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災厄の紳士



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【この小説が収録されている参考書籍】
災厄の紳士 (創元推理文庫)

災厄の紳士の評価: 3.33/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

期待していたのですが…

「2010 本格ミステリベスト10 第1位」
という帯広告を見て、購入しましたが、その結果は…。

ジゴロの青年、ネヴィル・リチャードソンは、
パリのメトロで、偶然を装って、著名な作家の娘、
アルマ・ヴァランスと知り合いになります。
ネヴィルの行動の背後には、謎の人物がいる模様で、
この人物が誰なのか、興味をそそられるところです。

その後、ネヴィルとアルマは急接近し、
結婚を前提に付き合うようになります。
遂にアルマは自宅にネヴィルを招き、
父親を紹介しますが、
ここで、「ある事件」が発生し…、という物語展開です。

さて、この「ある事件」なのですが、
まずここで期待とちょっと違っていました。
というのも、少しも意外な物語展開ではないのです。
推理小説ならよくあるようなストーリーでした。

さらに物語は、アルマの姉のサラが探偵役となり展開していきます。
やがてネヴィルの背後の謎の人物の正体が明らかになるのですが、
これが何とも意外性のあまり感じられない人物で…。

そしてラスト。
当然のごとく発生した「ある事件」の真犯人が明らかになりますが、
何ということでしょう、
この部分も私には少しも意外には感じられませんでした。

現代のミステリでフーダニットを追求することは
困難だと私は考えていますが、
巻末の解説には、この著者がいかに
フーダニットのミステリが巧い作家であるかを
強調しているものですから、
期待して読んだのですが、
どこが意外な犯人なんだろうというのが正直なところ。

奥付をみると、4版でそこそこ売れている作品なのですが、
私にはどうしても平均的な出来のミステリにしか思えませんでした。
期待していた分、★は少なく、2つとさせていただきます。
災厄の紳士 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の紳士 (創元推理文庫)より
4488240054
No.1:
(2pt)

構成の妙はあるものの、動機、人物配置と書き込み、伏線の張り方など不充分

作者の作品は「ウォリス家の殺人」、「悪魔はすぐそこに」と読んだが、本作はそれらと異なり軽いサスペンス・タッチで始まる。ジゴロのネヴィルがかつての流行作家で富豪ヴァランスの娘アルマに近づく冒頭。これが"共犯者"の計画である事が示唆される。続いて、ヴァランス家を中心とする登場人物の紹介。ヴァランスが現在、世捨て人化している原因に対する考え得る唯一の理由に(共犯者以外は)気付いていないのは不自然だろう。特に、聡明な筈のアルマの姉サラまでもが。う〜ん、ここまで読んだだけで、共犯者足り得る人物は唯一人と推測出来てしまう。パズラーを得意とするなら人物配置にもっと配慮すべきであろう。
そして、ネヴィルが婚約者としてヴァランス家に現われるが、早速、仮面を剥いでヴァランスから1万$を脅し取る。ここから、サラの視点で物語が語られる。サラは頭脳明晰かつ冷静沈着な探偵役でもあるのだ。そして、ネヴィルが失踪し、数日後死体となって発見される。サラは奮闘し、父の過去の秘密を探るが想定通り。ここで、(私が推測した)共犯者がネヴィル殺しの犯人だったら流石に曲がない。捻りがある筈だが、動機が見えない...。
結末で明かされる真相を"意外な犯人"と呼ぶのであろうか ? 物的証拠が弱い上に、動機が強引過ぎる。こんな動機で二人の男を死に追いやる人間がいるのだろうか ? どのタイミングで犯行計画を練ったのかもハッキリしない。犯行が周囲の人間に気付かれないのも不自然。本物のパズルのように、単に犯人役に当て嵌めただけのような気がする。前半の軽いサスペンス・タッチから、後半のパズラーへと構成の妙はあるものの、動機、人物配置と書き込み、伏線の張り方など不充分なものを感じた。
災厄の紳士 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の紳士 (創元推理文庫)より
4488240054

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