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むかしのはなし
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むかしのはなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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連作の7篇。それぞれ、世界が滅亡に向かいつつある時に、世界のどっかで起こった小さなドラマを語る。各作品の冒頭には、よく知られた日本昔話の梗概。最初はなんで?と思うが、これがのちのちボディブローのように効いてくる。 7篇の間には、登場人物の名前が似ていたり、状況が酷似していたりと、通底する部分がある。でも、完全につながるわけではない。そのすれ違いが、もどかしさとも懐かしさとも愛おしさともつかない不思議な余韻を醸し出している。 たとえば最後の章はいかにもSFらしいタイトル、「懐かしき川べりの町の物語せよ」。なぜ主人公は神保百助、助っ人は、僕、有馬、鳥子の3人なのか。ストーリーテラー、三浦しをんの力量を見せつけられる。 | ||||
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面白くって2日間で読んでしまいました。 | ||||
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やはり伊坂幸太郎さんの「終末のフール」を思い出しましたが、あちらが3年前に対して本書の場合は僅か三カ月前ですから、もうジタバタしても仕方ないなと既に諦めの境地に達している人が多そうですね。脱出ロケットの抽選があっても確率が低くてこれも駄目。ロケット搭乗者が地球残留組に罪悪感を抱くのが切ないですね。古き良き時代の日本昔話が世知辛い現代では悪意と化す傾向が強いのも辛いですが、救いはラストに漂う哀感でしょうね。 本書を読み始めて最初に驚いたのは文体の普通さでしたね。もし著者名が空白だったなら三浦しをんさんが本書の作者だと気づけたかどうか私には全く自信がないですね。それから日本昔話の持つほのぼのとした善良さが損なわれて逆に異端の者や犯罪者が主役なのは著者が意図されての事でしょうね。かぐや姫は運に見放された人気ホスト、花咲か爺は泥棒野郎、天女の羽衣は父の弟に恋した娘、浦島太郎は竜宮丸の漁師、鉢かづきは性同一性障害のタクシー運転手、猿婿入りはサル顔の夫、桃太郎はまじ怖えまじヤバイ男子高校生で鬼はヤクザ、てな具合ですね。 | ||||
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短編集ではなく、連作ですね。出だしは暗いし、どうかなあと読んでいましたが、ラストやられました!感動です。遠藤周作の沈黙を思いだしました。おすすめです。 | ||||
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読み始めたが最後、一気に読みきりました。短編集ではありますが、読み進めていくにつれ、全体に大きな背景があることに気づき、話と話に繋がりが見えてきます。これを言って良いと捉えられるか、悪いと取られるか分かりませんが、ラーメンズのコントライブを見ているような感覚に少しなりました。「アレがこういった形で伏線になってるのか」という感覚。これまでは新書ばかりを読んでいたのですが、小説の魅力を教えてくれた素晴らしい本でした。 | ||||
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漫画をちょっぴり読んで、原作で読もう!と手に取りました。 三浦しをんさんって若い今時の作家さん…キラリ としたイメージで正直苦手でした。 が、いつかの伊坂幸太郎を思わせるようなストーリー運びなんですね。 面白かったです。 昔話を題材としてショートストーリーが進みますが、このやり方。 愛して病まない京極夏彦先生のようで楽しかったです。 それぞれの登場人物が少しずつ関わり繋がり…うん。そうだな。まぁありきたりと言えばそうなんだけど、登場人物に魅力があったのかも。 わりと危なっかしくてぶっきらぼう…だけど真っ直ぐ… そんな人が多かったんじゃないかな。 そういう人って悪いことしてもどっか味方でいなきゃと思わせる人柄の世間ずれしたダークヒーローが落ちていくのは寂しいような応援したいような気持ちになりますよね。 つまり何が言いたいかって。 若い子とかこういうの好きなんだろうな。 読みやすくてドラマチック。 わりとある話。 ちょいちょい柳田國男先生風味←資料で使ってたけど 渋い小説好きな方には陳腐に感じるかもしれないけど、難しいこと考えず映画を1本見るつもりで読むと楽しく読めます☆ | ||||
