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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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『ジャンプ』というタイトルの意味が何であるか、これが個人的にはこの作品を評価する上でものすごく大切な気がする。 本文のなかでジャンプという言葉が出てきたのは、横浜スタジアムで主人公が、南雲みはるの姉の夫、天笠郁夫とその息子とアメフトを観戦している時。子供がジャンプして父親とハイタッチする場面。p.262 ここのアメフトのゲーム進行、そして観客の反応と、天笠郁夫対主人公の会話がたぶん重なり合っているんだと思う。息子の反応や会話の流れ全てが。 ちょっと再読して分析する体力がないけれど、タイトルと重なる部分がここしか自分は見つけられなかった。 自分は小説を再読することがあまりないので、あるかないかで言えばかなり怪しいけれど、もし再読することがある時のためにメモを以下に。 ・「ジャンプ」の意味について考えること。 ・子供がジャンプする意味は? →子供がジャンプしたのは、味方チームのタッチダウンが成立した時。 ・彼ら親子が一緒に横浜スタジアムまで出向いて、アメフトの試合を観たのはなぜ? →息子はパソコンのゲームしか興味がなかったのに、「一度ここへ連れてきたことがきっかけになって。中学になったらアメフトをやりたいと言ってる。」 ・「一ヶ月の間に彼女に何かが起こったんだ」という主人公のセリフに対する郁夫の回答 → ・「つまり、私の言いたかったのは、その程度のことです。みはるちゃんの男関係とか、そんな大それたことじゃなくて」 何かに対する認識の差。 主人公は一カ月の間に「起こった」ことは「何か」重大なことだと考えているが、郁夫はその一カ月に起こった出来事は「たかが知れ」たことかもしれないが、その「たかが知れ」た出来事が重なり合って人生の分岐点で「何か」を選択するのに十分な時間だと捉えている。 ここは自分で書いていて面白いなと思った。 参考までにその前にあったセリフは以下 「しかし人の人生で、一カ月の間に起こる出来事なんてたかが知れてるでしょう」 「いや、そうじゃないかもしれないな。一カ月もあれば、人生には思わぬ変化が起こりうるかもしれない。ちょっとした出会いや出来事が重なって新しい展望が開ける、一カ月というのはそのくらいの時間かもしれない」 ここまで書いてわかったことだけど、自分は実はこの小説を読んでて、主人公の人格が軽くて造形がやや浅いなと思っていた。しかし、改めて考えると、周りの言動と主人公の考えのズレが絶妙に描写されている。 冒頭にも書かれている通り、主人公は「強烈なカクテルを飲んだことを『いまだに』後悔している」。 この物語を過去のものとして思い出として語りたいと言っておきながら、いまだに後悔しており、しかもそれは「強烈なカクテルを飲んだこと」。 山本文緒の解説にも書いてある通り、主人公の「鈍感さ」を非常に適切に表している一文。 もしかしたらストーリーを語るなかで、その行動自体の無神経さ(ガールフレンドは主人公にある程度心を開いて、彼女の中で大切だと思われるバーに誘った。なのに、彼氏の主人公は後先考えずに度数の強い酒を頼んでしまったこと)を後悔しているのかもしれないけれど、実際その行動ひとつではなくて、二股をしていたり、彼女のことを何にも知らない(親友のことや大学を辞めたことなど)ことなど、たくさん後悔すべき事はあると思う。もう少し彼女と二人で語り合う事もできたし、半年間という期間はそれを語り合うに十分な時間だと思われる。 その点、彼女は最初に主人公が毎朝規則的にリンゴを食べることを知っており、それを用意しようとしてくれた。人が人のことを知っている度合いで言えば、間違いなく彼女の方に旗が上がる。 運命的なストーリー展開には、作者の大風呂敷というか、大いなる意図が感じられるけど、それを上回る人物造形ができている小説だった。 サスペンスの形をとったエンタメのように見せながら、そういったことが後からじわじわと感想を書きながら理解できた作品。 話の拡げ方的にエンタメを無茶苦茶期待して読んでいたので、ラストシーンが結構あっけなく終わった印象あったんだけど、全然そんなことはなかった。良い小説だ。 あと巻末の編集者のエッセイがめちゃくちゃ面白い。文才の塊。オチは盛大に笑った。 | ||||
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佐藤正午氏の小説はどれを読んでもハズレということがない。「永遠の1/2」から始まって、立て続けに佐藤氏の本を読んで、この「ジャンプ」で6冊目(「鳩の撃退法」は上下2巻なので7冊目というべきか・・・)。 「ジャンプ」は佐藤氏の小説にしては時間の流れが一本道なので、わかりやすく、かつ登場人物も比較的少ないので、読みやすい。しかしこの小説は複数の物語が重層的に絡み合っている。具体的には その1は、失踪した「南雲みはる」はどこにいるんだという探索物語。 その2は、別れと再会の物語。 その3は、もしあのとき、という「Y」の別バーション物語。 その4は、ふとで出会い付き合った女性の身の上話的物語。 その5は、2人の女性と1人の男の三角関係物語。 その他に、様々な視点で読むことができる。 自分としては、1回目は別れと再会の物語として読んで、再会の場面で読書のクライマックスを迎えたが、「ジャンプ」とついたタイトルから考えて作者は、ジャンプしたヒロインとジャンプしなかった主人公の2人の差を描こうとしたと、読み取った。 この本も、再読が楽しみだ。 | ||||
