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(短編集)
ルピナス探偵団の当惑
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ルピナス探偵団の当惑の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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ルピナス探偵団は、ティーンズハートという少女小説のレーベルより出版されていたものを初めて読んだ。第1話と第2話にあたり、それぞれで2冊出版されていた。 それから時が経ち、改稿されて、第3話が追加されたルピナス探偵団の当惑が出版されたことを知った時は懐かしくとても嬉しかったことを覚えている。 第3話の大女優の右手はこの本の目玉だと思われるが、最後の一文の印象は改めて読んだ今も鮮やかだ。 シリーズを通して、派手で驚くようなものではないが、日常の視点から、間隙をついたようなトリック&推理はどれも面白く読んだ。特に大女優の右手のラストは思わず息を大きく吸い込んだ。静かな感動だった。 軽快で他愛ない少女たちの会話、ノスタルジックな喫茶店、皮肉を言いながらも純粋な容疑者たち。 もうルピナスの新作が読めないのはさみしい。 | ||||
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創元推理文庫で未読の作家・作品を探していた時に、とりあえず読んでみようと購入した。 次作「ルピナス探偵団の憂愁」も購入済み。 | ||||
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登場人物一人ずつの性格がくっきりとしていて、面白い。 | ||||
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わりと最近、津原泰水氏のファンになった者です。読むのは7作目になります。結論から言うと、この作品は個人的にはいまひとつでした。こちらで評価がすごく高いのにちょっとびっくりでした。 津原氏独特の軽快で乗りのいい会話、個性の際立った登場人物たち、ひねったストーリーと、少しの猟奇、怪奇色なんかも健在です。それはいいのですが・・・全体的にあまりにも現実感がないというか、いえ、それが楽しいしユーモラスで長所でもあるのでしょうが、自分には乗りきれませんでした。 読後、うかつにも今更ながら気がついたのですが、創元推理文庫からの出版なんですね。ということはジュニア向けながら本格推理としっかり認められたということ。パズラー好みの新本格と考えれば、カチカチと謎を解いていくようなミステリの美学が感じられます。ただ、会話も、笑いと受け狙いがすぎるような気がしてしまい、元々は講談社X文庫ティーンズハートから出版されたものということですので、やはり10代向けなのかなと・・・。 自分が今まで読んだ津原作品の評価はこんな感じです。個人的な好みという面で何か参考になれば。「ロック・アラウンド・ザ・クロック・シリーズ」は90点、「蘆屋家の崩壊」100点、「たまさか人形堂シリーズ」90点、「少年トレチア」75点。今回は50点いかない・・、星だと2.5。辛口評価ですみません。 | ||||
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ジュブナイルっぽい雰囲気でトリッキーな推理を味わえる作品が読みたいなあ、と思って手にしたので、まさしくドンピシャの面白さでした。特に第3話目がよかったので、続編も読もうと思います。 ただ、倒叙ものの第1話「冷えたピザはいかが」で、被害者(女性)の彼氏が被害者の遺体を発見したと言っている時間が、35頁では「午後四時二十五分」となっているのに、60頁では「七時二十五分」となっています(以降すべてそうなので後者が正しいようです)。この食い違いがなんか推理に関係するのかと頭をひねったけど、読み終わってみれば単なる誤植のようで、推理には関係しませんでした(あまりに堂々たる食い違いっぷりなので、もしかしたら私の読みが抜けてるのかもしれません、そうだったらすいません)。最近の版では直っているのでしょうか?遺体の発見時間自体は結構大事なポイントなので残念です。 | ||||