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誰もが小さい頃に知った昔話を三浦しをんが我流に語り変えてきた物語の短編集。 隕石が落ちて地球が滅びるから、脱出ロケットに乗らなければ生き残ることはできない。 もちろんそれは仮定の話ではあるが、これらの短編は私にはロケットに入ることができた1千万人の中で語り継がれてきたように感じた。 あとがきも素晴らしかった。「なにかを語り伝えたいと願うときとは、きっと何らかの変化が起きたときだろう。」 「ひとは変化する世界を言葉によって把握するものであること。どんな状況においても、言葉を媒介に誰かとつながっていたいと願うものであること。語られることによって生きのびてきた物語は、人々にそう伝えているように思う。」 2017.1.2 読了3冊目 | ||||
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タイトルから昔の話っていう内容を想定して読むのが普通ですが、現在の話にしか思えないと考えながら読み進めると、あっという間に後半へ。日本昔話との関係性が面白い観点ですが、関連してる?っている話もありました。それぞれの話がこう繋がるんだぁという結末。ロケットで地球脱出はなんなんだ?というのが奇想天外でしたが、最後まで読むと納得です。 | ||||
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タイトルの通り、昔話をモチーフにした短編集でありながら、すべてが同じ世界を描いた連作短編集でもあります。 三浦しをんさんの著作はどれもそうだと思うのですが、登場人物がみんな魅力的で、思い入れをもって読み進めてしまいます。 単純に幸せなお話ではないので、読後感は「スッキリ」という感じではありませんが、しっとり余韻が残ります。 ああ、いいお話を読んだ、素敵な人たちに出会えた、という気持ちになりました。 | ||||
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日本の昔ばなしを、現代風にアレンジした7つの短編集。いずれも秀作で、諧謔と人生の哲学的な教訓とが入り交じる文章に、引き込まれた。一つ一つの話は単独でも完結しているが、相互にリンクしているところもあり、また、違う物語間で多々伏線が張られているので、そういう楽しみもできる凝った作品である。 「ひとは変化する世界を言葉によって把握するものであること。どんな状況においても、言葉を通じて誰かと繋がっていたいと願うものであること」 時空を超え現在まで語り繋がれた言葉を読んで、そんな風に感じ取れる作者の感性が、この物語を書かせたのであろう。 大昔の人にとっての、非日常の出来事とは、身近な人間や自分の「死」なのであろう。かぐや姫や天女の羽衣だって、大切な人が天に召されるわけである。作者も未来の人と繋がっていたい伝えたいメッセージを書き残している。 暴れるやつらが言いたいのは、「どうせ死ぬならなにをしてもかまわない」ってことだよな。でも、隕石がぶつかるってわかってから、わざわざそんなことを言い出すのはおかしくないか?死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか。 | ||||
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日本の昔話を現代の話にしたら、というテーマの短編小説でした。と言っても昔話をなぞるストーリーではなく、何百年と経てば同じような言い伝えとなるのではという仮定で書かれています。三浦しをんさんは、想像力豊かな方なんでしょう。題材さえあれば、若い人を主人公にちょっと普通じゃないけどありそうな人を上手に描きます。 | ||||
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人間はなんらかの変化が起きたとき何かを語り伝えたいと願う、本書は むかしのはなしをそれぞれ語る7つの中短編である。 「懐かしき川べりの町の物語せよ」は言葉を媒介にだれかとつなっがて いたいと願う主人公の心情を巧みに描いてる作品である。 | ||||
