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アルキメデスは手を汚さない
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【この小説が収録されている参考書籍】
アルキメデスは手を汚さないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 41~59 3/3ページ
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登場人物たちにどこか無理があるというか、語り口に独特の古めかしさを感じた。 作者の意図によって、登場人物が動かされているのがわかってしまった。 中盤の、次々と謎が出てくる展開は面白かった。 正統派ミステリーの面白さに触れた気がする。 ただ結末は、ミステリーを放棄して青春小説に逃げられた感じ。 ちょっと物足りないが、トリックよりも人間に焦点を当てる描き方は、当時はきっと画期的だったのでしょう。 刑事が、学生たちの行動をなんとか理解しようとしているのがとても印象的でした。 | ||||
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三十年以上題名は知っていたが、あんまりぱっとしないだろうな……と思って敬遠していた作品。しかしこの度縁あって読破。 内容は……ま、予想通りってことで……。 ある意味70年代の推理文壇そのものがこんな感じだった。云わば停滞期であったことは事実。作者も何とか工夫を凝らそうとしてるけど基幹となる謎が弱くてどうも……。とってつけた様な密室も問題で、こんなの付けるぐらいなら削っちゃえば?という感じ。 ただ、読者をあっと言わせよう、事件を複雑にしようと努力しており、その努力は買う。 この作品で守銭奴と思われていた男が、ただ単に合理的な男であることが判明するラストの下りは清々しく、なるほど青春推理小説ではある。 | ||||
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これは、ミステリーと言うよりは青春ものというべきだと サクサクと軽快に進む物語、物語の中の年代、高校生たちは薄気味悪い気持ち悪いと今の私の年代から見るとそう感じました 学生運動、赤軍など当時を象徴すべき作品 本当にアルキメデスは手を汚さないという、タイトルの意味するものは最後のあの人物のことだったのではないでしょうか? | ||||
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妊娠中絶中に少女が謎の言葉を残して死にます。その同級生の少年は 弁当に入れられた毒に倒れ、そして青年が失踪ます。 一見ばらばらな事件が、やがて一つにつながった時、意外な事実が浮かび上がります。 犯人の動機も犯行の構造も、時代の背景を色濃く反映しています。 70年代。 戦後、高度経済成長、乱開発、世代間の価値観に大きな溝が生まれた時代です。 かつてない豊かさと引き換えに、何を得、何を失ったのか。 こう書くと、何やら暗い雰囲気になりますが、作品自体はカラリと軽やかです。 作者のバランス感覚も抜群で、独りよがりの正義を振りかざす子供たちは小生意気でも ある種の魅力にあふれ、登場人物の言葉を借りれば「かっこいい」と感じる人もいるでしょう。 大人は枠の中でしか働くことができず、「すべきこと」をしなかったり、 できなかったりですが、いやしい描かれ方はされていません。 話の終わりも、大人が子供を諭すような古臭さや、子供が大人を糾弾する青臭さもなく 意外な人物が意外な価値観を開陳し、おかしな言いまわしですが、さわやかに苦笑いをさせてくれます。 ただ、このあと時代が狂乱の80年代に向かうのかと思うと、ため息が出てしまいます。 時代を見事に撃ち抜いて見せたのでしょう。当時ヒットしたことにもうなずけます。 追記 トリックがいま一つ、といった評価があったようですが、ボクはそうは思いません。 確かに大きなトリックはないのですが、小粒なトリックがつながりあって機能し 謎を魅力的にしています。刑事の推理は論理的でじゅうぶんに楽しめました。 | ||||
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東野圭吾がこの本を読んで、推理小説に嵌ったとの話を聞いて購入しました。 特別驚くほどのトリックとは言えないかもしれませんが、35年以上前の作品とは思えない、現代でも通じる青春小説と言えます。登場人物は高校生ですが、それぞれの人格はもう立派な大人で、恐らく今の本格推理小説の登場人物と変わらないどころか、更に深くまで人物像が描かれています。 単なる殺人ミステリーではなく、登場人物の心理状態を読者に深く読ませるのは、東野作品にも通じていると思います。 | ||||