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登場人物の名前に、全編ルビを振って欲しい。 トリックが分かり辛く、彩子や祀島くんの饒舌な解説をもってしても、どうもスンナリ入って来ない。 (冷えたピザは、リモコンと一緒に処分したら良かったんじゃ…) …などなど、 個人的なマイナスポイントは幾つかございますが、津原さんの文章はとにかく読ませます。 半端ないリーダビリティ。 特に最終話の「大女優の右手」は、異形のモチーフと血縁の因果の絡み具合がサスペンスフルで、絶品でした。 この世界観は、津原さん唯一無二だな、と。 また読みたくなってしまう中毒性に満ちています。 | ||||
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少女小説文庫として書かれた二篇の改稿+描き下ろし一篇からなる連作短編ミステリ集。少女小説版は筆者は未読です。 主人公兼語り手は女子高校生で、同級生の友人女子二人と主人公が思いを寄せる同級生男子生徒の四人が中心登場人物で、刑事である主人公の姉、さらにその年下の上司が事件を持ってくる役割のレギュラーという形。主人公は事件の真相を見抜く直観に優れ、それを補完するのが理論派(だが変人)の同級生の少年。この二人またはどちらかが主体で探偵役を務めていく。 本書は読み応えのある本格ミステリであることは間違いないが、それと同時に青春小説でもユーモア小説でもあり、そして美しい文芸作品でもある。主人公の淡い恋模様や魅力的なキャラクターやユーモアあふれる会話など少女小説的ガジェットと、豪華な山荘やら大女優やらのいかにも本格ミステリ的なお膳立てが満載です、というと一部の方は敬遠してしまうかもしれない。だがそのような方もぜひ読んでいただきたい。津原泰水らしい端正な文章や見事な構成にきっとうならせられるはずです。 たとえば、簡潔にして格調高く、見事なリズムを持って語られる各話の冒頭のプロローグは、かつて教科書で読んだ文豪たちの代表作品の一節にも匹敵する素晴らしさ。(私見ですが津原氏の文体のリズムの取り方の見事さって現代の作家のなかでも随一ではないだろうか。)その後の本文も会話主体であるが、その間に挟まれる何気ない状況描写の見事なこと。読むのが本当に楽しい。もちろん、キャラクター小説や本格ミステリのファンが楽しめるのは言わずもがな。 | ||||
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3人の魅力的な女子高生と不思議な物知り男子高校生が「活躍」するミステリー。ミステリー作品として、彼らが複雑で文字通りミステリアスな謎を解き明かす部分はもちろん評価されるでしょうが、その他の彼らの日常の生活ぶりや会話がとても、とても楽しい。これほど、いきいきと感じられる登場人物が出てくる作品は(特に本格派系は)なかなかないのでは?彼らのすべてがもっともっと知りたくなりました。とても都会的そしておしゃれですてきなミステリーです。 | ||||
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著者はもともと「津原やすみ」名義で少女小説家として活動していた人物。 本書は、もともと講談社X文庫ティーンズハートから出た『うふふルピナス探偵団』(1994年)と『ようこそ雪の館へ』(1995年)を改稿、さらに「大女優の右手」を書き下ろして2004年に原書房から出版した『ルピナス探偵団の当惑』を文庫化したものである。 けっこう複雑な経緯をたどってきた本だが、結果として「ルピナス探偵団」の面々の活躍する中篇3本が収められている。 といっても、少年探偵団とかマガーク探偵団とかの類ではない。高校生たちがふとしたことから事件に巻き込まれ、探偵として目覚めていくといった話なのである。 もともと少女小説として書かれたこともあり、キャラクターや文体は非常にそれっぽい。漫画的であり、ユーモアが効いていて、愛すべき人物像に仕上がっている。そこが最大の魅力であろう。21世紀に入ってからの創元推理文庫の方向性のとおりの本である。 ミステリとしては、やや物足りない。 続編『ルピナス探偵団の憂愁』も出ている。 | ||||
