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空白の叫び
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空白の叫びの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41~46 3/3ページ
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最初はメインの登場人物三人をとても丁寧に描いています。 全く似通った所のない三人がいったいどこでつながるのか、とても想像が付きませんでした。 まさか、少年院でであうとは。 そしてそこでの生活がなんと悲惨なことか。 下巻がこのまま少年院での様子を描いていたら、 きっと最後まで読む事は出来なかった思います。 そのぐらいつらいストーリーでした。 | ||||
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第1部胎動と第2部接触が収まっている上巻は、前半と後半で環境ががらりと変化してしまうので、気持ちの切り替えが必要に思います。 14歳の年齢だけ共通の3人が交互に犯行に到るまでの生活は、日常生活に潜む狂気として少年犯罪について考えさせるものがあります。が、後半は少年院で人としての尊厳を踏みにじられてゆきます。 この少年院で、感情の抑圧が効かない幼い少年たちの陰湿ないじめが、ラスト人として越えてはならない境界をも越えてしまいます。 2度と戻りたくない場所にしないと更正出来ないから、ここまで酷いことをする。その少年院からの抑圧で歪む院生たち。あまりにもの悪循環な世界。 14歳は本人が気付いていない幼い世界観が、あまりにも辛い上巻だった。 | ||||
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『模倣犯』以来の上下分冊を読み終えた。上巻よりも三人の再会後を描いた下巻に興味が湧いた。しかし昨今の異常な少年犯罪の拡がりを見るにつけ、フィクションの世界ならではの事実を凌駕するような内容を期待してしまう。上巻に於ける各人の幼い故のせっぱ詰まった犯行は納得出来る(小説として)が、再会するべくして再会した後の犯行はもう一ひねり有っても良かったのではないか。上下巻を読ませる力は十分に感じるのだが事件慣れしてしまっている読み手をもう一押しして欲しかった。 | ||||
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どこにでもいるような少年たち。なぜ彼らが人を殺したのか?読めば読むほど戦慄を 覚える。実際にも充分あり得る話だと思った。彼らが殺人に至るまでの過程は、読み 手を引きつけて離さない。上巻の、殺人までの心理の軌跡や少年院での出来事は 圧巻だった。ただ下巻になるとちょっと現実味が薄れてくる。少年たちをつなぐ糸は、 作者の懲りすぎではないか?それでも、充分に楽しめる内容ではあったが。 いろいろな少年たちが登場したが、一番怖いと感じたのは神原だった。見た目と心の アンバランスが、不気味な存在となっている。彼らの心の中の空白は満たされるの だろうか?満たされないままさ迷い歩く姿しか想像できない。 | ||||
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3人の少年が犯罪を起こす。 犯罪を犯してやろう、として犯した少年は誰もいない。 「症候群シリーズ」や「慟哭」などの貫井ミステリとは違い、犯人は判っている。その背景も、動機もまた。 しかし、いわゆる"動機"というほど確固たるものでもないということが、まさにこの作品の肝でもある。 ただ、獏とした不安や、もやもやとした気持ち。 なにも理不尽に相手を殺害したのではなく、理不尽なのはむしろ、彼ら自身を取り巻く運命だったのかもしれない。 洋画「ファイナル・ディスティネーション」では、一度逃れたはずの"死"に徐々に追い詰められ、死神に絡め取られていく高校生の姿が描かれていたが、彼らもまた、逃れられない"殺人者"の道へ、少しずつ積み重なった小さな出来事によって突き落とされていく。 前半早々に道から突き落とされた彼らの、少年院生活、退院後に大きく焦点を当てて描き出されるのは、まさに埋めきれない"空白"だろう。 石田衣良の「うつくしい子ども」も弟の犯罪後、兄が弟の心理を読み取ろうと奮闘する異色ミステリで、読み応えのあるものだったが、本作は「うつくしい子ども」をも超えた。 石田作品で、淡々と"理解"のために動いた主人公とは違い、必死に"叫び"を放っているのが本作である。 この"叫び"は、少年を描いた"犯罪後小説"として、一つのターニングポイントとなるだろう。 | ||||
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決して心根が捻じ曲がっているわけではない登場人物が、堪え切れぬ一線を超えた時に、この世界のしきりから転落してしまう、この転落するか否かの境目のあざとさを、なんと微妙に、繰り返し、さまざまに、描いていることだろうか。どちらに転ぶか、どこで転ぶか、当然ながら読者は、その世界から、一歩さがって俯瞰して達観した世界で読んでいるがゆえに、味わえる感覚を呼び起こしてくれる。犯罪小説は数あれど、その端境にフォーカスした数少ない作品と言える。 | ||||
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