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東野圭吾氏がこれを読んで、作家を志したとか。 確かにその当時には新鮮だっただろうと思われる、高校生中心の青春小説+推理? うーん、でも、正直、大人が書いた高校生って感じだった。 発想が高校生じゃない。 他の人も書いているようなので深入りは避けるけど、正義感を振りかざしてあげくに強姦って発想は高校生のそれではないでしょう。 なんか、むりして高校生を主人公にしたいのかもしれないけど、その論拠がイマイチだし、無理めでイタイ。 うっかり妊娠して、困って殺人って方がまだわかりやすかった。 そうしてセリフ回し。 百歩譲って、昔の高校生は博学だったとしても、セリフの中に阿諛、とか拱手傍観、とか出てくるのはちょっと・・ 「(中略)万国博覧会後の万博サーキットを飛ばさせようや。オートバイで吹っ飛ばすほどではなくても、いくらかは気が晴れるだろうぜ」 作者の人、実際に声に出して読んでみたのかな?かなり不自然だと思うけどなぁ・・ なーんか感覚があわなかった。 ということで、★3つ。 | ||||
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70年代のその時代の色が出ている作品なので、 現代の人が読むと古く感じると思う。 推理ミステリーではなく、小説っぽいです。 前半はある女子生徒の中絶死、そこから中毒事件、 殺人事件へと事件が次々と移行していき、 中盤は刑事による事件の推理、後半は供述となり、 結尾で事件発端の前提があきらかになる。 犯行のトリック自体に驚愕させられることはないし、 中盤で事件解決につながるヒントや目撃者が出てきてしまうので 「あーあ、なんだ」と思ってしまうことが多少あるが、 供述が覆り覆りを繰り返す場面はなかなか面白い。 行為自体は残酷なのに、犯人や犯行動機が 不謹慎だがとてもすがすがしいのが不思議だ。 青春時代独特の純白さ、若さゆえの思慮のない残忍さ、 それでいてどこかすごくシビアで直接的であったり、 様々な矛盾が面白い。 結尾は大きな議題を投げかけて〆る。 歴史的、政治的な人間の真理を考えさせられ、 タイトルの意義を痛感します。 高校生・セックス・中絶・結束団・総括、などを織り込んだこの作品は、 正義を模索する当時はセンセーショナルだったと思う。 ベストセラーで江戸川乱歩賞を受賞した理由は想像できる。 当時ものとして読めば楽しめると思うが、現代の人が現代の感覚で読むと、 言葉遣いも設定も価値観も古臭く感じてしまうので、 現代っ子にはウケはよくないだろう、と思う。 | ||||
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第19回江戸川乱歩賞受賞作。『テロリストのパラソル』が登場するまで 乱歩賞受賞作品の中ではハードカバー&文庫共に一番売れていた作品とのこと。 36年前(2009年初頭時点)の本なので、その中には昭和40年代の残り香という ものが、此処其処に漂っています。 しかし、一度絶版になりつつも、平成の世になって復刊されたというのは 単に乱歩賞受賞作だから・・・という訳では無いでしょう。例え、東野圭吾効果 が見込まれるとしても。実際、ミステリ部分も読ませます。3つの事件を多層的に 重ね、それを中盤から終盤にかけて、一気に太い一本の糸へ編み混んで行き 疑問点が明らかになる箇所は、ページを捲るのが楽しかったのです。 しかし、この作品の一番の読みどころはやはり、主人公たち(高校生だ)の 心情でしょう。或る意味において、この物語は少年少女から、大人への脱皮を 描いた一種のビルドゥングスロマンだと思うのです(作者や解説ではピカレスク 小説と述べている)。 主人公たちは社会(ここでは大人と同義語)を以下の様に見ています。 ・社会は汚れているものだ。 ・(汚れている)現実の前に理想ほど脆いものは無い。 ・それ故に、戦う為には己の手を汚さなければならない・・・という風に。 そういう結論に至った彼ら彼女らの行動は是非作中で。 そうすれば何故にこんな哲学的なタイトルになったのかもはっきりします。 | ||||
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昔、単行本を買った記憶がある。本屋でぜんぜん違うイメージの装丁で並んでいて、「へエー」って思って買ってみた。もうすっかり忘れていたと思っていたが、読んでいくうちに思い出してしまった。人間の記憶っていうものは不思議です。僕が大学4年の時に江戸川乱歩賞をもらった作品で、僕には全然時代の違和感がなく読めました(当然と言えば当然)。確か次の年にテレビでドラマ化された記憶が残っている。時代の変化の影響を一番受けるのは中学・高校時代だろうから今の若い方が読めば違和感があるのは当然といえば当然。しかもあの時期は今より嵐の真っ只中をくくりぬけた後だったもんね。 | ||||
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第19回江戸川乱歩賞受賞作。1973年の作品。 ミステリーと言うより青春小説と言った方が良いのだろう。 だけど、青春小説として読むには、この作品に書かれて いる若者達には魅力が感じられず、感情移入出来ない。 作品中に「総括」と言う言葉が使われているように、当時活動 していた連合赤軍の影響を強く受けているのだろうが、妙に 姑息で若者らしさが感じられない。 法に違反しなければ何をしても良いと言う土建屋の柴本氏も、 この若者たちの考えも、基本的に同じではないだろうか。 むしろ柴本氏の方が正常で、柴本氏の娘の美雪や、その仲間 の高校生の方が異常とさえ思えてしまう。 時代背景が違うのかも知れないが、当時の彼らより、はるかに 若い世代であるにも関わらず、その考え方や行動は奇異に感じた。 この作品で書かれているのは、大人の目線から見た若者達なの ではないだろうか。 登場人物に共感できないのは、青春小説としては致命的である。 ミステリーとして見ても、時刻表トリックや密室などを取り込んで いるが、いずれもただ使っているだけで、底が浅く中途半端である。 | ||||