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-ややネタバレ- この本を購入した理由は「昔話を現代の物語にアレンジした短編集」に興味を持ったから。 実際に、4つ目の話まではそれぞれの話が独立した短編作を読んでいた。 しかし、4つ目を境に、この作品は全てに相関性のある連作だと気づく。 世界の一つの時間の流れが、色々な時間軸から、色々な人によって語られる。 ページをめくる度に、つながりを理解する。 その感覚がたまらない。 全ての話に共通するのは、語り手を取り巻く状況が変化していること。 変化のなかで人は何を語り、何をするのか? 私は今まで、生きることを当たり前と感じていたが、この作品を読むなかで、「生きる」という当たり前のことを考えさせられた。 もし3ヶ月後死ぬとしたら何をするだろうか? その時にしたいことを毎日のなかで実行しなければならないのだなと思った。 当初思っていた内容とは違っていたが、物語を楽しみ・考えさせられ、期待以上の収穫を得た。 是非とも手にとって頂きたい一作。 | ||||
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昔話の主要なポイントを織り込んで作られた短編集。 新釈〜といった風であろうか。 短編だが相互にリンクしているところがオシャレだ。 ほのぼのしているモノから背筋がゾッとするモノまでを、語り手が記憶をたどりながら話してくれる。 まるで、語り継がれてきた昔話のように。 | ||||
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Bookデータベースだけを読むと、安っぽいSFのように感じるのですが、これは凄く深い小説です。 太古の昔から現代でも同じように人を動揺せしめている事、それは死の恐怖です。多くの人が死に恐怖や不安を抱いて生きています。それは自分の死でもあり、他人の死でもあるわけです。 死に恐怖や悲しみを抱くのは、人間を含めた一部の霊長類だけです。他の動物は痛みは感じますから殺される事を避けようとはしますが、死が怖くはありません。いや、怖くないというより、死という概念が無いのです。 例を挙げます。家畜は屠殺(とさつ)されるのですが、今でこそ電気の刺激を利用しますが昔は巨大な金槌で頭を叩いていたのです。その瞬間、家畜は悲鳴をあげますが直ぐに絶命するわけです。それで、隣でそれを見ていた家畜は屠殺の瞬間こそ驚きますがすぐに平常心で草を食べ始めるそうです。 アフリカのサバンナでも、毎日のようにシマウマがライオンに食べられています。シマウマはライオンの餌食にならないために一生懸命逃げます。脚が遅い子どもが捕まらないように母親は必死で子どもを守ります。しかし、残念なことにその子どもがライオンに捕まってしまうと・・・しばらく見ていて、やがて安心して草を食べ始めるのです。なぜ安心するかというと一頭が犠牲になればしばらくはライオンは狩りをしないのを知っているからです。 このように、人間以外の多くの動物には、死という概念がないのです。 しかし、人間は太古の昔から死を恐れてきました。三国一の大王であっても死を避けることはできず、多くの人はそれに悩まされたのです。 昔話が語り継がれた太古から、変わらぬ課題である死に対して、本当の賢者はどう感じるのかがこの物語りのメッセージです。 三カ月後に隕石がぶつかるのでロケットで脱出出来ない人は死ぬのだと分かったとき、多くの人はその恐怖に脅えるのですが、主人公であるモモちゃんは違っていたのでした。 モモちゃんは大変な不良少年です。しかし、学校中で人気があるのです。人気の理由はケンカが強いからでも先生を相手にしないからでもなく、恐怖心が無いからでした。 そして 本当の怖いもの知らずは、死を前にして本当の賢者に成れたのでした。 病気で医師から余命宣言をされる人がいます。「余命三ヶ月です」とか言われる訳です。その時に賢い方は、積極的な治療よりも残りの人生をどう生きるかを考えたりします。そして、結論が出ると、死の恐怖がなくなるそうです。更に、世の中がキラキラ輝いて素晴らしいそうです。出会う人すべてが素敵に見えるそうです。そして、安心して息を引き取るのだそうです。 覚悟の決まった勇者、モモちゃんの物語りをどうぞ。 | ||||
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著者の作品はまだ『月魚』しか読んだことがないです。 地元の図書館で『むかしのはなし』を偶然見つけて読みました。 感想、一言で言うと 「騙されたー」でした。 もちろん良い意味で、です。 推理小説を読み終わったときと似たようなため息が漏れました。 三浦さん、すっごいですね。 語る人の視点によって文体が絶妙に変わるというか、たとえ何人かが同じ場所にいたとしても見てるところが違うっていうか……何ていうんでしょう?(苦笑) ただ読みやすい短編だなって思って気軽に読んでたら、後ろからじわりじわりと何か大きなものが近づいてきたっていうか何ていうか……(うん、やめよう) 第3話だったかな。女子高生の話。