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◆第三話「大女優の右手」(書き下ろし) ▼あらすじ 上演中の舞台で老女優が倒れ、控室に 運び込まれるも、まもなく絶命した。 その後、救急隊が駆けつけたとき、 彼女の遺体はなぜか消失していた。 捜索の結果、女子トイレの個室で発見されるも、 遺体から右手が切り取られていて……。 ▼感想 死体移動や右手消失といった奇怪な謎については、 明確な必然性とトリックの裏付けがしっかりなされています。 また、探偵役が終盤に関係者を集め、推理を披露するという本格としての 様式は踏襲されているものの、その行為までが犯人の計画の一部として 機能している、という構図は90年代の新本格を通過している証といえます。 そして「最後の一撃」 どんでん返しのなかで、温かい情感と深い余韻 に浸らせてくれる鮮烈な幕切れとなっています。 | ||||
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作品によって、耽美なホラー(『綺譚集』)であったり、繊細な恋愛小説(『赤い竪琴』)、はたまたノスタルジックな色彩の青春群像劇(『ブラバン』)だったりと、わりと多岐ジャンルにかけて棲息する津原さん。今作では「推理小説」の形態をとっている。ジャンルうんぬんと書いたものの、結局魅力的であるのは、その秘密めいた香りで酔わす文体と、絶妙に洒脱で、しかし妙に抜けた感のある登場人物たち。 今作の雰囲気は、津原泰水名義の作品中においてはかなりキャッチー、というか、より一般的な俗っぽさがある。なので、各人物のキャラ立ちをはっきりさせるための導入話『冷えたピザはいかが』なんかは、珍しく下世話な感触が印象として強く感じられるため、ん?なんか普通っぽいぞと思ったりしたのだが、やはり話が進むにつれその設定や描写にどんどんと独自色が加算されていき、気づけばいつもの如く、なんとも言えぬ磁場を放つ津原ワールドに包まれていく。 そんな中、とりわけ良かったのが最後の「大女優の右手」。ある人物の不可解な死を巡る群像模様が描かれていくのだが、物語のキーである、その女優の一つの疑惑を辿る過程で何度か登場する戦後の昭和光景の描写が非常に良い。アンタッチャブルな気配を強く匂わせるこの時代特有の空気は、怪しの幻想で、全体に高貴とも言える艶やかな絹のヴェールをかける津原作品の世界観(の一つ)を端的に表すようで、この話だけ取り包む空気が他とは全く異なっているようにも感じた。蒼い昂揚、とでもいうべく独特のモノがあります。 | ||||
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既発の2編を改稿し,書きおろしの1編をくわえた連作短編集です. 元は少女小説向けだったそうですが,意外にも本格志向のようで, 入れ替わりや,雪山山荘での密室など,『おなじみ』の題材ばかり. かといって,むずかしくはなく,謎などもオーソドックスなようです. しかし,主人公が持つという推理力や観察力がイメージできず, それで解決したという過去の事件についてもフォローがないため, 感情移入がしづらく,ただ淡々と流れているような印象を受けます. また,学園外での場面が多いせいか,学園ものとしても弱く, ほかにも,遠まわりというか,もどかしく感じるところがあり, 読みづらくはないのですが,スムーズに入っていけませんでした. あとは,『エレヴェータ』や『キイボード』など,独特の表現が…. ただ,書きおろしの3編目.こちらは裏の裏をかく真実や, 事件に隠された物語性と,なかなか楽しませてもらいました. | ||||
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一緒にいるだけで心が浮く。そんな相手に出会えたらいいですよね。主人公が好きになった相手は都市の中の化石を見つけることが趣味と言う変わった男性。でも素敵。愛の言葉をささやかない守ったりもしない、けど言葉の端々に愛情を感じる。おもわずにやっとしてしまうような会話文。推理小説のジャンルに属すると思いますが、私は恋愛小説として大好きです。 | ||||
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以前、少女向けの文庫に収録された話+αの単行本。そのため、私的には少し値段が高いかなと思ってしまいましたが・・・。そのため、星4つです。年月がたって読むと、また少し違った面白さが発見されて最後まで一気に読んでしまいました。少女向けに出せるような話なんだから・・・と思って読まないともったいないですよ!!一気に読める津原作品。一回読むと、癖になります!ぜひどうぞ!! | ||||
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