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佐藤正午さんがゲイナーという男性誌で連載してた頃から好きな小説。 次はどうなるんだろう?と毎月楽しみにしていた。 ちょっとあり得ないけどどこかリアルな佐藤正午マジックの逸品作。 人と人、人と時間の流れ、男女の移ろいなど「良くできてるなー」という作品。 低評価で「なぜジャンプという題名?」との意見が散見されるけどこれは物理的なジャンプでなく心理的なジャンプを表してるのに何できづかないかな。 清水の舞台からの心境で疾走した南雲。 それができなかった潤之輔。 非常によくできた表題だと思うけど心理描写を追えない読者は何を考えて本を読むのか。そっちの方が理解できません。 今でも読み返す素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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すぐれた恋愛小説はすぐれた推理小説ではなかろうか。 殺人の謎よりも秋空の方がよっぽど謎めいている。 個人的な過去や現在とも重なるところがあり面白く、一気に読んだ。 本筋とは関係ないのかもしれないが個人的に引っかかった謎の一つが、 ヒロインではない女性がいつも最初の十分間だけよそよそしいってところ。 面白くってどんどん読み進められるのだが、終わりが近づくにつれ、ぼんやりした不安が…。 謎解きや数々の伏線らしきものが未回収のままになるのでは…?と。 だが、それは杞憂だった。ホッ。 この物語にはベクトルが対象的な二人の女性の強い意志が描かれる。 対して「僕」はどうだろう? 僕には三人ともデンマークの芥川がいう「自由のめまい」を味わっているように思えた。 東洋のキルケゴールが「人生は一箱のマッチにクリソツ」といっていたが、 生も性もバカバカしくて危ういものなのかもしれない。。 | ||||
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突然失踪した恋人を探しつづけ、でも見つからず、あのときああしていれば…と過去に思いを巡らせるお話。 最後にその真相がわかりますが、ずっと知りたかった真実なのに、今が幸せならなお、過去に拘らず知らない方が幸せだったのでは? という少し後味の悪い物語だったように思いました。 そういう意味では「Y」に似ています。 | ||||
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初めて佐藤正午さんの作品を読みました。すごい作家さんを見つけてしまったと思いました。 震えるほど感動しました。 20代の恋人どうしの二人。ある夜、彼女がコンビニに行ってくると出て行ったきり、戻らなかった。何日も、何週間も。 主人公の男は、いなくなった恋人を足取りを追うが、彼女の居所がつかめないまま時がたっていく・・・。 「失踪者を探す」という展開を見てみれば、本書のジャンルはミステリーです。もちろん最後までミステリーだと言えるでしょう。 しかし、読み進めていくうちに、さらに最後まで読んだときに、この作品が純文学性を持った恋愛小説であったことに気付きます。 ストーリーは淡々としていて、あまり派手さはありませんが、確実に読者を引き込む力があります。 この作品に対して、徹底したミステリーを求める読者は、落胆するかもしれません。その謎のなかにある、作者が伝えたかったことに共感できる人は、この作品の真価が分かるでしょう。 あとがきでは、主人公の男に共感するか、もしくは怒りを感じるか、または失踪した彼女に共感するか。これが読む人によって分かれ、感想も変わるようなことが書かれていますが、私は、この物語のすべてに共感しました。 「あのとき、ああしていれば」 「あのとき、あんなことをしなければ」 「今の現実は違うものだっただろう」 若いときの自分を思い返せば、そんなことがたくさんあったように思います。忘れられない人がいたり、後悔したり、それでも前を向いて別の選択をして今がある。でも、ふと懐かしい、過去に愛した人を思いだす。恋をして、選びとり、ときには選びきれずに、人生を生きる人には最高の小説だと思います。 | ||||
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二人の関係がまだそれほど深くは進展していないとはいえ、深夜一人でコンビニに向かった女性がいくら待っても戻らないという状況下において、いくら酔っていたとはいえ朝になったら酔いは覚めており、冷静な頭で異常事態だと分かるようなものですが、自分の仕事を優先して1週間の出張に出てしまうという神経からして違和感を感じてしまい、もうひとつ主人公に感情移入できません。 もちろんその点が攻められるべきであることは主人公も自覚しており、さまざまな形でそのことを非難されるのですが。 そのような主人公の性格からして、主人公がおちいった状況は自業自得な印象を持ちます。 文章は読みやすく、それほど悪くはないのですが、この著者ならでは、という個性を文体に感じず、どこかこなれていないような、あと一歩が足らない、そんな印象を持ちます。 それでも著者の「Y」同様、何か人を惹きつけるものは感じます。 | ||||