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さすが、 東野圭吾をその気にさせたというだけはある。 30年位前にかかれた作品だというのに、 テーマも、 動機も、 とても現代的ともいえる。 理想主義的な部分も否めないが、 それでも、 “ドラマ”で楽しませてくれる。 推理やトリックの面白さというよりは、 登場人物たちの描き方が上手なのだ。 正統派の推理小説。 骨太な一作。 解けないままの謎。 他の作品も読んでみたい作家となりました。 | ||||
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確かにミステリーとしては面白いです。 ただ結構昔に書かれたせいか出てくる高校生にたいしては 同年代の自分は理解できません。 十代の行動の土台にある部分は似ているようですがその上に 築かれているものには違いがあるとおもいます。多分、最近の若者 には共感しにくいものだとおもうし、周りにもこんな友達いないと思います。 最後に個人的に思ったことなんですが、この作者の人は若者が嫌いなんですかねぇ・・・。 | ||||
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30年以上前に書かれた作品であることを考えると、青春もの、学園ものとして 今も普通に読めることに驚きを感じる。 文章はそれほど古臭くないし、テンポもいい。 学生たちのシニカルなものの考え方、性や恋愛への一見ドライでクールな割り切り方などが、事件の動機の部分を<謎>にし、刑事たちを戸惑わせるのだが、30年後の今は、別に驚くような感覚ではない。 その意味で、価値観が変わってしまった21世紀の今、この作品から物凄い驚きや感動を得られなくても、しょうがないと思う。 | ||||
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青春推理の原点、ということだったが、いまいち主人公たちに 共感できなかったなあ。むしろ被害者に同情してしまった。 「怒れる若者」という70年代的時代背景が濃厚な作品。 | ||||
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アルキメデスはたくさんの殺人機械を作った。 アインシュタインは原爆の発明のきっかけ作った。 彼らの手は汚れているのだろうか? 大命題のわりには、軽いストーリー 高校生学園物だから仕方ないか。 トリックも色々あり、母子の愛、同級生との愛、もりだくさんがゆえに、軽く感じてしまった。現実の世界でも不可解な死があって、動機に納得がいけば、世間も納得がいく。 しかし、これも最近の現実同様、動機が中途半端で、たくさんのトリックやネタをぼかしたのではないだろうか? | ||||
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乱歩賞受賞作だがミステリというよりは青春小説だろう。私は本作発表とほぼ同時に読んだ。題名は、アルキメデス自身は人殺しをしていないが、彼の発明・発見によって後に多くの人々が殺された事を指す。意味深のようだがハッタリである。 描かれるのは高校の中で特異なグループを作った若者達の裏切り、脅し、妊娠、表面的な助け合い等である。友情と書けない所が辛い。当時TV化もされた。 誰にでもある青春時代の暗黒面を肥大化して描いた作品。 | ||||
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テンポよく進行するストーリーは読みやすいし、高校生のときに初めて読んだときは非常に面白く感じた。しかし、この小説の材料となる事件がひととおり出揃った時点で、それぞれの犯人を完全に特定はできないものの、犯人となるであろう対象人物がかなり限定できてしまった点は推理小説としてやや迫力不足を感じた。また、反体制的高校生たちが起こす行動が「妊娠」であった、というのはやや非現実的なストーリー設定だと感じたのは私だけだろうか。とはいうものの、この作品の小説としての出来栄えやおもしろさを否定するものではない。 | ||||
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「暗黒告知」 文句無しの傑作。評価すべきは話の展開、人間よりもその筆力の濃さ。 数年に1度は、物凄い新人が出る最近の乱歩賞だが、はっきりいって本作の筆力はずば抜けている。足尾鉱毒反対派の集団の行進と、その後の警官隊との衝突の場面などは、まるで自分がその場に居る様な錯覚を起こさせる。このシーンだけで本作は★5つだ。 が、「アルキメデスは手を汚さない」で1つ減点。 一体全体、結局、誰が主役だったんだ? | ||||
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東野圭吾が傾倒したことがあるという作家の乱歩賞受賞作(そういわれれば彼の乱歩賞受賞作「放課後」にも共通した雰囲気)。胸が悪くなるようなこどもたち。子供の本質を、ある意味リアルにとらえているのかもしれない。 | ||||
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