あれが一番、個人的にインパクトがデカかったんですよ。 女として、叔父が怖いったらっもう! 本当に気持ち悪かったんです。 ちょうど電車の中で読んでいて、 「何で私この部分読んでるんだろうな」と自問しました。 でも、後に気づくんですよね。 あの話、関係ないようで関係あるんです(何に) 川というか海というか、単なる背景も、案外重要な役割を果たしてます。 私は第1話が好きでした。 ロケットの話もよかったんですけど、やっぱりあのメールが物語の導入部分だったことは大きいです。 お気に入りです。 それぞれの話の最初に書かれてある日本昔話が、どのように現代版になっているのか。 それを考えながら読むのも面白いんですけど―― うん、気軽に読んでください。面白いですよ。 あ、でもやっぱり第3話は個人的ストレスが大きかったので、☆4つ(笑) | ||||
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へー、三浦しをんってこんな話も書くのか。という感じ。 どちらかというと、恩田陸とかの小説の構成に近い雰囲気。 でも筆致はかなり違っていて、恩田陸ほどは湿っぽくなく、 特殊な性格の主人公の一人称で書かれていて、 あえて断定的、独善的な文体で描くことで、 著者の客観的な視点を浮かび上がらせているような気もする。 古典や、昔話と呼ばれる作品を題材にした掌編集、としては、 なかなかうまいけれど、いまいち特徴に欠ける。 だが、実は本書全体に一筋の伏流水が流れており、 それが最後に一本の道となる。 どんでん返しは、ものすごく意外、というわけでもないが、 楽しんで書いているのであろう著者の含み笑いが聞こえてくるようで、 なかなか楽しませてくれる。 三浦しをん氏は、いかにも職業作家、といった感じの、 「読者を感心させねばならぬ」といった切羽詰まった感じがなく、 いい意味で「アマチュアっぽい」作家だなぁ、と改めて感じた。 | ||||
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6編の短編と中編1編で構成された書き下ろし作品。1話目の「ラブレス」と最後の「懐かしき川べりの町の物語せよ」の内容が呼応して、完結性を高めている。 昔話のパロディーではない。昔話にインスパイアされたオリジナル・ストーリーである。「入江は緑」のおだやかなあきらめのような日常が、あとで別な意味を持って胸に迫ってくる。「生きる」ということは、誰かが書いていたように、つまり死ぬまで生きるということなのだ。…読後の、胸に沈む思いをうまく表現できない。 | ||||
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昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。 それを基にした、現代のお話。 短編集が、お互いにリンクしてます。 「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。 それを基にした、現代のお話。 短編集が、お互いにリンクしてます。 「死ぬことは生まれたときに決まっていたこと」 うん、そうなんだよね。 3ヵ月後に隕石がぶつかるかもしれない。 で、選ばれた人は、スペースシャトル?のようなものに乗れる。 だけど、それも安全かどうかわからない。 隕石ももしかしたらぶつからないかもしれない。 まあ、そんな中でのいろいろな人物が、一人称で自分を語るのですが・・・ もう一度読み返してみたら、また新たな発見のありそうな本です。 | ||||
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短編集です。それぞれの作品の裏表紙には、昔話を短くまとめたものがついている。 この昔話と三浦しをんの作品を対比させてみると、すぐになるほどと思う作品もあり、深読みしてようやく繋がりがわかる物語もある。 読み進めていくうちに、昔話にこだわらなくても構わないこと、それよりももっと重要な伏線が引かれていることに気づき、この本は普通の短編集ではなく、たいへん凝った造りの連作短編集だとわかります。 なにも考えずに本を手に取って、ひとつひとつの作品を楽しんでから、もう一度表紙を眺めると、作者がなぜ「むかしのはなし」と名づけたのか余韻を楽しむことができる。 このように、一粒で三度楽しめる凝った構成にするのが、いいかどうかはわからない。 でも、作品ひとつひとつは小説として完成していて十分におもしろいから、昔話と対比しなくても、連作短編集としての仕上がりを意識しなくても大丈夫。 | ||||
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