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とにかく面白かった。 佐藤正午さんの最高傑作だと思う。 緻密に編集されたフランス映画を見ているような感じ。 一気に読めました。お勧めの一冊です。 | ||||
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多少のしわや折れや汚れはあるものの十分きれいだったと思っています。 ありがとうございました。 | ||||
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ミステリー作品としてとても面白いし、偶然性を多用しながら、最後には一つ必然的なオチがあって、これにはゾッとされされた。 そして、物語の一つのテーマでもある、人生の分岐点となる選択や偶然というのは考えれば考えるほど、とことん哲学的考察をなす事がのきるテーマである。 ハードボイルドな雰囲気もとても冷めていて好き。 小説の一番最後に物語の別の意味で真の主人公が出てくるこの構造はとてもすばらしいと思う。ずっと男主人公の目線で読んでいてが、最後に出てくる女主人公にまた共感し、女心っていうものに少し納得させられたところがあった。 | ||||
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男目線の小説、とても面白く読みました。 この手のテーマを女の視点から描くと、 どうも重かったりドロドロしているものですが、 この、一歩離れた感じが心地よかったです。 最初はミステリーのつもりで読み始めたのですが、 途中から恋愛小説と思って読みました。 登場人物の描き分けが素晴らしく、 この主人公・三谷が実在していているかのようで、 もしかすると実際にあった話なのかも、と思ったりしました。 人生というのは、全て二つの分かれ道でできていると、 何かの本で読んだことがありますが、 まさにそれを地でいった小説でした。 切なさが残りました。 評価は様々のようですが、わたしはとても好きな一冊です。 | ||||
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だれが何と言おうとこの作品が好きである。 「リンゴを買って五分で戻ってくる」と言い残し、そのまま消えてしまった恋人を、主人公は血眼になって捜し求める。手がかりらしきものは見つかるが、いずれも決定打にはいたらない。やがて主人公は彼女のことを忘れてゆき、他の女性と結婚する。五年後、全くの偶然から二人は再会し、思いがけない真実が明らかになる――。 冒頭の一文から引き込まれ、読むのをやめることができない。緻密な描写は実話かと見まごうばかりのリアリティにあふれ、会話のやりとりも絶妙である。全篇を覆うサスペンスタッチの語り口と、最後に待っている意外な哀しい(そして怖い)結末。ラストシーンは何度も読み返し、すでに結末が分かっているのに胸の高鳴りを抑えることができなかった。 読み終えた後にもう一度冒頭部分を読み返して欲しい。主人公は「これでよかった」と思っているのか、それとも後悔しているのか? 言葉とは裏腹の行動によって主人公の心情を浮き彫りにするのは佐藤正午の得意技である。 「失踪をテーマに現代女性の意志を描いた…」云々というキャッチコピーは鵜呑みにしない方がいい。そんなものとは関係なく純粋に楽しむことができる恋愛ミステリーであり、間違いなく佐藤正午の最高傑作であろう。もともと純文学出身の作家だけあって、みずみずしい文体にはわざとらしい表現は一つもない。個人的には日本の文学史に残るべきと言い切ってしまいたいくらいの名作である。 | ||||
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数頁読み出すと、些か主人公に苛立ちを覚えつつ物語に導入していけました。 中だるみが多少あるもグイグイのめり込める小説です。彼女の失踪という物語の主軸となる疑問を女々しい男心をくすぐりながら進行していき、読後も男性の立場からすればスッキリできると思います。 | ||||
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映画は時間的芸術であるが小説はなんでもできる表現方法である、などといわれるようですが、「ほらね」と実物をみせられた気がしました。佐藤正午って、華々しく喧伝されるようなことは少ないけど、きっちりした職業作家なんだなあと思いファンになりました。 自分は、三谷と同じような、優柔不断なありきたりな人間なので、とてもしっくりきました。そして、この女性についても自分がかつて少しだけつきあった女性のような気がして、その思いがとてもよくわかりました。個人的には、結末にもう少し感傷的な情緒的な書き込みをしていただき、思う存分酔いたかったとも思いましたが、それはまったく自分勝手な希望です。 なお、本書はミステリーではないと思います。いまだ被害者意識というか傍流意識をもつ人々は、ちょっとおもしろいとすぐ自分の範疇に引き入れようとするようですが、そんなジャンル分けは無意味ですよね。 本書は刊行当時ベストセラーになったようですが、自分は知りませんでした。ネタバレしますので、詳しくは書けませんが、読んで損のない一冊ですよ。楽しんでください。 | ||||
