最低の男 読みながら ...そろそろ面白くなる?よね? ...まだなの?う〜〜ん 起伏が足りないのですよ。 後半まで散々ダラダラした挙句のラスト、 え...ええ?! ...そして涙 読書後の感想を一言で言うと、 『なんでや? なんでぇ...こんなクソ女の為に...? 何してくれてんねん!><ばかぁ〜』 です。 一途で悲しく汚い男に 涙。そして、その男に対し イマイチの不可解さが残る小説でした。 著者の沼田まほかる さん って、社会に不適合なヘン女描くの得意ですよねw | ||||
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