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黙の部屋
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黙の部屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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叙述トリックという看板に偽りあり、ワザとわかりにくくボカしてるだけトリックに終始する、いつもの折原一とは違い、石田黙へのマニアックなこだわり、心酔、ベタ惚れむき出しの作品であり、毎度毎度の精神を病んでいる謎の登場人物は「実は作者でした」とでもドンデン返しで告白する気かと読んでいったら、あに、はからんや、掟破り叙述トリックならぬ、読者を目くらましにする安っぽい呪術トリックという千篇一律のパターン。しかも、いくつかの謎は「あの男は何者だったのだろう」で済ませてしまう。枚数の都合というより、最後になって、辻褄が合わせられなくなり、勝手に想像してくれとばかりに読者に丸投げという酷さ。まさに、折原一の真骨頂。これだけなら、折原一は、とっくに過去の人になっているのだが、この作家、他に類を見つけるのが困難なほど、歪んだ叙述トリックへの歪んだ偏執、こだわりがあって、危ない雰囲気を漂わせている。ホラーのラブクラフトみたいに、探偵小説の江戸川乱歩みたいに闇に蠢く異界の様相に魅せられているようなところがある。いかに博覧強記のあらまたこりゃまた先生とか、京極堂が異界に興味をもとうと、しょせん、インテリの高級遊び感覚なのとは、根本的に違うのだ。だから、折原一、ラブクラフトが優れているというわけではない。単に、危ない人というだけ。折原一には、その危なさがあるので、曖昧な誤魔化し叙述トリックを乱発しても、なぜか次の作品を読みたくなる作家なのだ。「黙の部屋」の叙述トリックは、お得意の誤魔化し叙述トリックも冴えず、推理小説としては、失敗だろうなあ。いつもなら、特殊詐欺並みに稚拙ながら迫真の誤魔化しで、読者を、その気にさせるのに、ざんねんんんn。さりながら、偏愛的石田黙論としてなら、けっこう、いい線いってる。黙作品への異様な愛着がベタベタと伝わってくる。乱歩が蔵の中で、深夜、ロウソクに囲まれながら、血みどろの推理小説を書いたように、一は書斎の壁いっぱいの黙作品に囲まれながら、異常心理の叙述トリックモドキ作品を書いたのであろう。d( ̄  ̄) | ||||
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物語の冒頭は、石田黙を追う水島、監禁された黙の部屋、黙のアトリエに残された妻・・それぞれの心理や状態が交互に語られ、一気に世界に入り込めます。ただ絵画の描写を読んだだけでははっきりと絵画の全貌が掴めて来ず、ビジュアルを見なければイメージは容易ではありません。もう少し黙の絵の描写を繊細に書いて欲しかったと思います。中盤にさしかかるにつれ、裕子の性格の設定や会話に至るまで、正体が明かされてから彼女の魅力が一気に半減しています。芸術家である設定をもっと生かして欲しかった、あれではただ普通の女でしかなくなっています。裕子に芸術家気質のような読み手を期待させるようなものを持たせることもなく、中盤以降はただラストに向かって大きな展開もなく淡々と進んでしまいます。物語の記憶はあまり残らなくとも、石田黙の絵は強烈な印象を与えてくれますが値段を考えると、図書館で十分な読み物だと思います。 | ||||
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あらすじは、作中の本当の主人公?の石田黙という人が書いた絵画をめぐるサスペンスというものなのだが、本の解説にもあるように、これは果たしてサスペンスだろうか?確かに折原作品にはお決まりの叙述ミステリー仕立てにはなっているつもりだが、この叙述も「これがどうしたの?」程度だし、本文はほとんど美術の話しと、水島という記者のまぬけぶりの紹介だけなので、飛ばし読みですぐに読み終わります。事件の真相のところも、「えっ?これだけ?」です。この本で印象に残ったのは、石田黙が描いた本物の絵画だけです。絵に関してはど素人だが、この絵はなんとなくすごいとは思いました。推理小説としてはいま一つな内容でした。 | ||||
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勧められて読んだ。冒頭からしばらくは、謎の画家や、平行して書かれている監禁された男など、この先がどうなるのかというわくわく感が存在していた。それが中盤からは、だれてくる。まず、登場人物に魅力が乏しい。謎の女の存在も、実像を結んだとたんさほどの魅力の持ち主とは到底思えない。石田黙という謎の画家の作品も魅力のある無しが大きく分かれるところだろう。江戸川乱歩の本の装丁であると言われたら納得する。つまり、美術専門雑誌の編集長をはじめ、見る側のプロである人々を魅了するのかなあと思いながら読み続けた。オークションの出品者や落札者など、見えない人間が登場してこれからこれらがどうなってゆくのかまでは面白い。だが、とても残念なことに後半がそれを生かしきらない。最期まで引っ張ってゆく原動力になる謎もトリックも、明かされる人間の実像も、おそろしくつまらない。こうなると因縁や恩讐、芸術も人物もすべてが同じ色、同じ浅瀬のストーリーに見えてくる。面白くなりそうだと思っていた前半までが、凡庸な結末でお茶を濁されてしまったようでならない。 | ||||
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地下室(?)に閉じ込められ絵を描くことを強制させられる記憶喪失の男。彼の正体は?偶然から画家・石田黙の絵を手に入れた水島。石田黙の絵に異常な興味を示した水島は石田黙の絵を手に入れようと苦労する。そして若い女性と知り合う。この小説は画家・石田黙の作品が収録されています。独特の構図と独特のタッチの石田黙の絵は印象に残ると思う。 | ||||
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