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「あの時こうすればあの人と別れることにならなかったのかもしれない」 という後悔の記憶が、この本に共感できた最大の原因だと思う。 実際はどうしたってすぐ別れたのかもしれないし、適切な対処をして別れずにすんだとしても、 ある期間付き合った後、恋愛経験の一部としての平凡な「いい思い出」に収まったのかもし れないのにね。 あんなに誰かを愛したことはもうないかもしれない、といつまでも思ってる人に この本をお勧めします。 | ||||
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パートナーが急にいなくなったらどのように思いますか? しかも日常生活の中で特に何も問題が無く、ちょっと買い物に行ったまま帰ってこないとしたら? 何が原因なのか考える主人公の心情が理解でき、物語につい引き込まれてしまいます。「あれが原因だったのか?それとも・・・・」結末が早く知りたくて、じらされている気分になって一気に読んでしまいました。 佐藤正午氏の作品らしく、優柔不断な主人公が不思議な魅力を発している物語です。 | ||||
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「ジャンプ」は、あるきっかけが彼や周囲の人たちの運命を変えてしまう物語だった。 初老の男性の場合は、「靴」だった。 彼の運命を変えたのは、「一杯のカクテル」だった。でも私は、「りんご」だと思う。 読み終わったあと、なんだか「りんご」が食べたくなって街に出た。 りんごが高かったので、バナナを買ってしまった・・。これもまた運命か?などと。 あなたは、「あのとき○○をしてなかったら、あのとき○○をしていたら・・」 などと思ったことはないだろうか?そんなことを強く考えさせられる物語かもしれない。 今、この瞬間も過ぎれば、過去。これからの未来に何が起こるかは分からない。 せめて未来を自分通りに切り拓いていこうか? 運命とは、目に見えるよう劇的には変わらなくても 一瞬の選択により、くるくると変わっているのかもしれない。 切り抜きをよくみると「ジャンプ」の帯には、 「自分で自分の人生を選び取ったという実感はありますか?」そう書かれていた。 この言葉に私は、興味をおぼえたのかもしれない。 きっとこれからも私は、平凡な日常で様々な選択をしていくのだろう。 | ||||
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取り返せない選択を日々することでしか、いられないんだった、と思い出す作品。山本文緒の解説が面白い。突き詰めなくても生きられるタイプの男と、突き詰めずにいられないタイプの女。主人公を揶揄する向きもあるようですが、こういう男は実際とても多いので笑うに笑えない。こんなときに必死にならないでいつ必死になるんだ?女なら思いあたることが多々あり、それだけでも面白い。突き詰めるべきか、突き詰めないべきか…。選択が自分でできるなら、小説は要らないかも。そういう意味で、とても面白い味わい深い作品。 | ||||
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佐藤氏の本を読んだのはコレが初めてだ。職業的な小説家だなあとおもった。事の起こりも、ストーリーも、落ちも、正直言ってなんて事はない、興味を引くのは彼女が居なくなる瞬間だけなのに、きちんと読ませてくれる。口は悪いが、内容はどうでもいいのに使ってる言葉とか文章に惹かれて、気になって、最後まで読んでしまうと言う感じ。本当に表現力が凄いなあと思った。まさに仕事として、読者を十二分に楽しませてくれる。お金を払っただけの対価がしっかりと感じられるのである。ミステリーと言う事をここで初めて知ったのだが、正直コレがミステリーならミステリーも読んでもいいかもしれないなと思った。全然現代小説でいいと思うんですけど?これで、もっとヘビーな題材もしくはもっと核心に迫ったものを書いてくれたらいいのになあと思いました。これじゃあまだ文学とは呼べないと思う。なんだか、思う思うばっかりで説得力ないなあ。でもまあ、ほんとうに現実におこりそうな女々しい落ちなんだよね、でも表現力が凄いから全然そんな事予想出来なくて、凄いなあと思った。 | ||||
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こうしていればとか、これをしなければよかったとか、たまに考えてしまう。しかし、それをやったからこそ今があり、違うことをしていればまた違う結果になり、その結果に対して後悔しているかもしれない。やはり、しなかったことを考えてもしょうがないのだろう。本書を読んで、そんなことを改めて考えてしまいました。この本は主人公の男性の一人称で物語が進むが、すべて本当のことを書いていない、少し含んだ書き方をしているという点が読んでいて非常に興味を引かれた。また、その部分があるからこそ余計に物語に引き込まれてしまうのだろう。付き合っていると相手のことを何でも知りたくなってしまうのは自然なことだろう。しかし全て知るということの恐ろしさ、愚かさを教わった気がします。きっと本当の失踪事件や、もしかしたら殺人事件もこんなちょっとしたことが原因で起こっているのかもしれない。 | ||||
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