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災厄の紳士
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災厄の紳士の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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原著は1971年でずいぶんと時間がたっておりますがたいへんスリリングな展開のお話で、最近の作品とも遜色ないと感じました。とくに中盤である登場人物の妻が出てくるところなど読んでてニンマリしてしまいました。出版社の社風なのかどこか地味な扱いのようにも思われますが、これが素晴らしいので、同じ著者の別の作品を読み続けています。 | ||||
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前半は倒叙サスペンス風の展開を見せるものの、後半になるとフーダニット を主眼としたパズラーに転じるという、トリッキーな構成が採られている本作。 じつはその構成自体が、読者に先入観を植え付ける作者の巧妙なミスディレクション であり、いかにも胡散臭いレッド・へリングの言動と相まって、読者の意識が犯人に 向かないようなつくりとなっています。 また、視点の切り替えも、特筆すべきポイントでしょう。三人称多視点によって多角的に 事件が描かれているのですが、犯人にたいする視点人物の偏見をミスディレクションと することによって読者の先入観を補強し、犯人に疑いを抱き難くしているのが秀逸です。 フーダニットに関しても、いくつか手がかり が用意されており、十分フェアな仕上がり。 とくに“指紋が拭き取られていた車のハンドル” にもとづく犯人特定のロジックが鮮やかでした。 | ||||
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前半のジゴロが目的を遂げられるかという倒叙小説風の物語と、後半のオーソドックスな犯人宛ミステリの二つの物語が楽しめます。 二つの物語といっても、前/後半の物語は密接に係わっており、特に後半部分の謎解きは多くの読者が思うであろう犯人当てに、さらにもう一段の謎解きを加えることで更なるサプライズを提供してくれます。 このような複雑な構成を支えるのは、作者の人物描写の繊細さだと思います。ある人の性格をA であると描写しても、作者はある人の性格がA であることを示したいのではなく、Aであると思う評価者の見方から、評価者の心理を暗示するという技法をとっているようです。これだけならややこしくなりそうですが、その描写を多視点で行うことで最大公約数としての人物像が浮かび上がる仕組みになっています。 このように凝ったつくりでありながら、読者の存在を忘れず、エンターテイメントとしての読みやすさを提供することが出来る作者(と翻訳者)の力量に脱帽します。 | ||||
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